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はびこる「PCR検査拡大は不合理」説














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はびこる「PCR検査拡大は不合理」説を公衆衛生の第一人者が論破!【偽陽性の問題はほぼ100%ない】

文春オンライン / 2020年7月31日 17時0分


《東京都公表のデータでは全体像が見えない》“世界一安心な都市”になるために必要な2つのこと から続く

 東京都のみならず、全国で感染者数が増加し、大都市では既に指数関数的増加の初期の様相を呈している。 前回の記事においても述べたが、緊急事態宣言解除後に感染がぶり返すのは、予想されたことである。

 しかし、政府は一向に有効な手を打てないでいる。壊滅的な影響を受けている観光業を支援し経済を回そうとする「Go To トラベル」は迷走を続け、大規模イベントの解禁にも赤信号が点灯している。これは一重に、有効な感染コントロールができていないからだ。感染のリスクがあれば、国民は安心して旅行をしたり、経済活動を行うことはできない。

 緊急事態宣言解除後は、行動力が高い若い世代の間で感染が広がり、軽症や無症状の感染者数が増加するのも予想されたことである。現在の感染者数の増加をどう見るかについては様々な議論があるが、過度に悲観や楽観をせずに冷静に現状分析を進めることが重要だ。

 今のクラスター対策は、軽症の感染者や無症状の濃厚接触者へも検査適応を拡大させている。そのために、確かに軽症や無症状例が増えているのは事実であり、感染者数に一喜一憂したり、過度に悲観してパニックになるようなことは得策ではない。
「検査数が増えたから感染者数が増えた」は不正確

 その一方で、過度の楽観も厳に慎むべきだ。若者の重症者も出始めており、高齢者、病院や介護施設での感染が既に広がってきている。さらに、感染経路が追えない感染者も増えている。重症者数が増加していないことをもって「心配ない」との意見もあるが、無症状の方も含め、感染自体が広がれば、当然、次のタイミングで重症者や死者も増えていく。

 欧米で起こったように、感染のコントロールを誤れば、感染者は加速度的に増加し、重症者や死者の増加へとつながってしまう。 第一波の段階で日本で死者数を抑制できたのは、現場の関係者の尽力、国民の協力等に加えて、ギリギリのタイミングで自粛が行われたためと考えられるが、もう少し遅れていれば、欧米のような結果になっていた可能性が高い。

 感染爆発を起こした他国では、もう少し早く対策を開始しておけば、もう少し早くロックダウンしていれば、と必ず同じことを言っている。

 また、「検査数が増えたから感染者数が増えただけなので心配ない」という指摘も正確ではない。感染が拡大トレンドになければ、陽性の結果が出る割合(検査陽性率)は、基本的に大きく変動しないはずだ。しかし検査陽性率はここ最近軒並み上昇しており、東京では過去1週間で倍増している。大阪ではすでに13%だ。 これは、感染者の増加に検査が追いついていないことを示している。
無症状感染者対策が感染コントロールの鍵

 このような状況の中、無症状感染者の対策が、我が国の今後の感染コントロールのカギとなることは間違いない。 初動が遅れ、感染爆発を起こしてしまった英国のボリス・ジョンソン首相は、BBCのインタビューで「最初の数週間や数カ月間、(ウイルスを)十分に理解していなかった」「当初おそらく何より気づいていなかったのは、いかに無症状の人から人へと感染が広がっていたか」だと述懐している。

 第一波の初期に一定の役割を果たしたクラスター対策も、たまたま症状のある感染者の周りに無症状の感染者が見つかれば良いが、そうでない無症状感染者は感染を知らぬうちに拡大させている。特に、無症状感染者の多い今回の再燃では、クラスター対策をさらに困難にさせている。

 クラスター対策が有効に機能しないのであれば、緊急事態宣言、休業や自粛の要請等が議論の俎上にあがるが、こうした手法は現在でも回復が進んでいない経済への打撃が極めて大きく、多くの事業者で倒産が続出するため、もう自粛は勘弁してほしいという国民の声ももっともだ。

 こうした未曽有の事態に直面し、経済再生と感染予防の両立のために最適な施策をデザインしていくことは容易でなく、政府や自治体の対応も試行錯誤しながら進めていかざるを得ないのは当然だと思うが、国全体としてのコロナ対策の基本戦略がそろそろ確立されるべき時期にきている。
休業・自粛の繰り返しでは経済は落ち込むだけ

 筆者が繰り返し主張してきた通り、経済再生と感染予防の両立のための基本戦略の柱は「徹底したPCR検査の実施」だ。特に、無症状感染者への対策がカギとなる今後の感染流行では、この戦略の重要性がさらに高まっている。

 PCR検査の拡大で、クラスター対策では追いきれない無症状者も含めた感染者を、他の方々が感染する前に見つけ出して、ホテル等の収容施設で療養してもらうことが何よりも重要だ。しかし残念ながら、こうした「検査と隔離」の戦略が十分に進められている状況とはいえない。

 第一波の死亡者数を抑制できたある種の「成功体験」の影響なのか、政府の感染予防策は、3密回避、「ウィズ・コロナ」の新しい生活様式、事業者向けのガイドラインなど、一律の行動変容や個人の努力に頼る施策に終始しており、今後のコロナとの戦いの基本戦略が明確に示されていないように見える。

 もちろん3密回避等は重要な事だが、これだけに頼っていては経済や社会が十分に回らない。誰が感染しているか分からず、また、職業上、接触減が難しい方も多い。病院や介護施設、サービス産業で働く人々は、接触5割減と言っていたら仕事の効率性への打撃が極めて大きい。

 全く感染リスクがない方と感染リスクの高い方を一緒にして画一的なリスク管理を行うことは極めて効率が悪い。しかも、個人の行動変容がいかに難しいか、そしてそれを長期間にわたり持続させていくことがいかに難しいかという点は、公衆衛生の分野では常識とされている。

 こうしたアプローチだけでは、自粛疲れの中、第一波のときのような効果が得られるとは限らない。結果として、大規模な休業・自粛要請等に追い込まれ、感染予防も経済再生も共に遠のくという最悪の結果も招きかねない。

 第一波の感染収束から経済活動再開に向かう6月の1カ月間は、PCR検査能力を急拡大させ、感染実態のモニタリング、特に無症状感染者の早期発見と隔離を進め、社会経済活動を回し自粛を防ぐために準備するべき最も重要な時期であったが、その貴重な時間が有効に活用されなかった。

 PCR検査の積極的推進に不可欠な、無症状者や軽症者のための療養施設の確保についても、東京都の杜撰な対応が報じられている。

 国全体の基本戦略が明確になっていないことを背景に、「Go To トラベル」キャンぺーンについては、国と都との間の不協和音が伝わってくる。 今こそ、PCR検査の徹底的な拡大が、感染予防と経済再生を両立させるための国の貴重な「社会インフラ」であることを認識すべきである。
感染制御・社会経済活動を維持するための検査へ

 他国がやっている事が全て正しいと考えるべきではないが、検査拡大に本格的に舵を切らない我が国の対応は、世界の専門家の方々からも不思議がられているのが現状である。「PCR検査の徹底的な拡大」の必要性については、マスコミ・識者の間でも理解が深まりかなり定着してきたと考えられるが、残念ながら、依然として反対の声がある。

 当初は、スタッフ、試薬の不足、収容施設の不足等「検査を拡大したくてもできないハードルがある」との指摘が多かったが、こうした課題が順次解消されていく中で「検査は(拡大できたとしても)拡大すべきではない」という指摘も少なくない。

 こうした議論については、当然のことであるが、事実に基づき、科学的な議論により方向性を定めていくことが重要だ。こうした観点から、最近、日本医師会COVID-19有識者会議の一環としてとりまとめられた、「COVID-19感染対策におけるPCR検査実態調査と利用推進タスクフォース 中間報告書解説版」の内容は注目に値する。

 本レポートには筆者も参加したが、医師会や医学会、検査関係者、臨床医、公衆衛生関係者らが多面的かつ科学的な検討を繰り返したうえでの成果であり、新型コロナに関わる関係者全てが読むべき内容と考えられる。今までの検査する・しないという世論を真っ二つにするような議論に対して、事実に基づき、非常に明快な指針を与えている。

 特に、検査は、その目的と意義を理解したうえで、適切に利用することが重要であると指摘している。以下、ポイントを抜粋しよう。

「PCR検査の利用目的と意義は以下の4通りがある。
 1. 患者の診断(個々の患者の治療方針等を決めるための病状の把握)
 2. 公衆衛生上の感染制御(他の方にうつす前に隔離するための感染者の発見)
 3. ヘルスケアによる社会経済活動の維持
 4. 政策立案のための基礎情報」

 このうち、筆者が検査の拡大が必要と考えるのは、1の目的よりも、主に2と3の感染制御および社会経済活動の維持を目的とするものである。

 さらに、PCR検査の利用は、対象とする者やグループについては、事前確率(どの程度感染が広まっていると推測されるか)、集団リスク(感染が急速に拡がるリスク、感染拡大が公共機能等に与える影響のリスク)、経済的影響(感染拡大が経済に与える影響)の3つの観点から考えることが必要だ。

 レポートでは3つの場合分けがなされ、

「1. 事前確率が比較的高い場合:クラスター対策などの積極的疫学調査や個別感染症診療 、2. 事前確率は低いが(または不明だが)、集団リスク(公共的影響)や経済的影響が大きい場合:空港検疫、院内感染対策、高齢者・福祉施設の施設内感染対策、3. 無症状患者で、事前確率は低いが社会・経済的な影響が大きい場合:海外交流、音楽・スポーツイベント、観光、特定のハイリスク職業のヘルスケア。1、2は、行政検査のPCR検査の実施、3は企業・自己負担で実施が望ましい」

 といずれにおいても、検査の重要性を指摘している。

 さらに、「これらの目的と意義を考えると、継続的な精度の確保と維持のもとに、事前確率(感染がどのくらい広がっているかどうか)によらずにPCRの利用を拡大することが必要である」と結論づけている。
感度・特異度の議論はもうやめよう

 検査拡大へ反対する立場から、厚生労働省や医療関係者の間で指摘されているのが、「PCR検査を拡大すると偽陽性が多くなる」、つまり、感染していないのに感染していると診断される人が多数出ることに対する懸念だ。

 特に、検査の特異度(陰性の人を陰性と判定できる確率)が100%でないために、感染確率が低い時には、検査で陽性の結果が出ても、実際に感染者である確率(陽性予測値)が低くなる。

 ゆえに、「数少ない陽性者を見つけ出すために、それに見合わない多くの方々に必要のない隔離生活を強いるのは不合理である」「感染の確率が低い場合には(つまり症状のない場合には)検査はやるべきではない」「症状があり、感染の確率が高い人へ検査をすれば十分」という理由で、検査を症状のある症例に絞ったクラスター対策が続けられてきている。

 しかし、現在のクラスター対策では、無症状感染者を中心とする感染拡大を止めるのは難しい。それでは、休業・自粛要請という手法に安易に頼らざるをえなくなってしまう。

 上記の反対論の方々の指摘には2点大きな問題があると考えられる。まず、PCR検査の特異度については、様々な精度管理により、特異度はほぼ100%だ。PCRはウイルスの遺伝子そのものを見ているために、実際の特異度は99.99%以上と報告されているが、検査拡大に反対する厚労省や医療機関の関係者の方々はなぜか99%ジャストの値を用いて議論されている。

“わずか1%の差”と思われるかもしれないが、このわずかな差により、2つ目の論点である感染確率が低い場合には、「数少ない陽性者を見つけ出すために、それに見合わない多くの方々に必要のない隔離生活を強いるのは不合理である」というロジックが成立しなくなるからだ。

 日本医師会COVID-19有識者会議の中間報告書解説版では、「PCR検査の特異度を99.99%に向上させた場合は、有病率が必ずしも高くない(0.5-10%)疫学的調査においても、偽陽性が増えて陽性的中率が大きく低下することはない」と示されており、精度管理を徹底すれば、偽陽性の問題はほぼ存在しないのだ。
唾液やのどの粘膜にウイルスがいるかどうかが重要

 また、感度(陽性の人を陽性と判定できる確率)に関しても、臨床診断上は70%程度であり、残りの30%の間違って陰性と判定された感染者の方が動きまわってしまい、感染を広げるのではないかという懸念を持つ人が多い。

 しかし、いま戦略的にPCR検査を拡大しようとするのは、感染者が他の人に感染させることができる「感染力」があるかどうかを確認し、感染者を隔離することが目的だ。しかも主な対象は無症状感染者であり、咳やくしゃみなどの症状がなくても、唾液やのどの粘膜にウイルスがいたら、会話をしたり歌ったりしたときに他の人に移してしまう。

 感染防止を目的とした場合には、唾液やのどの粘膜にウイルスがいるかどうかが重要で、コロナに感染しているのにウイルスが見つからず、臨床診断的に「偽陰性」になったとしても、実は大きな問題ではない。PCR検査を行えば唾液やのどの粘液の「感染性」を直接みることができるので、感染制御を前提とした場合には「偽陰性」という概念は消え去る。

 つまり、感染制御や社会経済活動の維持のためのPCR検査には、感度や特異度に基づく議論は基本的にはあてはまらないし、そもそも、PCR検査は他の多くの検査に比べても優れた検査であることを忘れて議論されてしまっている。

 また検査精度については、外部制度管理の実施や検査機関の評価・認定基盤の充実とともに、検査を繰り返すことにより実質上の精度を大幅に引き上げることも可能であり、いかに多くの人が、簡単に検査を活用できるかどうかに、新型コロナの感染コントロールはかかっている。

 最近では、非常に価格が安く、短時間で検査結果の出るPCR検査も開発されはじめている。いずれ、リトマス試験紙のような検査キットで、毎日検査をしてから出勤するようになるかもしれない。

 検査数が相当な水準まで増加し、その時々の検査対象の絞り方等に影響を受けにくい「定点観測的データ」が検査を受けた方々の様々な属性情報とともに公表される枠組みができてくれば、どのようなエリアでどのような方々に感染が拡大しているのかを正確に把握することが可能となる。

 こうした大規模な検査インフラができあがれば、国民が感染者数の動向をどう解釈するかに翻弄されることなく、また、万が一休業・自粛要請が必要な局面となっても、最低限のセクター、エリア、期間等に限定して、経済への打撃を最小化した「スマート」な自粛要請等も可能となる。

 臨床診断目的の論理を感染制御や社会経済活動の維持という目的に当てはめて、検査を抑制する日本独自の考えはもう脱却し、検査と隔離を本格的に基本戦略に据えるべき時だ。そうでなければ、この秋以降の世界的第二波に対応できない。
検査と隔離の拡大で、自粛を防ぎ経済を活性化できる

 コロナ対策の基本戦略が確立していないことの影響が如実に現れたのが、「Go To トラベル」キャンペーンを巡る混乱ではないか。地方経済の再生のために、旅行の促進をする意図は理解できるが、当然のことながら感染予防の観点からはリスクが増加する。

 多くの旅行者は感染者ではないが、感染状況が分からないために、行動を制限され、受け入れる旅行業者やホテルなどにも感染予防のために多くのコストがかかる。こうした不透明な状況では、やるべき、やめるべきとの二元論の議論に陥りやすい。

 仮に、PCR検査の徹底的な拡大による検査インフラが整備されていれば状況はかなり違ったのではないか。例えば、旅行開始の一定期間前にPCR検査を受けて陰性が確認されていることをキャンペーン参加の要件とし、さらには検査費用も支援対象に含める方法も選択肢となったのではないか。

 イベントに関しても同様のアプローチが可能だ。つまりPCR検査で陰性が確認された方に経済を動かしてもらうという発想だ。 こうしたアプローチは、PCR検査数のさらなる拡大を通じて、感染者の隔離をさらに進める効果をもたらす、というある種の好循環にもつながってくる。

 当然のことながら、こうしたアプローチの大前提は、相当な数まで検査数を増加させることだ。他国の対応状況をみても、PCR検査体制を徹底的に拡大させたうえで、感染の状況に応じてその枠組みをスマートに活用することによって、感染制御と経済再生の両立に大きな効果があげられている。

 市場でのクラスターが発生した北京市では、新規感染者が30人強の段階で、エリアを限定して封鎖し、最大1日100万件以上の検査を行い、再燃を封じ込めた。ベトナムの観光都市ダナンでは、数名の陽性者が見つかった段階で、観光客を待避させ、検査を拡大し、封じ込めを行なっている。

 英国では、第一波での失敗の反省から、検査体制を12月までに1日50万件まで増やし、地域ごとにロックダウンができるような権限を与え、この秋からの本格的な第二波に備えている。 米国NIH(国立衛生研究所)は、検査拡大を出口戦略の柱にしており、秋までには週に100万件、12月までに1日600万件の検査を目指す計画を発表した。
検査体制の確立には程遠い予算規模

 日本では、感染状況を的確に把握するための検査体制の拡大が進んでいないこともあり、こうした機動的な対応が進められていない。 安倍総理自らPCR検査を増やすように言っているが、実際の政府予算を見れば、日本が検査への投資に極めて消極的であることが分かる。

 例えば第一次補正予算では、検査体制の強化と感染の早期発見と言う名目で94億円だが、その約半分は行政検査の国負担分であり、純粋な検査法確立の予算はわずか4600万円である。アベノマスクは260億円だ。第二次補正でも検査のための予算は620億円程度である。これでは、検査体制の確立には程遠い。

 仮に新宿エリアの感染が広まっていると的確に把握できれば、東京都全体での自粛というような経済的な打撃が大きく効率性も低い手法はとらずに、新宿エリアに限定して休業要請を行ったうえで、住民や従業員等に検査受診の費用補助や受診要請等を行うことにより、感染者の隔離を集中的に進めることも可能となる。

 ジョンソン首相は、「自分たちの初期の対応について、学ばなくてはならないことがあると言っていいと思う。当時のことから教訓を学ぶ機会は今後、たくさんあるはずだ」と述べている。コロナに関する知見は日々変わっていく。それに合わせて戦略を変えていくことは全く誤りではなく、むしろそうすべきだ。
今から実行すべき「6つの施策」

 繰り返しになるが、今からでも遅くない。我が国も検査体制の徹底的拡大、検査と隔離の推進を基本戦略として明確に位置付け、感染制御と経済再生の両立に向けて、例えば以下のようなことを即座に実行すべきであろう。

 1. 行政検査(保健所等の調査としての位置づけ)による調査の枠を外し、医師の判断のみで保険適用の検査(自己負担なし)を実施できるようにする。

 2. 医療機関、介護施設等については、全てのスタッフが例えば2週間に1度PCR検査を受ける等の具体的なガイドラインを設け、費用負担等の点で支援をする。

 3. 経団連等の経済団体に、感染状況の的確なモニタリングにも資することを踏まえ、企業の社員について定期的にPCR検査を実施することを要請する。

 4. 医療機関がPCR検査機器などを購入する際には100%補助する。

 5. 国産のPCRなどの検査試薬と自動機器の開発製造基盤構築に対して、国が積極的な投資を行う。

 6. 検査データの品質評価機関の設立と早期稼働により、信頼出来る検査データを公表し、世界の専門家が分析や政策提言等をできる枠組みを整備する。

「日本は特別だから、大丈夫」という甘い幻想をウイルスは簡単に打ち破る。今の感染増加は「日本モデル」で抑え込んだはずで「自粛は不要だった」とさえ言われていた第一波の再燃である。検査と隔離の体制を拡充させることが、自粛を回避し経済と感染コントロールの両方を達成するために最も重要である。日本の技術でもNIHの目指す検査レベルは実現できるはずだ。今こそ検査イノベーションに投資して、自粛を回避し経済を回すべきだ。

(渋谷 健司/Webオリジナル(特集班))











































































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