風雲 いざなみ日記

2009/11/12(木)01:24

名優 幕を下ろす・・・

想い出の書院(34)

10日、森繁 久彌さんが お亡くなりになりました・・・ 森繁久彌さんは1913年大阪府枚方市生まれ。 早稲田大学商学部を経て東宝新劇団入団。NHKアナウンサーなどを経て、終戦後から映画や舞台に活躍し、当たり役となったのが『社長シリーズ』折りしも、高度経済成長に沸き立つ日本の労働者を、ときに奮い立たせ、ときに笑とともに和ませ、コミカルなおトボケ社長として多く人に親しまれました。  その後、ドラマ『だいこんの花』で竹脇無我さんと共演し、ガンコでドジで、憎めない明治生まれのオヤジ役を好演。 文化勲章受賞、芸術選奨文部大臣賞受賞など多数の栄誉に輝き、代表作のミュージカルの名作『屋根の上のヴァイオリン弾き』では900回演じるという金字塔を打ち立てています。 わだつみ判官の印象に残る作品は、昭和政治史を描いた、1983年の戸川猪佐部原作『小説吉田学校』の同名映画化作品。 昭和26年当時の吉田茂、鳩山一郎を中心に、政界の大物たちを描いたこの作品で、圧巻だったのは森繁久彌さんが演じていたのが吉田茂でした。 まるで、吉田茂が憑依したかのような生き写しの役作りに俳優はかくあるべしと、古きよき役者魂を感じました。 年を取ったら、あんな風に老い、愉快で小粋な爺さんになりたい・・・ わだつみ判官に、そんな憧れを抱かせる御仁です。 心からご冥福をお祈りします。(合掌)

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る