灰色の空のむこうには…

とにかく、結果も人間もわからない
からこそ面白い
だけど人間は弱い
だから一人じゃ生きられない
だからこそ助け合う
そういうシンプルな話だよ


いつも番組編成シーズン前のときにどんなドラマが始まる
のかチェックしているのですが、この夏のドラマで紹介を
見ただけではよくわからないながらも、どことなく魅力を
感じてしまったのが、この「荒川アンダーザブリッジ」
です。

原作がマンガでして、よくある脱力系なのか電波系なのか
不明ながらも小栗旬氏がカッパで村長役なのを筆頭にムダ
に豪華なキャストが勢ぞろいしてまして、放送枠の時間帯
が深夜ドラマなのにここまで力の入ったシュールな世界観
は最後まで訳のわからない展開の連続でしたが、とても
楽しむことが出来ました。


ひょんなことから荒川の河川敷に住むことになった御曹司
の主人公と、金星人を自称するヒロインやカッパの村長を
はじめとする河川敷に住む個性的な住人たちとの交流を
淡々と描いた作品なのですが、それまで財閥を継ぐべく
帝王教育を受けたためか人間らしい付き合いをしたことが
なかった主人公が次第に住人たちと打ち解けていく様子が
あっさりとではありますが丁寧に描かれ、とても心温まる
ハートウォーミングな作品だったと思います。

毎回、前回までのＡＵＴＢというあらすじがあるのですが、
この「ＡＵＴＢ」って何のことか先週までわからなかった
のはちょっと恥ずかしかったです。


僕の中ではかなり満足なドラマだったのですが、ただ１つ
だけ残念なことはこのドラマは第１０話が最終回だった
にも関わらず、テレビ放送でちゃんとした終わり方をしな
かったことです。

昨今のドラマはとかく映画化をするのが増えているのです
が、このドラマもすでに来春の映画化が決まっていまして、
物語の完結はその映画版をもってするような、中途半端な
最終回でした。

僕は映画化は反対とは思わないですが、それは限られた枠
の中できちんと完結した上での続編という作りであるのが
前提で、結末を映画に持ち越すという某ゲームのような
ある意味大人の事情が絡んだラストはいただけないかなと。

せっかく毎週とても楽しみに見ていたドラマであっただけ
にそこが残念でならないです。