2006/09/03(日)12:52
東京-奇-人 ~月、あるいは月
缶コーヒーを片手に
うつむき加減に歩く街の夜
背中の向こうに広がる空を
心の内に思い浮かべる
檸檬のような月に
秋雲の漣が打ち寄せる
コーヒーをひと思いに飲み干して振り返れば
思い浮かべたよりもはるかに幽玄な月夜空
別世界が空を覆ったような様子に心打たれ
塑像のように立ちすくみ
しばらくは虫の音も聞こえず
雲の波の月に砕ける音ばかりが
耳の奥に響いていた
深夜魚
2006/09/03(日)12:52