ローウェンの建具交換は出来ないかも・・・
千葉県のお客様から、カナダ ローウェン(Loewen)製のダブルハングサッシについてご相談を頂きました。写真のように、上窓(アッパーサッシュ)の外側を覆っているアルミカバーが脱落して、その内側の木製建具枠もコーナーの合わせ目が外れてきてしまっています。これは、雨がガラスの縁から建具内に入り込んで、中から木を腐らせてしまったことが原因です。こうなる前に、ガラスの周囲やアルミのつなぎ目等に防水処理をしていればよかったのですが、建築屋さんも塗装業者もそんな知識は持っていません。当然、お客様もそんなことは分かりませんから、そのうち気付いたらこんな状況になってしまったということだと思います。ここまで行くと、建具を新しいものに交換する以外に方法はないのですが、ローウェンに問い合わせした処、下記のように製作出来ないとの回答がありました。・ケースメント(開き窓)は、1997年以前のサッシュ(建具)製作不可。・ダブルハング(上げ下げ窓)は、2000年以前のサッシュ(建具)製作不可。・スライダー(引き違い窓)は、2011年以前のサッシュも製品も製作不可。最近ローウェンに交換用建具の調達について聞いたことがなかったので、少し前からこんなことになっていたとは気付きませんでした。古いローウェンのサッシは、雨仕舞が悪いものがあったと感じておりましたから、メーカーもいつまでも対応することが出来ないと判断したのではないかと思います。ですから、ローウェンをお使いの輸入住宅では、外壁の塗り替え等で足場を組んだ際にサッシ自体の防水処理を必ず実施して下さい。もしこうなった場合には、ダブルハングならもしかしたらシエラパシッフィック社のアップグレード・キット(リプレースメントサッシ)を使って、窓枠をそのままに建具だけを交換することが可能かも知れません。ただ、実際に可能かどうかは、ダブルハングの詳細形状や寸法確認を行って判断する必要がありますから、それはまたご報告したいと思います。ケースメントサッシやスライダー(グライダー)については、腐った木枠をカットして新しい枠材に入れ替えるという作業で対応する以外になさそうです。ただ、窓の構造的な欠点は直すことが出来ませんから、直した後でも常に雨が入らないかを注意する必要があります。(シエラパシッフィックの新しい建具は、木枠に腐らない処理をした木を使っていますし、入荷した後に私たちでもガラス等に防水処理や木部に防水塗装を施しますから、リスクは相当なくなります)何れにしても、日頃の手入れやメンテナンスを怠らないようにして頂くと共に、万一変だなと感じたら早めに相談頂くことをお勧めします。(今後、他の輸入サッシメーカーでも、同様のサービス中止がないとも限りませんよ)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方はお問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。