3865131 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Shionの部屋

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2014/04/04
XML

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


四月。 満開の桜に祝福されるように
リョウ(長男・18歳)は晴れて大学へ、入学しました。

PICT0082.2.jpg

入学式が終わった後、私は夫やリョウと別れ
私用を2時間程で済ませたあと、靖国神社へ向かいました。
PICT0068.JPG

私はここから遠くない大学に通っていたにもかかわらず
これまで、靖国神社の境内に足を踏み入れたことはありませんでした。
なぜかというと、学生当時、私は靖国神社のことを
「日本を侵略戦争へ導いた、悪い人たちも一緒に祀られているところ。
可哀そうな兵士たちを『偉い』と美化して、展示しているところ。」
と思いこんでいたからです。

靖国、という言葉につながるものを想像するとき
そこには少なからず、負の感情、不快な怒りに似た感情が伴っていました。
その上、あろうことか、私は靖国神社のことを
「平和に反する、歪んだ天皇中心主義を唱えている街宣右翼がたむろっている総本部。」
とさえ、思っていたのです。

しかしこの春読んだ一冊の本が、私の人生で数十年間、塗り替えられることがなかったこの認識を、百八十度、変えてしまいました。

「靖国は、外交問題ではない」

総理大臣・麻生太郎氏の著書「とてつもない日本」の一節です。

この本にやさしく書かれていた靖国神社の歴史は、私にとって衝撃的な内容でした。
私は人生半ばを過ぎるまで
日本人でありながら、靖国神社が存在していることの意味も、日本の本当の近代史も
みずから求めることがなかった自分の愚に気付いたからです。

何も知らなかった自分。知らないことを何とも思わなかった自分・・・。
どうしてこれほど長いあいだ、私は何も疑問に思わなかったのだろう。

外国で認識されている以上に日本史の真実を知らなかった自分の愚かさは
ひとたびそれに気付いてしまうと、慄然とするものがありました。

すべては、靖国神社から始まっている。私は一度、靖国神社に行かなければ。

リョウの入学式の案内に保護者用の入場カードを見つけた私は
入学式の日に靖国神社へ行ってこよう、と決めていたのでした。

  PICT0074.JPG

靖国神社の境内は、まさに満開の桜がクライマックスのときを迎え
花見をするたくさんの人たちで賑わっていました。

一本一本の桜を巡っていくと満開の木々たちと趣を異にしてすでに葉桜となっている木や
今まさに咲き出そうとしている花たちを枝にたたえた木があります。
近づいて、その花の幹にかけられた白いプレート(板)の文字を見た私は
靖国神社の桜は 全部ソメイヨシノ、というわけではなく
異なる種類の桜が多種多様に植えられているのだと気付きました。
見上げると、最初はみな同じように見えていた桜の花たちが
あるものは小さく、あるものはおおらかに花びらを広げる、
個性あふれる別の種類の桜たちであることがわかりました。

そして私は、それら木々の名を告げる白いプレートが
もう1つの、大切な役目をになっていることを知ることになります。



0904サクラ40.JPG

陸軍少年飛行兵・・・・生存者一同。


これまで第二次世界大戦史の『真実』を追求してこなかった愚かな私でも、
少年飛行兵のことは、何度も聞いたことがありました。
第二次世界大戦の末期、特攻によって死んでいった少年たち。
今のリョウと、同じくらいの年頃の。
そうだったの。あなたたちは、ずっと、ここにいたのね・・・。

白いプレートの前で凍りついた私の心に、濁流のようにさまざまな思いがあふれてきました。

もし、リョウが特攻隊員として召集されたら
私は自分の命に替えても、どこかの山奥に隠してでも、リョウを守りたい。
だけど、リョウはまちがいなく、私を振り切って行ってしまうだろう。
リョウは、友達がみな、この国のために命を投げ出す覚悟を決めているのに
一人だけ逃げ出すようなことは決してしない子だ。
国籍法改正案が出され、ネットでその危険性が叫ばれたときも
TVや新聞が情報を巧妙にネグる(=意図的に報道しない)という状況が続いていたため
私は長い間、その法案の存在に気付けなかった。
だけど、リョウは私より2週間も前からそのことを知っていたのだ。

国籍法が強行改悪されたとき「深く考え過ぎると眠れなくなるね。」と苦笑していたリョウ。
まるで暴力を振るうように、日々、情報隠蔽や印象操作を繰り返すTV番組に対し
逃げることなく辛抱強く向き合うリョウ。
もはやTVでは流されなくなった真実の情報を得るために
ネットで検索してまで、国会中継の映像を見るリョウ。

リョウはきっと、私や夫のために、妹たちや祖父母のために
そして何より、大好きなこの国のために、行ってしまう・・・。

どうして、こんなことになったんだろう。
一生懸命勉強して、やっと大学に合格して
これから、人生で一番、希望に満ちた日々が始まるところだったのに。

私はいつのまにか、強い風が吹くどこか広大なところに
ひとりぽつんと立っている幻想の中にいました。
吹きすさぶ風を、正面からまともに顔に受けているようで、息ができない、苦しい・・・
悲しみが胸をふさいで呼吸を邪魔しているからなの?
子供の頃、広い田を渡ってくる冬の季節風に息をさらわれたときに そうしたように
私はうつむくことでようやく強風から逃がれ、肺に空気を送り込むことができました。

「ビーッビーッ・・・」

突然、携帯電話のバイブレーションがふるえ、私を現実に引き戻しました。
幻の荒野で感じていた息苦しさのショックから抜けきれないまま、震える手で携帯電話を開くと、「無題」のメールが一通。

今近くにいるんだけど

主語も句読点も絵文字も無い、用件だけのそっけないメール。
少し前に私が「靖国神社の桜を見ているんだけど、今どこ?」とメールを出したので
リョウから、その返事が来たのでした。

PICT0069.JPG

待ち合わせの場所にやってきたリョウは、
入学式に間に合わせて買った、おろしたてのスーツと真新しい紐靴、という姿。
「つま先がきつくて、足が痛いや。」
と顔をしかめるリョウは、たった今、大学の入学式を済ませたばかりの
平和な戦後日本に生まれ育った、幸せな子供のひとりでした。
私はさっきまで幻の荒野で見ていた幻想があまりにもリアルだったので、そこにリョウが無事な姿で立っていることが、しばし信じられませんでした。
まるで、私の、血を吐くような叫びに応えて、誰かが、私をここへ・・・
逃げられないあの瞬間から、この世界へ、リョウといっしょに飛ばしてくれた、そんな気がしてならなかったのです。
私は自分の心が生み出した幻想と現実との隔たりを埋めるためにゆっくりと数回呼吸し、やっと言葉を発しました。

「向こうに黄緑色の桜があったの、見た?」
「いや、見てない。」
「じゃあ、見に行かない?すごく綺麗だから。」

PICT0076(2).jpg

「もうとっくに、家に帰ってるんだと思ってた。」
「遊就館も見てたからね。入館料払っちゃった。」
「2時間半も?」
「展示はそんなに多くないけど、じっくり見ていくとけっこう時間がかかるよ。
・・・遺品とか、手紙とか。」
「そう。ヘビー(重苦しい内容)だったでしょ?」
「うん。色々考えさせられるね。」

言葉を途切れさせた私たちを、薄桃色の桜吹雪が優しく包み
そっと吐いた息を、春風が包んで遠くへ運び去ってくれました。

リョウはもう知っている。
大好きなこの国が今、核も戦闘機も使わず、静かに他国に乗っ取られようとしていることを。
少し前の私がそうだったように、多くの人は、マスコミの裏切りによって今
この国の存亡を決するほど危険な問題が隠されていることを知らない。
そして、私たちを励ましてくれるはずの良い情報も
マスコミという暴力的な特権階級によって奪われていることを知らない。
リョウは、そういった重い現実を充分に理解した上で
この問題を考えることから、逃げずに向かい合おうとしている。
この国が好きだから、向き合うことがどんなにきつくても
この国を守ることを意識し続けなければならないと、真摯に思っているんだろう。

  *  *  *

「靖国は外交問題ではない」

麻生太郎首相の著書の一節に導かれ、ここへやってきた私は
ふいにパズルの最後の1ピースがはまったように、はっきりと
本に書かれていた言葉の意味を、心で知りました。

靖国は、外交問題なんかじゃない。
日本という母国から精神的に無理やり引き離され、不安な迷子になっているこの国の民が
自分の国をふたたび見つけ出し、この国の、本当の歴史と真の姿を知り
自分の力で立ち上がらなければ解決できない、国内問題なんだ。
そして、靖国問題と、リョウや私が今、直面しているこの国の危機は、きっと
まっすぐに、つながっている。

靖国神社にある桜の木は、可哀そうな戦争犠牲者の鎮魂の象徴などではなく
この国の未来のために命を差し出した人たちの人生の証しであり
からくも生き延びた戦友達が、友が生きたことの意味に
消えることのない永遠の生命を吹き込むため、靖国神社へ託した、約束でした。

そして桜の木はまた、戦争という時代を生き、この国を守った彼らが
未来に生きる私たちにリレーを繋ごうと伸ばした、手のひらでもあったのです。

PICT0080.JPG

彼らはこれからも桜の木の下にいて
花を見に訪れるひとりひとりに、問いかけ続けていくのでしょう。

『あなたは、この国の未来を守るために、今、何をしてくれているのですか?』

と。

彼らからリレーを受け取ったので私もつなぎたい。


遠い時の輪を超えて届いた、数分間の映像。
右下の「YOUTUBE」の文字を押して、大きな画面で見るのをお勧めします。
   ↓   ↓   ↓




ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

(※初出:2009年・春)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014/04/05 08:37:46 AM
コメント(2) | コメントを書く


PR

Profile

しおん★☆

しおん★☆

Calendar

Category

Free Space

◆日本と世界の「今」がわかる!
「パチンコ屋の倒産を応援するブログ」

rHuuUFO6vIgwcgk1402181783_1402182161.jpg

◆日本周辺の軍事事情(グーグルマップ)↓

oBxKyfexipK7ezE1401890275_1401890351.jpg

◆ここ数日のPM2.5の値(国立環境研究所)
※下の図『硫酸塩エアロゾル』がPM2.5です↓

i_NsGH3yAz6o6Tn1401892184_1401892387.jpg












Comments

須賀惣太郎@ Re:◆アオサギ~不気味に増える、大型の鳥。(06/12) やっぱり増えている感じしますよね。 私が…
ポールワトソン顔面粉砕太郎@ Re:◆ LUSH と シー・シェパード について(01/02) LUSH日本支部の意思に拘わらず売り上げは…
みやの@ Re:●ハムスターの死(舌の腫大という奇病)●(01/16) はじめまして 私は今約1歳半になるプティ…
ムッティ@ Re:●ハムスターの死(舌の腫大という奇病)●(01/16) こんにちは。 我が家のハムスターが今週末…
にふら@ Re:●ハムスター&砂ネズミの床材、試行錯誤。●(02/13) スナネズミを飼い始めた者です。 ハムスタ…
クロエ@ Re:●ハムスターの死(舌の腫大という奇病)●(01/16) 昨年9月に生まれた、初めてのハムスターを…
ぷり県@ Re:◆梅が咲く、早春の靖国神社へ。(02/05) 古い記事にメッセージを失礼します。靖國…

Favorite Blog

献血292回目 御… New! あけやん2515さん

カタクリの花 春の小川7768さん

町内の地蔵法要に参列 seimei杉田さん

宇野昌磨 世界選手… 方向音痴4445さん

あい日記☆四足歩行の… ひなのん4308さん
螺旋階段をおりている 左一さん

© Rakuten Group, Inc.