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カテゴリ:やぶにらみ
昨日「環境ISOの審査」へオブザーバーで参加した。
その中で審査員が『このマニュアルの書き方では、誰でもできることにならないので、修正するように」と指示があった。 審査員が見ても分からないような書き方でも、その会社の人が見て分かれば問題ないし、第一そのマニュアル自体が「規格の要求事項」にはないので、とやかく言われることではない。 そんなやり取りを聞くうちに、白昼夢。昔の開発プロジェクトでのことを思い出した。 中空のストローみたいな糸を作るプロジェクトだった。 実験段階では成功して、いよいよ現場ラインで3交代で製造試験をすることになった。 技術部長も貴重な人手で、真夜中の勤務をお願いした。 「部長、現場では私の指示に従ってください」『ハイハイ』ということに。 中空糸を束ねて吊るし、中の水だけを水切りする作業があった。 ある朝、吊るした中空糸を見ると、強く縛りすぎて、傷ついていた。 で、作業指示書に「強く縛り過ぎないように」と書いておいた。 翌朝、見ると、ゆる過ぎて抜け落ちていた。 で、指示書に「ゆるすぎないように」と書いた。 次の朝は、吊るし作業をやっていない。 「どうしてやらないのか?」と尋ねたら、『あの指示では、どのくらいの強さで縛ればいいのか分からない』と反発された。 で、しかたなく『中空糸を傷つけない程度にゆるく、抜け落ちない程度に強く縛ってください、分からない時は、工場の作業者に教えてもらってください』と書いたら、うまくできた。 次の朝、上出来だったので「誰かに教えてもらったのか?」と尋ねたら『自分で工夫した』とことだった。 さすが技術部長! でも『誰にでも分かるマニュアルを書くためのトレーニングの意味もあって聞いた』と負け惜しみをいった。 こんなのは、誰にも分かる必要はない。現場の人が出来ればいいのだ。 今でも「傷つかない程度にゆるく、抜けない程度に強く」は作業マニュアルのお手本?で残っているそうである。 ケータイやPCの取扱マニュアルも、もう少し分かりやすくできないのでしょうかねぇ? 「マニュアルの書き方のマニュアル」がおかしいんじゃないのかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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