航空管制の離陸許可
JAL機炎上の原因に、航空管制官とのやりとりの中でJAL機と海上保安庁機の機長の言い分が食い違っていたという報道があります。まぁどちらかが感違いした事になるのですが、どっちが悪いという結論ではなく 「何故滑走路に侵入したのか?」 「誤って侵入した航空機を何故誰も気づかなかったのか?」この2点の解明が重要です。アメリカのような航空機が主な移動手段である国では、「懲罰」より「再発防止」に重点が置かれるため「刑事免責」にする替わりに全てを話してもらう。というのが主流です。刑事罰対象にすると、重要な事を黙秘したり嘘をつく可能性があるからです。ここで航空管制官との離陸までのやりとりを紹介します。全て英語で行う規則であり、その内容をちゃんと理解する能力(当たり前だけど)が求められます。1. 滑走路手前で待機指示(JL001便、滑走路34Rの場合)Japan Air 001, Taxi to holding, Run way 34R2. 滑走路への侵入許可Japan Air 001, Line up & wait, Run way 34R3. 離陸許可Japan Air 001, Cleared for take off run way 34R上記3つのステップがありますが重要ワードは、 1. Taxi to holding, 2. Line up & wait, 3. Cleared for take offです。1. で滑走路手前で待機の指示ですが、ここで実際に指示があった内容は、JA722A, No.1 Taxi to holding point C5です。No.1の意味は、滑走路手前で待機が2機* あった事を意味します。その2機の中でC5に駐機している海上保安庁機が最初に離陸できます。なので、この指示だけで滑走路に入る事はできません。あくまで 2.の Line up & wait の指示があってからの侵入になります。何故海上保安庁機が、この指示だけで侵入したかがキーになります。これは聞き取り能力の問題より、精神的に置かれた状況が大きく左右していると思っています。震災地への物資支援という通常とは違う特別任務であり、少しでも早く震災地に届けたいという潜在意識が、No.1の意味を曲解させた可能性があるのではと推測します。*滑走路手前で2機が待機例C1 と C5 で2機が待機している場合、どちらが先に滑走路に侵入できるか No.1 で指示する。参考情報https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/haneda-runway-collision/羽田空港の滑走路https://photo-studio9.com/haneda-photo-spot/