愛してると言う気はない
今年最後のBLレビューは英田さんの「愛してると言う気はない 」となりました。この物語は「さよならを言う気はない」の続編で、探偵・陣内とヤクザ・天海のその後。(「さよならを言う気はない」感想はここ)12年の腐れ縁に終止符を打ち、恋人同士になった陣内&天海。相変らず漫才会話は爆笑で、陣内・受も間近という噂がありますが・・天海の弟・泰智が現れたことにより、捨て去った過去が二人の前に立ちはだかります。で、続編も激しくよかったですっ!!あまりの面白さに一字一句洩らさず集中~っ。特に前半は陣内の心理描写や会話が可笑し過ぎて、吹き出しすこと5,6回。ほぼニヤニヤしっぱなしというキモイ読書となりましたところが半ばあたりから雲行きがあやしくなって、ドンドンどん底な痛さにヒィ~となりながらもマスマス抜け出せず、読み上げた直後はどっと疲労感が・・でもストーリーの充実度はかなりハイレベルで、痛いながらも感動的。ラストはきちんと甘甘な上に、お互いがしっかりと向き合っていました陣内は前巻より丸ごと天海を抱え込んでいるので、自分の意見や希望をはっきりと天海に告げています。が、それによって今回は天海が傷つく結果に・・。元刑事とヤクザでは何処までも平行線な部分があるため、天海は陣内とずっと続く未来を考えることが出来ません。とにかく必要以上に自分を卑下する天海は痛々しく自虐的。ところが陣内は恋人を傷つけてしまっても恐れず強さを発揮できる男!意地っ張りで臆病な天海をコロッと可愛くするおやじ力が最高~っ!ベットの中で素直になる天海には、陣内と一緒にメロメロになりましたてな訳で、傷つけ合っても離れない二人にはドドーンと感動そして賀持&那波コンビにも同じく感動♪ この二人は そんなに天海ラブでどーするんだ!という温かさで・・我那覇に「殺す」と脅しをかけた那波、そしてHよりパイを焼くと言った賀持には泣きそうになりました。で、泣きそうと言えば天海の「オレより先に死ぬなよ。」にもウルウルで・・なんてステキな主従愛っ本当の身内はダメダメでも、この2人と陣内は天海にとって立派な家族だと心底思いました。にしても我那覇の変態さはディープでした~(笑)。昨日英田さんからメルマガが届きましたが、同人活動はしばらくお休みとあってちょっと残念・・。でも商業誌でこれだけ次々秀作を出せる作家さんなので、専念してくれて全然OK。この「さよならを言う気はない」と「愛してると言う気はない」も間違いなく英田さんの代表作の一つになることでしょう♪