● さようなら、リンリン。（画像あり）●

2008/05/01

● さようなら、リンリン。（画像あり）●

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上野動物園の人気者、ジャイアントパンダのリンリンが亡くなりました。
２２歳だったそうですね。

私が最後にリンリンに会ったのは、２００６年の夏。今から１年８ヶ月前のことです。
その前年に会いに行ったときは、メキシコからメスのジャイアントパンダ・シュアンシュアンがお見合いに来ていて、パンダ舎はにぎやかでした。
しかし０６年の夏は、シュアンシュアンとのペアリングがうまくいかず彼女が帰ったあとで、
広いパンダ舎にリンリンが１頭でぽつんと暮らしていた姿が心に残っています。

天国のリンリンに、長い間、子供たちに可愛い姿を見せてくれてありがとう、安らかに眠ってください、と言いたいです。

ﾊﾟﾝﾀﾞ2.JPG

　リンリン。２００６年８月撮影

リンリンは、中国政府がパンダを「すべてレンタル」に切り替える前の個体、
つまり、日本が「譲り受けた」、日本に所有権がある、最後のパンダでした。

今、日本には神戸市立王子動物園（兵庫県神戸市）に２頭とアドベンチャーワールド（和歌山県白浜町）に６頭のジャイアントパンダがいますが、それらはすべて中国政府の所有物で、中国政府から日本に、有料で貸し出されているものです。

中国からパンダを借りるレンタル料は、１つがいで年間約１億円だそうで

アドベンチャーワールドには日本で生まれた個体もいますが、日本で何頭生まれても、ジャイアントパンダはすべて中国籍になる仕組みです。
つまり赤ちゃんが生まれると、自動的に中国政府への追加レンタル料金が発生する･･というわけです。

今、６頭を飼育しているアドベンチャーワールドと２頭を飼育している王子動物園をあわせると、
毎年数億円ものパンダ・レンタル料が中国政府に支払われていることになります。

う～ん、韓国が資金問題でパンダを中国に返還してしまったという気持ち、
ちょっとわかるかも・・

ところで・・
ダボス会議でのキョドった映像がまる映りになってしまい、「もしかしてこの人、ガイジンアレルギーなのかしら？」と一主婦の私さえ心配させる福田首相ですが・・

６日に来日する中国の胡錦濤国家主席との首脳会談に関連して、
「福田首相起死回生のパンダ外交」なんて記事がネットに出てしまい、何やら雲行きが心配になってきました。
今こんな記事が出るようでは、日本の国益を守らんとする外交手腕が期待できないのでは、と早くも胸に不安が湧き上がってきます。

今どき、「パンダが来るぅ～！わーいわーい♪」で国民を撹乱し、支持率をUPできると本気で思ってないですよね？？
それとも、「日本はパンダの件で中国に借りができた」という、胡錦濤さんの外交成果のお土産とするつもりなんでしょうか？？

もしそんな安直な考えがあるとしたら、日本政府は国民の知的レベルを甘く見すぎていると思います。
今の日本の経済状況・政治状況はそれこそ「客寄せパンダ」で誤魔化せるものじゃないし、
チベット問題・東シナ海ガス田開発・中国製ギョーザ事件など、もっと大きな問題を真剣に話し合わなければならないときだと誰もがわかっています。

お互い対等な立場で真剣な駆け引きをするはずの首脳会談に際し、パンダのレンタルの件で頭を下げることは、むしろ外交の邪魔になるような気がします。
・・ってか、よくよく考えると、多額のODAに関する問題とか、大使館襲撃事件の問題とか、
けっこう大事なこともうやむやになったままですよね。
今は日本にとって大切なことを１つ１つリストアップして、丁寧に交渉しながら、リンリンの冥福でも祈るべきときなんじゃないでしょうか。

もしそれでも、「どーしてもどーしてもパンダが欲しいんだいっ！！」とワガママを言うのなら、
国会議員をひとり養うのに年間１億円かかるそうですから、議員さんを誰かひとり、辞めさせればいいと思います。昨年度実績で国会会議中に一番長い時間お昼寝をしてしまった議員さんか、一番国民の利益にならない人を・・。
（･･ってそんなことはもちろん無理だとわかっていますが、収支を考えるとそう言いたくなります。
日本はすごい赤字財政の国なんだもの

）

なんだか頭が過熱してしまい、横道にそれてしまいました・・。

それにしても、可愛いパンダ絡みで主婦を不安にさせる日本政府って、どうなの？って思います。

ところで、ウィキペディアで日本で暮らしたジャイアントパンダたちの年齢を確かめてみたのですが、リンリンは高齢なほうだった、ということがわかりました。
日本に初めてやってきたパンダのカンカンとランランは、１０歳くらいで亡くなっているのですね。

11かはく5.jpg

　カンカンとランラン（上野かはくにて）

日本のパンダを飼育する技術が、それだけ進歩したんだなあと思いました。
飼育関係者の方々の地道な努力には、頭が下がります。

政府の、リンリンのことを何とも思っていないのでは？！と言いたくなる変わり身の早さ（次のパンダのことで夢中）には悲しいやらあきれるやらでため息が出ますが、
そんななか、うれしい知らせが飛び込んできました。
亡きリンリンの血筋にあたるパンダのカップルが自然交配したというニュースです。
場所は、白浜のアドベンチャー・ワールド。
うまくいけば７月下旬から８月には赤ちゃんがみられるかも知れない、とのことでした。
リンリンと遠い親戚にあたるパンダの赤ちゃんが誕生したら、リンリンを失った悲しみも、少しはやわらぐような気がします。
うまく妊娠して、無事に赤ちゃんが生まれますように。。

日本政府には、今日本にいるパンダたちを大切に、赤字財政っぷりにあわせた贅沢をして欲しいと思います。

もちろん、国家としての外交戦略をお忘れなく。これが一番。

このまま上野にパンダが来る計画が成立したら、白浜の赤ちゃんパンダとあわせて、来年はパンダ・レンタル料金は一気に１億5000万円もUPする、ってこと？（不安・・）
１年間あたり５億５０００万円ものレンタル料金を支払い、
パンダを中国から借り続ける必要があるのか、はなはだ疑問です

追記です。
その後の調べで、白浜のアドベンチャーワールドの「パンダ･レンタル料」は「非公開」であることがわかりました。
アドベンチャーワールドは普通の企業が経営しているものですが、
中国の「成都大熊猫繁育研究基地・日本支部」、という肩書きを持っており、
現在飼育されているジャイアントパンダはすべて中国の成都大熊猫繁育研究基地本部の所有であることから、金額的にどのような計らいがなされているのか（あるいはなされていないのか）、謎です。
（有償レンタルであることは間違いありません。）