2007/05/01(火)18:05
[部活動]カンニング部…
日本にはおよそ1,500もの中学・高校がある。
広い全国を探してみれば、オーソドックスなもの
からトンデモ部活動まで必ずあるはず。
ここでは、そんなトンデモ部活動に情熱を懸けた
若人たちの軌跡を紹介していきたい。言うなれば、
これは青春を謳歌した者たちに捧げる甘酸っぱい
遠い日のメモリー。
僕の名前は阿勢柿太。この春から入学したばかりの
新入生です。クラブ活動は何をしようかと迷って
いたところ強引な先輩の勧誘に、あれよあれよと
入部させられたのが僕が所属するカンニング部。
モットーは、「カンニングの辞書にわからない問題は
ない」だとか。そんな感じでテストに備えて、自分
なりに先生に見つからないカンニングの下準備をする
というのがクラブ活動なんだけど、やっぱり一番
基本なのは自分の身体に書くというのがスマートかな。
だもんだから、身体中にいろいろな答えを書いている
んだけど、それにしても今日は暑いです。
あっ、この問題の答えは確か、手のひらに書いたはず。
先生が隙を見せたその間にちらっと見て答案を埋めよう
っと。先生が僕の横を通り過ぎた今がチャンス!
はっ、汗で文字が滲んでいる…、って他の場所は?
ああ~、シャツの下も汗で真っ黒、何を書いてるのか
わからない!?こんなことなら水性ペンを使うのでは
なく、油性マジックにすればよかった…。って、この
問題、どうしよう?
私の名前は、角須胡妙。カンニング部に所属する華も
恥らう2年の乙女よ。今年の私は今までの私とは一味
違うわ。だって、ある手品師のネタをベースに準備
したんだから。その手品師っていうのが、誰かが引いた
カードを当てるだけでなく、そのカードと同じカード
がここにあるっていうのも当てるマジックをするんだって。
で、そのネタは簡単なことで、52枚のカード全部を
どこに隠したのか覚えているんだとか。これなら私にも
できそうだから挑戦してみたの。ほら、この問題の答え
なら、確か教室の時計の裏に隠したはず。こっちは、
掃除箱の裏、これは窓の外、これは黒板消しのところ…、
って、そんなところに隠して私ってばテスト中にどう
やって見る気だったんだろう…。
オレの名前は、芽河累。一応、カンニング部の部長を
させてもらっている。まぁ、一番学年が上っていうだけ
でやっていることなんだが。今回のテクニックはオレに
しか出来ない裏技みたいなものでチャレンジだ。遠視の
オレはメガネをかけてるんだが、これを使って華麗なる
カンニングをすることに決めたんだ。ヒントはケント・
デリカット氏がメガネを前後に動かして目を大きく見せる
芸があったろ?あれの逆を使えば、小さく書いた文字を
大きく読み取れるはずだって。それで、消しゴムにヤマカン
でいろいろな問題の答えを小さい文字でびっしり書いた
んだが、まさかメガネを使って文字を大きくするとは、
さすがの先生もそこまで深読みできないはず。さぁ、
目が疲れたフリをしてメガネを外して消しゴムの文字を
読むぞっ!って、確かに字が大きくなっているらしい
けど、メガネを外したら何も見えないじゃんっ!せっかく
の妙案だったのに、目が悪いという根本的なところで
足元を掬われるとは…、一世一代の不覚っ!