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灰色の空のむこうには…

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2010.02.14
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カテゴリ:テレビの話
龍馬が江戸より剣術修行を終えて土佐に帰ってきたら、
周りの人たちが大きく変化していて、まさに浦島太郎
状態になっていました。

武市半平太の塾は攘夷を掲げた集団となっているし、
岩崎弥太郎は塾を開き江戸へ行くことが決定、そして
結婚するはずだった加尾は独身のまま学問を学んで
いました。

そんな変化に戸惑いつつも旧友を訪ねる龍馬は、土佐
随一の絵師でありながら西洋事情に明るい河田小龍の
ところに話を聞きに行くという弥太郎に着いていく
ことで、新たなカルチャーショックを受けることに
なります。


それにしても、この小龍のところで最後まで残った
同世代でいながら幼馴染といえる三人の意見のぶつ
かり合いが、この後の三人の行く末を暗示していた
のは見所だったのではないでしょうか。

攘夷一辺倒で理想を追い求める武市半平太に、金
こそが全てと主義主張もなくひたすら儲けることに
興味のある岩崎弥太郎、そして直面したことにどう
向き合うかを考える現実的な坂本龍馬と、この三者
三様の交わることのない思想がそれぞれのその後を
決定付けたと思えば、見逃すことの出来ないエピ
ソードです。


しかし、ここで思ったのは鎖国という政策は、日本
独自の文化を育んできたと思えばそれはそれで重要
なものだったと思うのですが、いざ世界地図を見て
日本の小ささを目の当たりにしたときの若者たちの
反応を見ると、文化的には発展したかもしれません
が国力的には停滞していた時期だったと言わざるを
得ません。

さらに国内に引きこもることによって自国がすぐれ
ているという独りよがりな思想を昇華させてしまった
ことが柔軟性を失くしてしまったものだと思います。

考えてみましたら、この時代より遥か300年前の
戦国時代には織田信長は当たり前のように地球儀を
眺めていて、さらには海外にも積極的に渡航しよう
とした大名たちもいたくらいですから、そうした
いいものを吸収して成長しようという考えを絶ち
切ってしまった鎖国政策はこれからの日本の迷走
具合に拍車をかける要因になってしまったのかも
しれません。


それはともかく、吉田松陰先生と出会い海外の存在
に気付き、河田小龍と出会うことで海外事情を知る
こととなった龍馬は、いよいよ海外へと目を向ける
ことになります。

家族みんなで桂浜に行き、黒船を作って家族みんな
で遠い異国を旅するのが夢だと語る龍馬、そして
龍馬の案内により目をつぶりながらそれぞれの国で
出会うあれこれを想像する父・八平。

ただの夢物語でしかない家族みんなが揃ってもっと
同じ時間を過ごしたいと語る息子と、想像の中でも
同じ夢を見ることの出来たことで静かに涙する八平
の姿は、とても美しく感動的なものでした。





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Last updated  2010.02.14 23:29:37
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