風雲 いざなみ日記

2011/06/01(水)22:10

死して御家老は何になる?

想い出の書院(34)

平成23年6月1日 午前2時55分、わだつみ判官家の御家老は永眠しました。 ちょうど、桜の散る頃に体調を崩し、一時は起き上がることもできましたが、5月30日の未明から臥せり、静かに息をひきとりました。 享年17歳。  せめてもの救いは、おぼつかない足取りながらも夙川の桜並木を歩き、最後に満開の桜を一緒に見られたとこだと思います・・・ 振り返れば、ご家老にはどれだけ支えられていた言い尽くせない。 一個のモナカを巡って熾烈な争奪戦を繰り広げ、クルマやバイクで旅をし、山野へもよく一緒に出かけた。 阪神淡路大震災を経験し、避難所では愛想をふり撒いていた御家老。 こうして、判官の復興を傍でじっと見守ってきたんだと思う。  少なくとも、ひっそりとしがちな我が家に、笑いのネタを提供し続けてくれていた。 長く生きた猫は火車(かしゃ)になるという・・・ それを教えてくれたのは、大病に倒れた楽天のブログ仲間の秋月龍樹さんだった。 「画図百鬼夜行」には、大猫がうなだれた死んだ女を抱えた姿で描かれている。 昔々のことだけど、人がもっと素朴だった頃には、火車はよく目撃されたという。 「北越雪譜」には、越後の南魚沼で火車が目撃された様子が記されている述があり、葬儀が終わって棺を運んでいると空がにわかに暗くなり、突然火の玉が現れ、炎に包まれたその大猫の尾は二股に分かれていたという。 また、「宇治拾遺物語」には火車は炎を発しながら空を駆けて、人の霊魂を運ぶために、あの世とこの世往来するとされる。 その他、多くの伝承によると、本来の火車は、悪人の魂を地獄へ送るための使者が牽いた車を指したようだが、大猫の姿をした妖怪に牽かれていたことから、妖怪そのものを火車と呼ぶようになったそうだ。 火車は、死者の魂を地獄へ連れ去るものだが、ときに、罪業の深い生者を地獄へ連れて行くこともあるという。生きながら、乗せられるというのは、よほどその人が罪に汚れているという証しで、昔はこの妖怪を恐れて、都人は寝ずの番をしたという。 17年と4ヶ月の生涯を、判官と生きたご家老は死して何に変わるだろうか。 ともかく、これから先の我が家は静まり返り、益々寂しくなることだけは間違いない・・・

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