今伝えたいこと(仮)
相馬高校放送局の女子高生たちによる創作演劇。「イメージ.福島」という福島を中心に開催する映画上映&トーク・プロジェクトの一企画。東日本大震災と福島第一原発事故後の福島に生きる高校生のやり切れない思いを率直にぶつけた。 放課後たわいない会話をする帰宅部の女子高生3人。そんな会話の中でも、震災と原発の話題は「地雷」だ。だれがどんな経験をし、どんな思いを胸に抱え込んでいるか分からないから。前日まで明るく振舞っていた一人が突然自殺する。津波で家族と家を流され、放射能汚染で苦労する酪農家の親戚の家で暮らしていた少女は、ネットの書き込みで「放射能、うつすんじゃねーよ!」などと中傷を受けていた。死んでから初めてそれらの事情を知る2人。友人の死を契機に、抱え込んできた気持ちを語り始める2人。 上演後の座談会では、出演者3人に脚本を書いた2年の簔野由季さんも登場。メガネがなんとなく長門の雰囲気。各人の被災時の状況をインタビュー。皆さんの自宅は、原発から30キロ圏外で劇中ほどの深刻さはなく、1年生の荒優香さんは、卒業式の後、自宅でお菓子作りをしていて震災にあったということで聞き手のやまのべみみさんからも思わず、「可愛いー。」との声が。顧問の渡部義弘先生は、放射能による子供たちの健康被害を心配しており、行政の不作為や福島県内で安全キャンペーンを張る放射線健康リスク管理アドバイザーの山下俊一福島県立医科大学副学長に対する批判を一くさり。右の写真の天井からぶら下がっている人形(ひとがた)は、相馬で亡くなった458人。 過日、この演劇の動画がネットで流れ、海外にも広く紹介しようという動きがあったようですが、ネット上での誹謗中傷を心配する渡部先生の要請により削除された模様です。削除されたことを報じるブログの記事をツイッターでRTしていたところ、渡部先生から返信がきました。拡げてくれる人がいるなら著作権なんてことはこだわらずに広めてもらえばと提案したのですが誹謗中傷に晒されてまで広めたくないそうです。分かる人にだけ分かってもらえればというのでは、今の福島の問題解決にはならないと思うのですが、ここは棄民になってる福島県の難しいところ。 上演に先駆けて福島中央テレビ報道部記者の村上雅信氏から、「福島の今」と題して報告。なんで福島中央テレビがとも思ったもんですが、福島第一原発3号機の爆発シーンを撮影したのは福島中央テレビだと自慢はするのだけれど、その後映像を隠蔽し批判を浴びたことには一言も触れずじまい。当日も地元の取材は置いといて「イメージ.福島」に同行取材したというからどことなく胡散臭さが。もしかして監視なのかと勘ぐってしまうが。 新聞報道がありますので、詳しい実況についてはこちらを。 ・震災を経験 私の声聞いて 福島の女子高生が演劇上演:石川 ・【映画】福島の女子高生の劇「今伝えたいこと(仮)」と映画「少女ムシェット」 抵抗の物語に宿る始まり:北陸文化:北陸中日新聞から ・福島・相馬の高校生ら慟哭の舞台「今 伝えたいこと(仮)」 にほんブログ村→トップに戻る