しろがね

2009/08/10(月)01:26

越水利江子 月下花伝 時の橋を駆けて

読書(279)

表紙のイメージからいって、主人公の秋飛が時空を越えて新選組の沖田さんと 出会って恋をする、なんて感じのお話かなと単純に思っていました。 けれど、主人公秋飛は時空を越えることはなく、この時代でそれでも確かに総司に 出会えたという話でした。 とても自然で、もしかしたらこういう出会いもあるかもしれないな…と思えるような ロマンチックなものでした。 亡くなった祖父が残した映画のフィルムの中にいる過去の役者の演じる総司、この フィルムの中の”過去の人”はずっときれいでそのまんまなんだなぁ…。 なんだかそんなことを思うと切ない気持ちになりました。 秋飛に祖父の遺してくれた「月宿」という刀。 導かれるように欠けたフィルムの続きを見られた時に、過去の総司との別れがあります。 けどその別れはとても哀しいけど、爽やかなものでした。 人は分かっていても自分の人生をゆくんですね。

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