000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

しろいごはんの食育日記

苦い味も教えてほしい

10月19日 日経新聞より抜粋

「このお茶、カライ」「おかゆが酸っぱいよ」。関西を中心に子供向け料理教室を開く坂本広子さん(59)は、教え子の奇妙な味覚表現が気になって仕方なかった。

言葉を知らないだけなのか。「いや、人口の風味に囲まれて味の実感が足りないのでは」。だから“まずいもの体験”を始めた。春ならタケノコ、今はニガウリ。幼稚園児たちは「何これ、にっがーい。」初挑戦の味に興味津々だ。

小額5.6年生の約26%がひとりで朝食を食べる。栄養をサプリメントで補うことも珍しくない。母親の4割は「子どもに嫌いなものを無理に食べさせない」という調査もある。口当たり優先の食卓は偏食などで幼い体の基礎を揺るがす。

「このオレンジジュース500ミリリットルに入っている砂糖や約50グラム、スティックシュガー8本分」。

非営利組織の市民科学研究室(東京)は小中学生を集め9月に開いた講座で、まず身近な食品を解剖してみせた。

続いてホウレンソウなど野菜の甘みだけのクッキー作り。食材本来の味を知る試みだ。「口にするものを自分で選べるようになってくれれば」と中学1年の娘と参加した佐藤千鶴子さん(40)。

味わう力そのものの衰えに警鐘を鳴らす声もある。20歳前後の若者の2割は味覚障--。日本大学名誉教授の富田寛さんが実施した調査だ。センサーとなる亜鉛の不足が原因。背景には亜鉛を多く含む魚などから遠ざかった食生活がある。

今、親子の日常は忙しい。「せめて食事を楽しむ心を伝えていかないと。」子どもの食生活に詳しい管理栄養士の足立己幸さんはつぶやく。

「どんなものを食べているか言ってごらん、君がどんな人か当ててみせよう」と言ったのは「美味礼賛」の著者でフランスの食通、ブリア・サバラン。現代ニッポンの子どもたちはサバランの目にどう映るのだろう。


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.