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新英語教育研究会神奈川支部HP

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ルター、学校へ行く(私立高の2年目)

■2006.04.25 ルター、学校へ行く(私立高の2年目その1):昨日のNHK特集にショック+英語通信
 昨日のNHK特集「サイボーグ」にショックを受けたルター。立花隆さんの取材で次々に明らかになるサイボーグの軍事利用。悪魔としか思えない人々が人殺しをする機械を開発するのにお金をつぎ込んでいるという現実がそこにはあった。また脳だけでコミュニケーションできるようになる可能性も示唆され、「ことば」とは何かを考えさせられた。

 そこで英語通信の第1号は「ことば」「表現すること」「美意識」をテーマにした。井上ひさしさんが宮沢賢治の『どんぐりと山猫』を読み、賢治が「まはりの山は、みんなたったいまできたばかりのやうにうるうるもりあがって、まっ青なそらのしたに並んでゐました」と山を描写したのを「僕たちがなんと言っていいかわからないものに、ちゃんと言葉を与えてくれる人がいることに感心したんでしょうね」と述べている記事を紹介して、ことばで表現することのすばらしさをまず伝えたいと思った。[神経細胞の電気信号でのコミュニケーションなんかに、負けてたまるか!!]
 
 悩んで苦しくて救われたいと思うことがあっても「安易なことばに救われるより、救われない方がましだ」という私の信条を話し、神なき宗教と呼ばれた「(能力開発)セミナー」のような場で嘔吐するかのように悩みを吐露するのは私の美意識に合わない、と説明した。そして人生で悩んだときは、自分が尊敬できる作家を本で探し、こういう人が世の中に居た、あるいは居るんだな、と知って『安心』すること、を薦めた。私は中島敦の『悟浄~』や庄司薫さん、ヘッセの小説を読んで安心した、と話した。


 今日の私をたとえてみると…、『眠れる森の美女』でオーロラ姫にかけられた死の呪い(spell)を3人の妖精が小さな魔法の杖を持って懸命にそのスペルをやわらげようとしているかのごとし、であった。高校生のみなさんの知らないところで進む、恐ろしい現実。どうにかしてやわらげたい。

■2006.05.17 ルター、学校へ行く(私立高の2年目その2):スターバックスのTallとLarge+美術の英語教材
●高3のクラスを教えているS先生が生徒から
「コーヒー店のスターバックスでは(Small, Medium, Largeではなく)、
Short, Tall, Largeを使っているのが気になる」と言われたところから、
Tall sizeとLarge sizeというのはどんなものなんだ、という話題になった。
そこでネイティブのK先生に質問したところ、
スターバックスのみのシステムらしいことが判明。
カップをShort, Tallで指すのはいいそうで、
ズボン・パンツ・ジーンズの丈などもShort, Tallで言うことを教えてもらった。
「あれ、Tall?  Longじゃないの?」と思ったのだが、
そこで分かったのはTallには地面からの高さに関心がある言い方だということだった。
こういう指摘はまさにこのHPに記すのにふさわしいと感じたルターであった。

●以前にこの日記に書きましたが、美大受験する生徒がいるクラスを担当したルターとしては、「ゴッホ事件」(大学3年のとき、ゴッホがVan Goghだと知らなくてフランス人の友人に通じなかった事件)を再発させないためにも美術に独特の単語を抜粋する教材を開発中。
種本はThe Oxford Children’s Famous People, 2nd ed., 1999です。英文と作品の写真を載せて、単語表を作り、英文を見ながら単語を書き抜くだけ、というもの。

 No 1は「ミケランジェロ」。まず発音が「マァィケラァンジェロゥ」なので驚きですが、
それはLongmanの文化事典を見ると発音が載っているので大丈夫。
・ダビデ像 the statue of David  ザ スタァチュー オヴ デェィヴィッd
・彫刻家  sculptor スカルプタァ

などの単語が出てきて、為になりそうな気がします。そして…

・『モナリザ』The Mona Liza ザ モォゥナ リィーザ (theをつけるんですね…)
・『最後の晩餐』The Last Supper ザ ラスt サパー(晩餐はsupperだったのですね)

のようになじみのある名作の言い方が分かるというのが、教材を作っていてもやりがいがあるし、楽しい。このようにspecificな教材こそ、internationalなものだとルターは感じている。


■2006.06.09  ルター、学校へ行く(私立高の2年目その3):試験問題づくりで夜10時+「日本の、これから」(米軍基地)+「ようこそ先輩」
●金曜日はテストを夜8時すぎに学校で作っていたら、生徒達がお昼につくったサラダうどんとパンののこりが出てきた。こういうことは他の学校では期待できない出来事である。いわゆる「総合の学習」で生徒達はお昼に100人分ぐらい食事を作るのだ。ありがたくいただいて、9時半にやっとできて、ちょっとのんびりして10時に学校を出た(まだ他の先生が数名居らしたようだ…)。
●NHK特集「日本の、これから」で沖縄のみなさんをスタジオに招いての米軍再編についての討論会。沖縄を悪魔の島にすることはできない。それだけは譲ることはできない。
●その翌日の朝、NHKようこそ先輩で沖縄の藤木勇人さんが小学校のみなさんとオジィ、オバァに会いに行って「ウチナーグチ」と言われる沖縄の言葉を習いに行く話だった。最初、生徒に知っている沖縄の言葉を訊いたら罵倒するような言葉ばかりで、藤木さんは「沖縄の言葉は悪いことばばかりか?」と悲しそうな表情で訴える。そこで生徒たちは「ウチナーグチ」を習いに外に出かけていく。私もこの何年かで知った「ウチナーグチ」で印象に残っている「イチャリバチョーデー」(会ったら兄弟のようにすぐ仲良くなる)や「ぬちどうたから」(命は宝)などが出てきた。
その昔、沖縄では武器を持たない人々がいる、とナポレオンが知って驚いたという。そんな沖縄から平和を広げたい。

■2006.06.06 ルター、学校へ行く(私立高の2年目その3):江川泰一郎先生亡くなる+NHK教育テレビ「新感覚キーワード英会話」の軍事的な例文に危機感  

●今朝の新聞を見て、ショック。『英文法解説』(金子書房)の著者、江川泰一郎先生が87歳で亡くなっていたのだ。ルターがこのような英文法好きになったのは、江川先生の影響が多分にある。それはルターの母は東京学芸大学の英語学科で江川先生に習ったことがあり、我が家には高校生のときから「困ったら『英文法解説』を調べる」のが普通である、という空気があったのだ。そのおかげで、今のルターがあるといっても過言ではない。江川先生は学生とソフトボールをしたりする快活な方だったそうで、ご退官のときの最終講義は母が予想したとおりに「wouldとused to」だったそうである。早くルターが本を出さなかったのが悔やまれる。ぜひ見ていただきたかった。
江川先生を見習って、いい本を出版したいと思った。

●NHK教育テレビ「新感覚キーワード英会話」(日曜日の朝7時から再放送)を見ているが、
軍事的に読める例文に危機感を抱いている。
 覚えている範囲で「波田陽区」風に言ってみると…、
 (1) We operate from coast to coast.
 「私たちは海岸から海岸をoperateしている」って、言うじゃない…
 でもこれって、「軍事行動する」の意味じゃないんですか!

 (2) We'll lift off as soon as we get clearance ~.
 「離陸許可をもらったらすぐにlift offしよう」って、言うじゃない…
 でもこれって、「軍機が垂直に離陸する」の意味じゃないんですか!

 そして「奉げ筒」「銃を置いた」という例文があったように記憶している。
 サブリミナル効果を狙っているのか?? 思い過ごしじゃありません。
● NHK教育テレビ『知るを楽しむ』で午後10時25分から
 月曜日はペシャワール会の中村哲さん、火曜日はチャップリン。ぜひご覧ください。
 教育テレビはこういういい番組もやっているのになぁ…。
 
●江川さん亡き今、英文法界をまともにしていきたい、と願うルターだった。


■9.16.2006 ルター、学校へ行く(私立高の2年目その4):生徒からのメッセージ
 ルターはいつも「生徒の声は神の声」と思っている。昨日はそんなメッセージにあふれた1日だった。

●「余命1年と言われたらどうしますか?」
高3のクラスで原仙作『英文法標準問題精講』のテスト範囲の前置詞のところをやってもらい見回っていたら、男子生徒のHくんが「先生、余命がきっちり1年と言われたらどうしますか?」と質問してきたので「ふつうに暮らすと思いますよ~。たまに旅行したり…」と答えたら、「え? 僕だったら、やりたいことやる。明日が最後の日だと思って懸命に生きる!」と言うので、私は「人間、それでは生きていけなくて、息切れしてしまうよ」と話した。そこで「私の叔母は心臓病で、子どもを2人残して32歳で亡くなって、新聞にも載って、映画とテレビドラマ化されたんだよ。『限りある日を愛に生きて』という作品と『僕、どうして涙が出るの』は子どもで心臓病の患者だった芳っちゃんという男の子との交流を描いたものなんだ」と話した。「叔母は日記を書いていて、その本が角川文庫にも入っていたんだよ。」と説明して「そうですね、余命1年だったら、今よりももっとちゃんと日記を書くと思いますよ」と言ったら「なるほど、そうですね」と納得してもらえた。
 いざとなったら、人間が出来る事って、そんなことしかないのではないかな? しかしながら、あとからゆっくり考えてみて、ルターの勤める学校の初代の女性の校長先生のことを思い浮かべた。法華宗を信心し「死後に、極楽浄土の世界で、日蓮上人に『何を為したか』と問われたとき、何もしていないというのでは合わせる顔がない」と考え、『地に足の着いた女子教育が日本には必要だ』と考えて、70歳にして第2次世界大戦中に女子校を創設した校長先生。私も、なにか自分でできる「よいこと」をしたいと考えた。

●「英語の歌、歌ってください」
 高3の2クラス合同で、『コスモス2』にあるゴッホと浮世絵のレッスンとタイアップして、美術のH画伯による「ゴッホの特別講義」があった。大教室からみんなが教室に戻るときに、ぼーっと立っていたら「英語の歌、歌ってください」と教えていないクラスの女生徒に言われた。う~んと考えて、カーペンターズの「プリーズミスターポストマン」と「マスカレード」を口ずさんでみた。歌ってみたのだが、なんだか心許なくなってしまった。自分でも歌詞をしっかり覚えていて、すぐパッと歌える歌って、なんだろうと思ってしまった。数小節歌ってみせたら、それを聴いて、その生徒は「これから、どんどん歌ってください!」と言った。今後、レパートリーをしっかり増やそうと思った。

9.14.2006 NHKラジオ第2「基礎英語1」での間違いをルターが指摘した話

●ラジオ基礎英語1 2006.9.7木曜日放送分の I can't answer the math problemはおかしいと思います。
I can't solve the math problem.ではないでしょうか。
●ご連絡が遅くなってしまい、申し訳ございませんでした。
お問い合わせいただいた I can't answer the math problem. ですが、編集部を通じて講師に確認しましたところ、ご指摘のとおり、I can't solve the math problem. のほうが適切な表現ということでした。前者の言い方も完全な間違いとは言えませんが、answer には question を、solve には problem を使うのが、より適切でした。
ご指摘いただき、ありがとうございました。
今後とも 「基礎英語1」 をご愛聴のほどよろしくお願いいたします。

NHK出版 企画開発部

というお返事が来ました。おしまい。




■October 13, 2006
ルター、学校へ行く(私立高の2年目その5) :映画「ハチミツとクローバー」+「羊の夜をビールで洗う」の解釈をめぐって

●映画「ハチミツとクローバー」の記事が朝日新聞に載っていて、授業で新聞記事、英詩、そして草野マサムネさんの歌詞を紹介した。

Emily Dickinson Complete Poems. 1924.
Part Two: Nature   XCVII
To make a prairie it takes a clover and one bee

To make a prairie it takes a clover and one bee,
One clover, and a bee,
And revery.
The revery alone will do
If bees are few.

草原をつくるには クローバーと蜂蜜が要る
クローバーがひとつ 蜂蜜が一匹
そして夢想が要る
夢想だけでもいい
蜜蜂がほとんどいないなら (和訳は:ルターことsasuke)


http://www.bartleby.com/113/2097.html


●スピッツ(草野マサムネさん)の歌「ルナルナ」の「羊の夜をビールで洗う」の解釈をめぐって:
(1)「眠れないような夜、ひとり孤独にビールを飲む」
ネットで検索したところ、「羊の夜をビールで洗うの謎
その後メールでこの意味を教えて下さった方がいました。マサムネさんは「羊の数を数えてもなかなか眠れないような夜、ひとり孤独にビールを飲み、冷たい部屋の壁にもたれかかっている」という意味でこの詩を書いたそうです。言われてみるとそういう情景が浮かんできますね。」(http://www.ktr.to/Music/spitz.html#HITSUJI)を発見し、しばしショック。

この解釈はマサムネさんが言ったとしても、一般向けだと感じました。なぜなら(3)がいちばん納得がいくからです。

(2)サラリーマン悲哀説
 私はサラリーマンが上司に抵抗できずに「羊たちの沈黙」状態で耐え忍び、夜になってビールを飲んで憂さを晴らす図が浮かんで、納得していた。それは10年前の自分でもあり、歌詞をほんとうに理解できたと思っていたのだったが…。ま、歌の解釈は自由ですからっ。



(3)羊の夜とは「狼になれなかった夜」
この解釈をネットで発見。これは真意をついていると感じました。(以下引用)

「狼になれなかった夜」だったんだ!!
狼になれなかった自分が歯がゆくてビールを流し込んで
フテ寝しようとしたわけね。
どおりでその後でお化けに茶化されるんだ!
狼=偉大な獣というわけですね(笑)
http://rakugaki8823.blog31.fc2.com/blog-entry-125.html


 今日はいい勉強になった。さあ、みなさんはいかがお感じでしょうか?


■October 26, 2006
ルター、学校へ行く(私立高の2年目その6) :「好きな英単語は何ですか?」

 高3のクラスで「好きな英単語は何ですか?」と訊かれたルターは、はたと困ってしまった。「この前まで好きだった人はdecentで、ずっと前に好きだった人はfaithfulだったなぁ…」と答えて、自分のことになると答えられないのがルターの弱点なのだ。その女性とは「may beとかuh-huhですね」と答えてくれた。ルターはしばらく考えて「中学の頃、発音ではAmericaが英語らしい音で、好きだった」と答えた。
 日本語で展開すると、金田一春彦さんが「育む(はぐくむ)」で、萩本欽一さんのパジャマ党の鈴木しゅんじさんが「木漏れ日」というのを思い出した。
 そのあとで、プリントにことわざのOnce bitten, twice shyが出てきて、ことわざだったら「羹に懲りて膾を吹く」や「亭主の好きな赤烏帽子」というのが好きだということに気づいた。
 
 さて、ルターは英単語、日本語で何が好きなんでしょう? 自分の宿題ですね。



■12.2.2006 ルター、学校へ行く(私立高の2年目その6) :ルター、風邪で声が出なくなる
 風邪のため、木曜日からすでに声が出なくなっていたルターだが、7,8時間目に授業の話の流れでキリスト教概論(カトリックとプロテスタントとイギリス国教会のちがい)や「その時歴史が動いた」の真田昌幸の話を解説してしまい、ますます喉を痛めて、ついには金曜日にほとんど声が出なくなってしまった。久しぶりなので自分でも驚くやら、あきれるやら…。
しかし火曜日、風邪を引きはじめだったその日、授業が1時間カットされて、そして昼に「共食」(生徒たちが作った料理)ののこりが給湯室にいつものように置かれていて、卵スープが飲めたのが、本当に有り難く、うれしかった。こういうことは他の学校では考えられないことです。
 そして金曜日にはYくんが前日に話したナポレオンと冬将軍のことをテーマにしているというチャイコフスキーの「ロシアの復活祭」(ジョゼッペ・シノーポリ指揮 フィルハーモニア管弦楽団)のCDを持ってきて貸してくれた。また別のクラスのBくんが『ダーリンは外国人』を貸してくれると言ってくれた。また数名の方々から「大丈夫?」と声をかけていただいた。ルターは幸運児です。


■2007.01.12  ルター、学校へ行く(私立高の2年目その7) : 心温まる送別会
 今日は国際コースの生徒たちの1年間のニュージーランド留学を前にして、ともに同じ教室の中で学んできた国内組の生徒たちの企画で送別会が催された。
 ふだんから総合の時間で料理作りに慣れてきた生徒たち。今日の献立は料理が上手なK君の家に伝わる誕生日に食べるという「鮭とたくあんときゅうりのご飯」(しんなりしたキュウリはたくあんといっしょに揉んで置いておく、ひと手間がポイント)「てんぷら」「バンバンジー」「えびのお味噌汁」(えびの卵がついたもので、Yさんのお父さんのつてで入手)。それぞれが上品な味で、ほんとうに美味しかった。始まったのは2時過ぎであったが、後半は盛り上がった。
 出し物は女子2名の漫才、学校のクイズを使ったビンゴ、「さくら」(「さくらの花びら散るたびに~)のオカリナ+合唱など。座席に置かれた名表が桜の花びらの形になっていたので、そこもしゃれていた。
 直径3センチほどの丸い色紙に先生や友人のコメントが書かれて、それを添付した色紙が各人に贈呈された。中には涙ぐむ生徒もいた。最後の片付けも迅速。燃えるごみを集め終わったFくんが御椀を洗っているTくんに「何がやることある?」「ううん、大丈夫」と声をかけて帰っていったのが、横で聞いていて、素敵だなと思った。教室では見られない光景だった。こういう声がけができる関係があることがすばらしい。一方、Tくんはルターに「先生、今日はお招きしたんですから、手伝わなくていいですよ」と何度も言いながら、黙々と御椀を洗っていた。

 このような「おもてなしの心」、hospitalityがこの学校にはある。この3年間でめまぐるしく制度が変わり、先生方も生徒たちもずいぶん変わってしまったようだが、この心はまだまだ健在だ。ルターはこの学校に来て、ほんとうによかったと今日も感じることが出来た。みなさん、ありがとう。


■2007.01.30  ルター、学校へ行く(私立高の2年目その8) : lead toとcauseは違う

高1の授業で、
Curiosity often leads to trouble.という表現が出てきた。
(ルターの持っているカレンダーにある「不思議の国のアリス」の一場面)
「 lead toとcauseは違う 」という話をした。
ルターは他動詞は他動詞の気持ち、自動詞には自動詞の気持ちがあるので、
なるべくそれに沿った日本語を充てるべきだと考えている。

すなわちlead to「~に至る/結果として~になる」 = cause「~を引き起こす」にはならないということだ。この件で以前男子校に勤めていたときに高1の男子生徒と激論になってしまったのだった。彼の主張はイコールだからいいだろうというもので、ルターは「許さん!」と言い、決してゆずらなかった。ルターはこういうことには決して負けない。

「好奇心はしばしばトラブルを引き起こす」では、lead toの持つ「過程」「時間経過」が感じられない。
「奇心のせいで、困ったことになることがある」のように「~になる」というのがいいと思う。

(ことばに対するこだわりを見せたルターだったが、そのあとの授業で「昨日観た映画」を「見た」と板書したところ、「先生、見たではなくて観たでしょう」と指摘を受け、一本取られてしまった。とほほ…)

■2007.02.07  ルター、学校へ行く(私立高の2年目その9) :高1の授業でビデオ映画
  ネイティブのK先生と9人の高1の生徒たちとビデオ映画を製作したのだが、完成作品を今日見せてもらった。ストーリーは「野菜王国の使者として大根が人間界の野菜を救おうとする話」。K先生は歌も上手く、演技力もある。演技指導もさることながら、BGMがすばらしく、生徒たちもだんだん乗せられて懸命に演じていた。他の先生2名も感心していた。ルターはいっしょに授業できて本当によかったと感じている。

■2007.03.03  ルター、学校へ行く(私立高の2年目その10) :今日は3年生を送る会
  今日は3年生を送る会で吹奏楽、ダンス、バンド演奏、ビデオレターなどが披露された。教員のみなさんの多彩振りにはいつも驚かされる。去年はダンスに参加したルターだったが、今年は「本の原稿をかかねば…」と辞退。チアリーディングを見事に踊りきった先生方を見て、参加すればよかったかな、とちょっと残念に感じた。
 明後日は卒業式。高2、高3と教えた生徒が卒業する。早いなぁ。

■2007.03.05  ルター、学校へ行く(私立高の2年目その11) :今日は高校の卒業式
 3月5日は卒業式。昨年度、はじめて卒業式に参加したルターは驚くこと、感銘を受けたことがたくさんあった。そして今年度はまた違う感動があった。
 昨年度はスーツ姿だったルターは着物にトライした。それは昨年、3人の先生が着物姿で列席していて素敵だったので、今年は着てみたいと思ったから。ところが午後から雨の予報。ルターは着物初心者なので心配だったが、スーツ持参で学校へ。夜からスーツに着替えて正解だった(夜は台風のような嵐でした)。


■2007.03.19 ルターの春休み:コンピュータの初期化

 やっと休みに入ったルター。画面がおかしくなってしまうパソコンのソフトを半日かけて入れ替えた。これでまともな環境で仕事に取り組めそうだ。


■2007.03.29  ルターの春休み(その2):Gaさんの送別会+色の話
  昨日は東急東横線「学芸大学」駅にあるオーガニックレストラン「みどりえ」にニュージーランドに帰国するGa先生の送別会で女性ばかり5人でお食事。Gaさんはベジタリアンなので、このお店がいいと英語科主任のKさんが選んだ。味も素材もいいので楽しく会話も弾んだ。家の空間が充実していることが大切、色の影響は大きいという話題になり、それぞれインテリア・カラーがあることが判明。ルターは白と金の取り合わせ(イタリア風)、元気なKさんは黄色とオレンジ、自然派の若いGoさんは白と焦げ茶(バリ風にしたくて自分で和室の壁のしっくいを白に塗ったけれど、バリ風にはならなかったそうです)、家庭科のSさんは緑(生徒たちが誕生日に「先生の色は緑だから」と言って緑色の小物をプレゼントしてくれたという)、Ga先生は風水(feng-shui)も知っていて「西の方角には黄色」など明るい色をインテリアに取り入れているそうですが婚約者の日本人男性が京都の庭園を造る仕事をしていたこともあり「わびさび」の世界が好きなので「compromise(妥協)」している、とのこと。この話題になったのも、10分ほど早く駅に着いたルターが帰りがけの人々を眺めていたら、黒い服の人がほとんどであったことにショックを受けた、と話したからだった。この桜が咲き、春の花々があふれる季節に、なにゆえ「黒」なのか? 日本の心の闇を反映しているとルターは感じた。美輪明宏さんが「迷彩色やカーキ色ではなくピンクの戦闘服を作り、兵士に銃ではなく花を持たせたら戦争なんてする気が起こらない」とよく語っているが、その通りだと思う。まずは自分から。明るい色を周りに配置していきましょう。
 この日もルターはbe specific(具体的になる)を心がけた。お互いのことを知って充実した時間になった。

■2007.04.01  ルターの春休み(その3):スピッツのライブ
 今年結成20周年を迎えるスピッツのファンクラブ会員になって11年のルター。1995年「ロビンソン」「涙がキラリ」などのヒットによってスピッツの存在を知り、会員になって97年にはチケット代よりも交通費の方が高い掛川での2万8千人のコンサートに行き、高校生時代には貧乏で出来なかったことを社会人になって収入を得て実現でき解放感を感じてから、すでに10年。なぜか今年は会員を辞めようか、卒業しようか、という気持ちになっていた。
今年は会員を辞めようか、卒業しようか、という気持ちになっていた。
 ライブ開始前に時間が30分以上会ったので近くにいる人と話そうかなと思いつつ、それぞれの人の気持ちもあるだろうから邪魔しない方がいいか…と思い、ルターが話しかけなかった若い女性はライブの間、歌を聴きながらハンカチを目に当てて泣いていた! ルターは「スピッツの曲、どれが好きですか?」なんて訊かなくてよかった…と、自分のお気楽さを恥じた。ファン投票で必ず1位になる「ねこになりたい」を除いたものでという制限付きでのライブ会場での1~3位は「スピカ」「魔法のコトバ」「愛のことば」だった。『スピカ』はおそらく長野県のJR松本駅の駅前にあるスピカインというホテル名にインスパイアーされた(inspired)のかなと思っているのだが、ルターはこの歌の内容に感心し、当時勤めていた英語塾の名称に採用してもらった、思い出深い曲。会場でファン投票20位を当てるというクイズがあり、28人が「春の歌」だと当てていた。ルターは「青い車」と書いたので賞品をもらえず残念だったが、全員プレゼントで緑のイラスト付き「マイバッグ」(買い物バッグ)をくれたのでうれしかった。杉並区民のルターはもちろんマイバッグを持参している。20周年のスピッツは今までに「カセットテープ」「DVD」などの全員プレゼントをしてくれたが、今回のマイバッグには感慨深いものがあった。社会にメッセージを送り、影響力がある人々に着実に育っているスピッツ。そして今年40歳になるスピッツメンバー。ボーカルの草野正宗さんは今回、声がよく出て歌がうまくなっていたし、田村さんとテツヤさんのギターや崎山さんのドラム演奏も冴えていた。同年代のルターは彼らが責任を全うする姿勢に強く感じ入って、帰りには渋谷ブックファーストによって4冊、本を購入した。四の五の言わずにどんどんやらないと…、と思ったのだ。ファンクラブ会員は続けよう、彼らがこれからの20年どう育っていくか見届けてみよう、という気になっている。


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