2013/04/29(月)11:09
通気機能のない基礎パッキン
基礎パッキンというと床下を常に乾燥させる為に通気材
として使われるケースが殆どです。
昔は、立ち上がり基礎の一部に開口を設けて、そこに
通気口をはめるのが一般的でしたが、基礎パッキンの
登場で基礎ラインを欠損させることなく、床下全体の
通気・乾燥を実現出来るようになりました。
ただ、ここで一つ問題なのは、家の中(室内)で床下がない
部分があるのです。
それは、玄関内の靴脱ぎ(土間)。日本では玄関で靴を脱いで
上がり框(かまち)で1階のフロアへ上がります。つまり、
欧米のように1階のフロアと玄関土間とが同じ高さにないのです。
玄関土間の床が、基礎パッキンより低い高さに来る場合、
通気機能のある基礎パッキンだと風が室内に入り込んでしまい
断熱性が保てません。もしそこを内側で塞いでしまうなら、
通気を失いますが外側は穴が明いた状態となります。
空気の流通があるからこそ、シロアリ等が嫌がる状況が生まれる
のに、穴だけ明いた状態なら被害のリスクが高くなります。
そこで敢えて通気をしない気密のある基礎パッキンが必要に
なるんですね。
また、逆に、玄関土間の床が基礎パッキンより高い位置に来る場合、
土間下地のコンクリートが基礎パッキンに被ってきますから、
この場合も通気しない基礎パッキンの方がいいと思います。
ただ、この部分だけ本当に通気をしなくてもいいのかと言えば、
私はよくないと感じます。だって、玄関土間だって家の一部ですから。
シロアリや耐久性、住み手の感覚を考慮して、改善すべき点は
いろいろありますが、常に前進してベターなモノづくりをして
いきたいものです。