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2025.03.18
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カテゴリ:学術



【執筆ノート】 『ヴォイニッチ写本──世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑む』

https://www.mita-hyoron.keio.ac.jp/literary-review/202503-2.html


三田評論ONLINEより転載



  • 安形 麻理(共著)(あがた まり )

    慶應義塾大学文学部教授

データサイエンスという言葉が人口に膾炙(かいしゃ)するようになりました。ビッグデータを背景に、機械学習やAIを活用したデータ分析が盛んになっています。もっとも、定量化しにくい対象を扱うことが多い人文学領域には関係が薄いイメージがあるかもしれません。その可能性を示したいという思いから、編集者からの打診に二つ返事で引き受けました。

ヴォイニッチ写本は、15世紀末から16世紀の中央ヨーロッパで作られたと推定されている羊皮紙写本です。オカルト、写本学、言語学、暗号解読、情報学など多様な領域からの試みにもかかわらず、発見から100年以上経った今でも解読されていません。意味のないデタラメだという研究結果まであるほどです。

私たちがこの写本をテキストデータのクラスタリングによって分析したのは10年以上前ですが、現在も有効なアプローチだと考えています。嬉しいことに、中身には一貫した構造があり、理屈のうえでは解読可能であることを示す結果が得られました。複雑な暗号ならこうした特徴は持ちえませんし、簡単な暗号ならとっくに解読されているはずですから、未知の言語で書かれていると考えています。ただし、解読には至っていないので、タイトルも「挑む」であり「解読する」ではありません。

今だとAIに期待したくなりますが、同じ文字の資料が他になく、データ量が少なすぎて、すぐに解読に至るとは考えにくいでしょう。一方、技術は日進月歩ですから新たな手法の登場も期待できる面白い時代です。

ヴォイニッチ写本の研究史を振り返ると、いわゆる職業的なプロの研究者だけでなく、アマチュア研究者の成果も目立ちます。そこで、一般の市民による科学研究(シチズンサイエンス)の動向も紹介しました。

また、第6章には博物学者や幻想文学作家、翻訳家などとして著名な塾員の荒俣宏氏との鼎談を収録しています。第5章までとはまた異なる視点を堪能していただけるでしょう。

本書が、データサイエンスという角度から人文学的な研究課題に取り組むことに関心をお持ちの方の参考になれば幸いです。

『ヴォイニッチ写本─世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑む』
安形 麻理(共著)
星海社新書
192頁、1,485円(税込)

※所属・職名等は本誌発刊当時のものです。









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最終更新日  2025.03.18 12:05:36



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