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オーウェン@ <1973年>映画「セルピコ」 こんにちは。いつも楽しく、またワクワク…

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2017年03月24日
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マザーテレサ.jpg 
【スタッフ】
監督=ファブリツィオ・コスタ
脚本=フランチェスコ・スカルダマーリャ、マッシモ・チェロフォリーニ
撮影=ジョヴァンニ・ガラッソ   音楽=ガイ・ファーレイ

【キャスト】
オリヴィア・ハッセー =マザー・テレサ
ミヒャエル・メンドル =エクセム神父
エミリー・ハミルトン =アンナ
セバスチャーノ・ソマ =セラーノ神父
ラウラ・モランテ   =マザー・ドゥ・スナークル
イングリッド・ルビオ =ヴァージニア/シスター・アグネス

【あらすじ】
1946年、インドのカルカッタ

カトリックの修道院内にある女子校で教鞭をとる修道女の『マザー・テレサ』

彼女はある日、ダージリンへ向かう途中で「貧しい人々のために尽くしなさい」
という神の声を聞く

自分の居場所が修道院の中ではなく貧しい群衆の中にあると悟った彼女は、
カルカッタに戻り修道院の外で活動を開始する

やがて、従来の修道会に属しながらの活動に限界を感じた彼女は、
新しい組織『神の愛の宣教者会』を設立、

親を失った子どもたち、貧しい人々、ハンセン病患者といった人々のために
より一層献身的に尽くすのだったが・・・・・

   ----------------------------
「汚いものをリアルに撮って「サアどうだ汚いだろう!」みたいな映画は嫌いだ」
 って 言ってたのは 確か「小津安二郎監督」だったと思うが・・・・

この映画「マザー・テレサ」は あの頃のカルカッタの酷い状況をリアルに映して
無いために 彼女が如何に凄い人だったのか その偉大さを表現し切っていない 

あのジュリエットを演じた「オリヴィア・ハッセー」が マザー・テレサを演じて
その姿 顔かたちが生き写し とってもイイ感じ 青く澄んだ眼差しは慈愛に満ち 
まさに愛の修道士になり切っていて素晴らしい・・・・のだが

その彼女が立ち向かう貧民窟とか病院とかで生活する 超貧しく病に伏す人々が
リアルに映されていないために その困難さや 酷さが伝わってこないのだ・・・・

マザー・テレサは どんな難局にも あまり苦労なしに(そうではないのだろうが
そう見える)克服してゆき どんどんその信奉者が増え そしてノーベル平和賞迄

それでも ストイックに清貧を貫き通して生きる様子が窺えるのだが あまりにも
スムースに行き過ぎで(2時間では無理なのか)

今では全然違うのだろうが あの頃インドに観光じゃなしに旅をした人なら 誰でも
感じた筈の あまりにも酷いインドの状況が 画面からは 全然見てとれない

何度かのインド体験から言えば 空港に降りた途端 ワッと襲ってくる熱気 
そして なんとも異様で独特の空気が一気に身体にまとわりつき 息苦しくなる 

空港を出たところで 真っ黒けで汚れきった子供たちが取り囲み 手を差し出し
冷房のないタクシーは 空気が熱い為 窓を閉めたまま走り 交差点で止まる度に
物乞いや 物売りが窓を叩く やたら けたたましく鳴らす警笛もやかましい
  
その道路には牛が堂々と歩き その糞が道路に散乱 それが乾いて黄色い粉塵と
なって舞ってるし 土塀に その糞が沢山張り付けてある 燃料にするという

沐浴で有名なバナラシー(ベナレス)のガンジス川へ通じる狭い街路の両脇に並ぶ
物乞いの悍ましい姿に絶句し背筋が凍った思いが  でも そんなインドが大好き

マザー・テレサの「神の愛の宣教者会」教団は個人からの寄付を受け入れ、それを
奉仕活動に使用しているが その教団活動への参加者が増え、寄付金も増えて
活動領域が広がるにつれて「教団の組織化」という大問題に拡大してゆく

神の啓示に従って、無私無欲の姿勢で奉仕活動に打ち込むマザー・テレサには 
ある意味 世間の常識や法的手続を軽視した奉仕活動は順風満帆とはいかずに
再三 大きな難関にぶつかることになって・・・・

ハンセン病患者のための「平和の村」を建設するについて、法的手続を軽視したことで
「建設中止命令」や「建物取り壊し命令」を受けることとなったり・・・・

寄付金提供者のカネがブラックマネーであることが判明したり・・・・
又 身寄りのない子供の養子縁組を進めていた教団に、人身売買の容疑がかけられたり 
 
このような実話を年代順に取り上げていくが、結果的にそのトラブルは、いつも誰かの
助けによってセーフになっていくという ストーリーがあまりにもスムース過ぎて
マザー・テレサの苦労が伝わってこないのだ  けれども

結局この映画の主題は 「ノーベル平和賞」の授賞式に出席したマザー・テレサが、
得意気に豪華料理のメニューを説明する係員に「その料理はいくらするの?」
「それだけのお金があれば何人もの子供たちを救うことができるのに」と言うシーン と

組織化が進み、それに伴って不可避的に官僚が生まれてくると、この官僚たちが「組織
のカネを使うのだから、その組織の定めに反しない限りは、自由にカネを使えるはず」
と考えることへの疑問を表現した ワンシーン

会議の席には、通常コーヒーや水が出されるが、そのカネは一体誰のもの?
組織を動かす官僚たちには、そんなことを気にするヤツは1人もいない

会議の席に置かれた1本の水の値段などまるで気にせず、滔々と組織維持のための
演説をぶっている幹部に対して「マザー・テレサ」は「この水は1本いくら?」と聞く

そして「会の銀行口座を閉鎖しましょう」「組織はもういらない」
そして「もう1度原点に戻って神の命ずる奉仕活動をしましょう」と 宣言するのだ  

先日の映画「ガンジー」と併せて 今 国会や都庁で延々と繰り広げているバカバカしい
猿芝居を演じている官僚や政治家共に 是非とも観賞させたい映画です






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最終更新日  2017年03月28日 14時09分53秒
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