悪夢の再来
昨夜、帰宅すると玄関ドアのガラス部から、レディが扉前に腹這いになっているのが見えた。ヒメが階段を下りてくる音が聞こえ、開錠している間に喧嘩は始まった。静止するように怒鳴る私の声はまったく聞こえない。こんなことは4年ぶりくらいだろうか・・・頭の中はパニックになりつつも2頭を引き離すために大型の木製の柵を2階まで取りに行く。6年ほど前、2頭の喧嘩が頻発し(多い月は3回、獣医での20~50針の縫合施術が必要だった)、喧嘩を止めるために作った柵だ。ここ数年、関係が安定していたので2階の物入れにしまいこんであった。噛み合っている2頭の顔の間に柵を入れると、すぐに離れる。離れれば、私の声も聞こえる状態になるし、マズイ状況、ということも分かるので、ヒメは2階に逃げていく。犬は喧嘩になると、顔部・頚部などを噛む。レディの首周りの出血はひどく、みるみる腫れていく。時間外なので獣医に電話し、レディとヒメと連れて行く。病院への運転中、喧嘩の原因は何なのか、思考がぐるぐる。またあの6年前の悪夢のような日々がはじまるのだろうか・・・レディは顔・頚部・前肢に数箇所ずつヒメの歯は入った傷と、頚部は噛まれたまま引っ張られたため皮下組織が筋組織から離れてしまって内出血がひどいが、縫合する箇所はない。ヒメは口角脇を縫合。帰宅後も2頭ともおとなしくしている。ヒメはレディの毛についた血を舐めてやったりしている。それぞれが自らの怪我と私の剣幕に消沈しているカンジだ。2頭とも社会化に乏しい環境で育ったのが大きな原因だが、序列が入れ替わることを飼い主が認めることで、この3~4年はこんなことはなかったのに・・・食餌前後や散歩前後・飼い主の帰宅時など、犬にとって興奮しやすい状況時に喧嘩は起こりやすい。私の帰宅を出迎えたいヒメが、扉前に伏せてどかないレディに苛立って喧嘩が始まったのだと考えた。だが、帰宅して2階にあがると寝室にも大量に毛が落ちている。おそらく不在中にも1戦あったのだろう。それでレディは玄関扉前に避難していたようだ。喧嘩を再発させないために、トレーナーさんに相談の電話をした。すると、「今朝行った時(綺羅のトレーニングは早朝に頼んでいる)、レディの顔つきや様子がおかしいと思ってたんですよ」。確かにこの2週間くらい、レディは変わった。頬の肉が落ち、尻部の骨がハッキリ分かり痛々しいくらい。聴覚の衰えは顕著で声に無反応だし、視力もさらに低下したようで家内でも明るい場所以外での動きは非常にゆっくりになった。春先から体重がどんどん減少していたが、こんなにガクンガクンと老いるのか、と私も戸惑っているくらいだ。レディ自身が自分の身体の変化にとまどっていること、老化により今までと同じようには動けないレディにヒメが不安を感じて苛立ってしまうこと(ヒメのキャパが狭いため)が喧嘩の原因だろう、とトレーナーさんは言う。他にも諸々、小さな原因になることはたくさんあるだろうけど、レディだけの空間を確保しないと再発の可能性は高まる。怪我の治療のついでに、レディの眼を診てもらった。ライトを当てても瞳孔に動きがない。「年齢なりの核硬化と軽度の白内障。でも瞳孔が動かないということは網膜のほうに問題があるかも。網膜なら、ウチではサプリケアくらいしかタッチできない」との診断。川崎に獣眼科の専門医がいるので、午後に予約をとった。現状改善できればいいけれど、そこまでは無理でも眼科医なら生活の中での留意点や多頭飼いのアドバイスも期待できる。ついでにヒメの眼も診てもらおう。また当日欠勤だよ、顰蹙買うだろうなぁ・・・