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ほぼ日刊三浦タカヒロ。

「未だ見ぬ暑さに。」

未だ見ぬ暑さに。

昨年とは一転、酷暑の夏。心なしか季節がどんどん前倒しになってきているように感じています。
高温と日照を好む仙台長茄子や、仙台ちゃ豆などは非常に順調な生育でした。予想収量の倍近くもの収穫に恵まれ、過剰供給ぎみになってしまっています。
田んぼでも、稲の穂から小さな白い花が咲きそろいはじめています。このままいけば稲刈りは例年よりもだいぶ早まることになるでしょう。
このところ頭をもたげているのは、地球規模での気候変動からくる、温暖化への順応について。
私たちにとって、危機的な状況がひたひたと迫っているように感じています。
仙台という場所だけで短期的にみれば、暑い夏は歓迎すべきものです。夏野菜は太陽をさんさんと浴び、のびのび育ちます。
中長期的に考えると、農作物の生育障害、栽培適地と病害虫の北上、旱魃や水害など、影響からくる心配は枚挙に暇がありません。
あるデータによれば、最近の東京の年平均最低気温は、鹿児島のそれよりも高いそうです。
最低気温は木々の植生を決定する重要な要素ですし、このまま温暖化が進めば日本の植物分布が大きく変わってしまいます。
万葉の古典のような花鳥風月の季節のうつろいには、もう出会えなくなってしまうのでしょうか。
思いはめぐるばかりですが、一零細農家として速効性のある解決策はそのじつあまりないのかもしれません。
地域の環境保全活動や食育のお手伝い。持続可能な農業のためのフェアトレードによる地産地消の展開。農村集落に伝わる智慧の発掘作業などなど、いまの私に求められていること。
直接にはほとんど無意味であろうともそれでも、やらなければならないと思うんです。
世界を変えるためではなくて、世界によって自分が変えられないようにするために。


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