南３条を泣きながら走ったよ

そうなんです、みゆきさま。 札幌に着いたら22時30分。でも、ちゃんと深夜営業のラーメンやさんを調べてきたから怖くない。このときのために、朝から食事制限をしてスタンバってきたのだ。 場所はすすきの。市電の線路を辿って歩けば、そう遠くない。 地下鉄の駅から地上に出て、しばらく右往左往した。市電の線路はこれでいいんだろうか。悩みながら辿ってくと、それらしいあたりでそれらしく交差点を曲がる。 道はだんだん寂しくなる。明かりが無い。札幌の道は碁盤の目で、交差点に東西南北と数字の「住所」が書いてある。 目指す住所をスマホで確認し、目の前の住所と見比べた。南1、か。 ！　ぜんぜん違うじゃん！　ここ、南７だよ！ いま来た道を戻りつつ、方向を見定めて微妙に進行方向を変える。南１という住所のはず。そろそろ近いと思うんだけど。 北１。うそ。なんで通り過ぎた。 戻らなくては。えっと、けっこう歩いたぞ。南１…って、交差点が南２になるのはどうして。１はどこだ。 スマホで地図を確かめたいんだけど、反応が悪くてすぐに地図が変な場所に飛んでしまい、確認できない。まあ、確認できなくても碁盤の目だからそう困らないはずなんだけど、なんでだか、いつまでたっても南１が見つからない。 あらためてスマホの住所を確認しようとして、さっきからスマホの文字が見づらいんだよなと気づいた。省エネのため暗くしてるのがいかんのだ。明るくしてみよう。ほら、すっごく見やすくなったじゃん。 ……。 ……。 えっと、お店の住所。 南７？ 最初に「違う」って慌てた場所で、よかったんだ…。 既に１時間半以上歩いている。到着まで30分くらいかかりそう。幸い０時以降も入店可ってことは調べてあるけど。 終電、もう無いよな。 ホテルまでタクシーだな。 こんなとこで余計な豪遊モードなことにも、涙目だ。 とにかく着いた。着いたともさ!