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テーマ:家を建てたい!(9811)
カテゴリ:自然素材・摂理を考えた施工
家の構造を造る建方工事。この工事では、殆どのビルダーが ネイルガンと呼ばれる釘打ち機を使用します。 ネイルガンは、コンプレッサーの空気圧を利用して 連続で釘を打っていく機械ですが、これを使いこなすのが なかなか難しい。 それは、釘を1本打つごとに、エア圧が徐々に下がって しまい、ある程度圧が下がらないと再びコンプレッサーが 回ってくれないからなのです。 つまり、最初は圧があるので、適正に空気圧を設定すれば 木材にちゃんと釘が打てるのですが、何本も打つと 圧が下がって釘の頭が木材から浮いてしまう。 じゃあ、それを回避する為に圧を高めに設定すると 最初の方に打った釘は、木材にめり込んでしまうという 問題が生じてくる。 本来ならば、木材の表面と釘の頭が、丁度同じくらいに なるように打たれるのが理想的なのです。 一番いいのは、手で1本1本打つことですが、それを やっていたのでは、時間とコスト(労力)の問題が あって、現実的ではありません。 だから、どの圧に設定して釘打ちの仕事をするかで フレーマー(建方大工)の力量が試されているのです。 早く仕事を終わらせて、たくさん稼ぎたいという人は 高圧に設定すれば、一度にどんなにたくさん釘を 打っても圧が下がらず、効率的です。 また、釘を打つ間隔(スパン)を広くすれば、その分 釘を打つ回数が減りますね。 でも、それだけ釘が本来持っている強度は落ちてしまいます。 (2x4工法における釘のスパンは、本来規定があります) 逆に圧を下げれば、たくさん釘は打てません。 打っても後で釘をハンマーで叩かないといけなく なったりします。 次に、木材の種類と釘打ちについてもお話しましょう。 幸い私たちが構造材に使うSPF材は、桧と同程度の 柔らかさを持っているので、ある程度の圧で釘を打っても 割れることはあまりありません。 でも、堅いダグラスファー(通称:ベイマツ)は、 手打ち同然に丁寧に打たないと、すぐに割れてしまいます。 割れないように釘打ち機を使うなどということは、ほぼ不可能 ですから、大工さん泣かせの素材ですね。 柔道のことわざで、「柔よく剛を制す」というのがありますが 堅いものは意外ともろく、柔らかなものは一見弱そうでも 向かってくる力をうまく逃がすんですね。 材が堅ければ強度も増していいように思いますが、 構造材が割れては強度も何もありません。 (勿論、多少割れたからと言って、大きく強度が 落ちると考えるのも、神経質ではありますが・・・) そうそう、釘打ち機で一番気を付けないといけないのは 構造用耐震合板です。合板は、SPFより更に柔らかいですし 厚さが9~15mmしかありませんから、釘がめり込み 過ぎると釘が利いていないのと同じ状態になってしまう のです。 先程も言ったように、何事も程度の問題ですから 少しくらいのめり込みを気にすることはありません。 ただ、こういうことを気にして施工するビルダーと 一緒に家づくりをした方が皆さんも楽しいですよね。 こんなことまで解説する輸入住宅ビルダーが、どこかに いるでしょうかねぇ(笑) スプルース(SPF)の紹介ブログ記事(2007年04月07日): http://plaza.rakuten.co.jp/shizai/diary/200704070000/ Douglas Fir の紹介ブログ記事(2007年04月29日): http://plaza.rakuten.co.jp/shizai/diary/200704290000/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011年06月07日 11時02分47秒
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