◆不正入試事件、19歳・予備校生を逮捕に、思う。
我が家の娘は、現在、中高一貫校の高等部3年生です。中学受験以来、6年ぶりの受験となる今回の入試を何とか乗り切って合格をいただき、3月には無事、卒業の運びと相成ったところでした。(※ いつもこのブログに遊びに来て下さる方たちには・・・ごめんなさい、このような形でのご報告で失礼しますが、お陰さまで大学決まりました。)娘の受験に心を悩ませた1年間の日々に、ようやく決着がついた、まさにこのタイミングで、このような過去にない、不正事件が世の中を騒がせていること・・・私は、複雑な思いで、PCのモニターに映るニュースを見つめています。せっかく勉強してきたのに、なんて馬鹿なことを、という思いと、受験に心を翻弄され、視野が狭くなってしまったのかなあ、大丈夫かなあ、と彼の人生の行く末を案じて心を痛める思いとが、交錯しています。ええ。わかっています、不正はいけないこと。すべての受験生が 正々堂々と試験に臨むのだから、その道を外れた者に合格証を与えることは、絶対にできないこと。解ってはいるんですけどね。でも、追い詰められた気持ちも少しはわかるというか・・・。実は、我が家では一昨年、長男が大学受験をしました。幸いにも彼は、第一志望の大学に合格し、現役入学を果たしましたが、男子の多くは、希望の大学の合格が勝ち取れない場合、翌年の再チャレンジに向けて、浪人するという判断をしています。男の子のお母さんは皆、わかっているというか、女子に比べ現役合格に拘らないというか、「まあ、男子の浪人は当たり前よね。」という感覚があるんだと思います。それでも、私たち親世代が大学受験をした頃に比べると、浪人は減ったそうですが、「浪人なんて珍しいことではないし、恥じることでもない。急がず納得いく大学に行くべき。」という、男子独特の「受験価値観」のようなものが、依然として世間には存在していると思います。事件の学生も、そういった判断をした多くの学生と何ら変わらない時を歩み出したのでしょう。でも、どこかで道をあやまってしまった。残念なことです。一次試験をパスしているのですから、優秀な方なんだろうと思うのですが。息子が高校時代、すごく仲良くしていた友達も、一年間、浪人したのですが、夏頃は、親に内緒でこっそり予備校を抜けだしたりしていたようですし、冬のセンター直前には「もう、どこにも逃げられない。受験に追い詰められてる感じ。」というメールを送ってきたりなど、「浪人なんて一般的」などと簡単には割り切れない、精神的な葛藤や焦りや不安を抱えていたことが伝わってきました。息子がいつまでも友達のことを気にしていたものだから、私は翌年の受験シーズンも、皆が「決まる」までは本当の意味での受験は終わらないような、不安な気持ちで過ごしました。私ですら、受験の倍率やインフルエンザの流行、センター試験の日のお天気などが気になって仕方がなかったくらいですから、当事者(再チャレンジ学生)の精神的重圧感はいかばかりだったろうかと思います。ご長男が1年間、浪人したママ友達が、「夏を過ぎて高3生が部活をやめて予備校にどっと入ってきてからは精神的な戦いが始まる。自分の心との戦いになる。それに負けて、受験を断念した友達もいた」と言っていましたが精神的なプレッシャーは、大学受験の厳しさを知らない・実感できない現役生に比べ、既卒者のほうが、より強く感じるものなのかも知れません。そう考えると、この事件を引き起こしてしまった学生を、社会通念上はもちろん、許すことはできないのですが、人の情として、同情せずにはいられない気持ちが、心の隅に引っかかっています。 ★ ・ ★ ・ ★ ・ ★我が家の子供達が 学校外活動でお世話になったお兄さんは、2浪して東京大学に合格しました。「合格さえしてしまえば」、それは立派なことだと周囲は手放しで絶賛します。が、「合格できないあいだ」は、自分が将来、どこの立ち位置に立つのかわからない、所属意識が持てない、不安ななかで年月を過ごしたことだろうと思います。今年、娘は受験でわからないことがあり、学校では解決できなかったので、思いたって、そのお兄さんにメールで相談してみたそうです。そしてお返事をいただいたのですが・・・それは、とても親切で解りやすいものでした。娘が感動して、そのメールの一部を「見て。」と 私に見せてくれたほどです。その内容・文章は・・・答えたからと言ってビタ一文にもならないのに・・・丁寧・詳細で、後輩に対する、あたたかな包容力と、深い洞察に満ちたものでした。浪人=再チャレンジ、という選択肢は、それを選ばなかった人は決して体験することがない、大変な苦労を味わうことになる道かも知れません。しかし、それゆえに、それを選択した人にしか見えないもの、語れないものを、その人の人生に、深く残してくれるんじゃないかと思います。娘の受験が終わり・・・けれど、お友達の一部は、まだチャレンジの道半ばという子もいます。すでに来年度を目指し、新しいチャレンジへの道を歩み出すことを決めた子も国公立の後期、私立大の3月期に向けて、今も走っている子もいます。不正事件が話題になるほど、不正が起こりにくい我が国の大学受験。逃げずに真っ直ぐに運命と向かい合い、道を開いていく多くの学生のように、この事件の青年にも、更生と、勇気ある人生への一歩を踏み出して欲しいな・・・と思いました。 ※ 参考ニュースサイト:msn産経ニュース【入試問題流出】仙台の予備校生を偽計業務妨害容疑で逮捕2011.3.3 16:20 (1/2ページ) ★ お気持ちに余裕のある方へお願い ★私のブログの、もうひとつのつぶやきにも目を通していただけるとうれしく思います。↓ ↓ ↓◆ いのり。 ◆↑ ↑ ↑文字クリックで、このブログ内の日記に跳びます。