サッシの木部が黒くなってきたら、要注意!
現在、リノベーション工事を開始した愛知県春日井市の輸入住宅 H邸。ここの輸入サッシは、アメリカでもあまり知られていないWeathervane Wood Windowsという窓メーカーのものらしい。でも、このメーカーは既に樹脂サッシのメーカーに吸収されたか、名前を売ったかして存在しない。当初お客さんからは、アルミクラッド・サッシの木が黒く劣化してきているので、同じようなデザインのサッシに交換したいというものだった。まずは、劣化の状態を見て欲しい。黒ずんでいる木は、建具(サッシュ)だけでなく、窓の木枠自体も同じような状況になっている。また、木を押えると、指が木の中に入っていきそうな程、柔らかくなっているし、少し湿った感じさえ受ける。そのせいか、ペアガラスの気密を保つ金属スペーサーも錆びてきており、ガラスの内部にも錆が浮いてきているといった状態だ。NETで調べてみると、このメーカーの窓はあまり防水性がしっかりしていないらしく、交換や補修が発生しているという英語の記事がしばしば見受けられた。多分、このおうちのものも大差なく防水性がよくなかったのだろう。こうした状況になると、木製窓だけでなく、それを支えたり囲ったりしている構造体の材木をも劣化の危険に曝すこととなる。だから、窓を据え付ける前に、窓周りの構造体自体に防水紙や防水テープを張って水からガードします。また、構造体と外装材のサイディングとの間に外部通気層を設けることで、万一雨が侵入しても外壁の下から抜けて、常に構造体が乾いた状況になるように施工します。このように、私たちは窓が雨漏りを起したとしても構造体に被害が及ばないように施工するのだが、昔の工務店はそういうことを全くやっていない。輸入住宅ブームで、北米の施工を少しかじっただけですから、勉強などもしていないですよね。勿論、今の住宅メーカーが、私たちと同じ施工をしているとも限らないですが・・・。(ここを新築した有名工務店は、既に輸入住宅事業から撤退しています)とにかく、サッシの雨漏りを疑う状況が起ったら出来るだけ早く対処することが大切です。だって、構造体にまで腐食が及んだら、耐震強度に影響しますし、家族の安全をも脅かされるのですから。お困りの方は、お問い合わせ下さい。