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新英語教育研究会神奈川支部HP

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1998.11 会報62:英語劇2『シンデレラ』

1998年11月例会報告(会報62)
●実践報告(高校):「生徒と作り上げた英語劇」
萩原 一郎さん(港北高校)
◆ 昨年に続き3年選択「オーラルA」のクラスで文化祭に英語劇を上演しました。演じたのは誰が見ても分かるようにということで『シンデレラ』。体育館で上演した劇を実際に見ながら、英語劇づくりの過程をうかがいました。

(1)クラスの様子
・ 高3選択「オーラルA」(俗称「英会話」)。13名(男4名/女9名)。ふだんの授業は2クラスに分け、内容を統一で教師2名で担当。

(2)劇上演までの流れ
●昨年の文化祭で英語劇「イーノック・アーデン」を上演。自由参加賞を受賞した。今年の受講生の中にも見た生徒がいて、今年もやってみようということになった。
●劇の台本
・ 昨年「イーノック・アーデン」『みんなでつくる英語劇』(日榮社)
・ 今年「シンデレラ」『みんなで創る英語劇』(玉川大学出版部 ¥1854)
?  1学期の活動
・ 自己紹介/教室英語
・ 4人のグループで感情移入のできる1文を交替に言う(残りの人は高校野球の応援マーチを口ずさみ、英文を言いやすい環境をつくる。またそれぞれで5段階の評価をし合う)
例)What a beautiful sunset! / It’s a homerun!
・ 短いスキット
例)Oooops. Excuse me. / Thatユs all right. / Well, if it isn’t! / I beg your pardon. / Yes, itユs you! / Ohhhhhh! / Yes! How have you been!
Pinch and Ouch ( Lingual House )
・ Show & Tell /自分の名前の由来について説明/短文で賛成・反対を述べる+理由/個人的なテーマでのスピーチ
? 7月、AETのダニエルさん宅で生徒たちとパーティー。
? 7月中旬、「シンデレラ」に決定。(脚本の書き替えはダニエルさんに任せきり)
? 7月下旬、台本配布(人数がそろわず配役未定のため、不参加生徒に手紙送付)
? 8月上旬、配役決定+練習4回
? 9月、修学旅行のため授業が3回なかった。危機的状況! 
? 9月下旬、道具作り(ディズニーのビデオやCDを参考に、衣装と音響を考えた)
? 9月29日、授業で練習(この頃より連日7時まで残って練習!)
・ 衣装はダニエルさんが岸根高校からシンデレラの衣装を借りてくれた。また3姉妹の衣装は生徒のおばさんが洋裁の先生をしていて縫ってくれた。(ところが、3姉妹の衣装を生徒が市営バスに置き忘れたという事件が発生! 営業所に問い合わせ無事見つかった、というアクシデントがあった)

(3)上演
・ 『シンデレラ』
? 10月3日 第1回公演(14:00) ? 10月4日 第2回公演(11:30)
朝7:50集合、前日のビデオを見て反省。
・ 文化祭直前に風邪をひいた生徒が2日目の朝に声が出なくなったが演じきった。2日目の方が「生徒の気持ちがふっきれていてよかった」という声を寄せてくれた。
成功の秘訣 ・ 生徒のチームワークの良さ。リーダー格の生徒がいたこと。
・ 演技以外のことは自分たちでできたこと。進学に関して予備校通いなど忙しい高3だが、指定推薦を受けている女の子もいたので取り組みがよかった。
・ AETのダニエルさんの献身的な援助。
・ 場所を体育館にしたため、舞台設定に手間がかからなかった。(昨年は教室に暗幕を張るだけで一苦労だった)
・ 台本の書き換え:わかりやすい表現にする
例1)Did you disguise yourself as that beautiful Princess?
⇒ But how can you be a beautiful Princess?
例2)Did you attend the ball last night? 「舞踏会」
⇒ Did you go to the dance last night?

(4)質疑応答
・ 配役は?
- 生徒の希望で決めた。配役を決めるときはその場にいない生徒には携帯電話で了承を取った。(時代を感じますね!)
・ 劇を上演するまでの生徒の変化は?
- 感情やアドリブが入ってくる。小道具が入ったら変わった。
・ 劇をやった後の生徒の感想は?
- 「打ち上げをやりたい」という希望が多い。

■レポーターの感想
 あらためて英語劇のことをレポートにまとめていて、生徒たちは本当によくやってくれたなあ、と実感。2階も英語劇ができ、しかも体育館で上演できた、というのは生徒が頑張ってくれたからこそ。英語の教員をやって、本当によかったと思えるとりくみでした。
■参加者から出された感想
? 高校3年生が生き生きと楽しげに英語劇を発表しているようすをビデオで見せてもらって驚いた。萩原さんは「Speakingの力がつくとは思っていない」と謙遜されていますが、劇こそ自己表現の集大成であり、必ずどこかでプラスになっていく(成果が表われる)ものと思う。
? ドラマ的手法をどうやって英語の授業に取り入れるかを考えています。萩原先生のご指導にはもっと何か秘密があるようなのですが…。私もたくさん勉強をしなくてはという気持ちになりました。ありがとうございました。
? シンデレラを13人の生徒が演じた-セリフを言う顔が笑顔にあふれ生き生きしていた。やはり練習量が自信を生むのだと思う。
? 萩原先生の英語劇、素晴らしいと思いました。わずかな準備期間であの完成度。授業の中での取り組みというところ(クラブではなく)が、特に素晴らしいと思います。でも、それも4月からの授業作りがあってのこと。参考にさせていただきます。


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