おねんねお舟 ~金子みすゞの詩~
金子みすゞ(本名テル)は、明治36年大津郡仙崎村(現在の長門市仙崎)に生まれました。 みすゞが童謡を書き始めたのは、20歳の頃からでした。 4つの雑誌に投稿した作品が、そのすべてに掲載されるという鮮烈なデビューを飾ったみすゞは、『童話』の選者であった西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されるなど、めざましい活躍をみせていきました。 大正末期から昭和初期にかけて、26歳の若さでこの世を去るまでに512編もの詩を綴ったとされます。 それから50余年。長い年月埋もれていたみすゞの作品は、児童文学者の矢崎節夫氏(現金子みすゞ記念館館長)の執念ともいえる熱意により再び世に送り出され、今では小学校「国語」全社の教科書に掲載されるようになりました。おねんねお舟島から來た舟、おつかれか、入り江の波はやさしいに、ゆつたり、ゆつたり、おねんねよ。おさかな積んで、はるばると、ひろい荒海こえて來た、小さい舟よ、おねんねよ。島の人たちもどるときや、重いお米を買つてくる、青い菜つぱを買つてくる。島から來た舟、それまでは、やさしい波にゆすられて、ゆつたり、ゆつたり、おねんねよ。『金子みすゞ童謡全集』(JURA出版局)より白木屋グランドホテルから車で15分の金子みすゞ記念館を御覧に是非お越し下さいませ。