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カテゴリ:'70 エーテルのころ
ただ、こうして不承不承ながらも触らせてくれるのは、レグホンのピーコと、名古屋コーチンのつがいだけで、ほか三羽は、逃げたり猛烈に抵抗したり、そもそも「触ってみたい」と思わぬほどに凶暴だったりする。最後のにあてはまるのが白色レグホンのオスで、子どもらは彼に「バカオス」という、いささかわかりやすすぎる呼び名をつけていた。
白色レグホンのオスは、飼ったことのあるひとは大抵、粗暴で可愛げなく好戦的なキャラクターと評価する。鶏卵をとるために、メスの性質ばかり重視して改良された末に、ほったらかしのオスは、野生種の縄張り意識の強さや、天敵に立ち向かう闘争本能をそのままに残しているのかもしれない。 しかし「もう少しどうにかならなかったのか」と責任者に質したくなるほど過度の喧嘩好きで、普段の立ち居振る舞いが既にピリピリして見える。ルックスからして、全身白ずくめに縦一直線の大ぶりな赤いトサカ、アイラインをひいたようなきつい目。こんなのが街中にいたら、バンドをやっている知人でない限りは、視線を合わせないほうがいい。 バカオスときたらこれまたとびきりに、寄らば斬る、寄らなくても斬る、どっちみち斬る、みたいな空気を吐き出しているレグホンだった。頸まわりを太く見せる、たくわえた髯のような灰色ががった羽毛は、老獪でしぶとい戦国武将のようだ。何を考えているかわからないが、近づかないほうがいい……という剣呑な光が眼に宿っているあたり、キレ気味に「朝鮮出兵」とか言い出した覇者の晩年なんかを思わせて、とにかく怖い。 児童らもほどなく、高学年中庭におそるべき暴君がいることを知った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 9, 2014 05:53:23 PM
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