灰色の空のむこうには…

2011/05/12(木)14:08

「阪急電車 片道15分の奇跡」…

映画な話(668)

悪くないよね、この世界も 宝塚から西宮北口までを約15分でつなぐレトロな雰囲気の 阪急今津線。そこには、様々な事情を抱えた男女が、束の間 乗り合わせていた――。 純白のドレスに身を包んだOL翔子。彼女は、婚約者を後輩 に寝取られてしまい…。かわいい孫を連れた老婦人の時江は、 息子夫婦との関係に悩む日々…。彼氏のDVに悩む女子大生 のミサ。ふとしたことから車内で口論となり…。庶民的な 主婦、康江は、肌の合わないPTAの奥様グループの誘いを 断ることができず…。地方出身の大学生の権田原美帆と小坂 圭一は、おしゃれな大学に馴染めず…。年上の会社員と付き 合う女子高生の悦子。大学受験を控え、成績が思うように 上がらず…。 オープニングからいきなり取った取られたのドロドロな感じ で始まったので、どうなることかとハラハラしながら見て いましたが、登場人物が何人もいる群像劇ながらも個々の エピソードは重なりながらもきっちりと描き分けられている 心温まる映画でした。どちらかというと淡々とした感じで 物語は展開していき、各エピソードもそんなにセリフが多い わけでもなく、気が利いたものがあるわけでもないのですが、 そのほうが逆にリアリティがあって立体感を感じることが 出来ました。 僕は仕事で得意先がこの阪急電車の今津線沿いにいくつか ありまして、だからこそ余計に親近感を感じてしまうのかも しれませんが、エピソードもきっかけで終わることなくその 後の後日談まで描かれていまして、各キャラクターが空白 の間にどのような成長をしたかが丁寧にわかるようになって いまして、明日も頑張ろうという元気をもらうことの出来る 映画だったと思います。

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