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カテゴリ:映画
この間から数日かけて、無料動画サイトで 山崎豊子原作のドラマ「運命の人」を観ました。
私、山崎豊子さんって、かなり読んでいるのですが・・・基本、昔から本はめったに新刊を買わないので、近年に文庫化されたものは読んでいないのです。 それに、山崎豊子さんの作品って・・・長いでしょ?何冊にも分かれてたりするから、思いきらないと一度に買えないってのもありまして・・・(汗) で、ここ数年、読みたいと思いつつ、たかが文庫本すらが買えず、最近 偶然に動画サイトでドラマを見つけて全編観たのでありました。 これ、私的には、原作読んでほぼ内容のわかっていた「華麗なる一族」や「不毛地帯」より面白かったというべきか、感動したというのか・・・ある意味、改めて、私が子供の頃の事件を理解して納得できたと言うべきか・・・見ごたえありました。 ネットの評価によれば、原作に書かれているかなりの場面がカットされ過ぎて、特に後半が足早ぎみだそうな・・ でも、充分理解できました。いえ、それだけに、原作本をじっくり読んでみたくなりました。 【送料無料】運命の人(1) [ 山崎豊子 ] 内容的には沖縄返還協定の時に実際に起こった、とある事件を題材にして書かれたもので、ある意味、山崎豊子さんだからこそ書けた作品って気がします。 いえ、もしかしたら?近年だからこそ、ようやく書けた?それとも本に出来たのかもしれないとさえ思えます。 それと、私が思わず見入ってしまったにはもう一つ理由があるのです。 私が子供の頃の話です。 私の知る祖父は書家でした。とはいえ、せいぜいが田舎の村でのことです。本当は書家というより、筆書きの代書屋さん?だったのだと思います。わりに口数の少ない、かなり偏屈な部分はありましたが、けして人の悪口を、おおっぴらに、声を荒げて言う人ではありませんでした。 むろん、政治や経済のことについても、新聞、本、テレビニュース、しっかり見てた読んでたのに、不思議なほどにその手の話には一貫して寡黙でした。 ところが、私はそれだけに、すごく鮮明な記憶があるのです。 かのサトーエーサクさんがノーベル平和賞受賞した年のことです。 憤慨して吠えていたのをハッキリ覚えています。 いえ、それどころか、まるで汚い物を放り投げる、嫌な話題を切り捨てるってな態度で、新聞を放り投げたり、テレビニュースに舌打ちしたり、すごく不機嫌にテレビを消したりしてました。 「ええ加減にさらせ!なにが、平和賞だっ!バカらしい!ノーベル賞も落ちたもんだ!」 ってなこと・・・いえ、子供だった私が理解できなかっただけで、もっとひどいこと言ってた記憶があります。 まっ、当時、祖父は何に怒って、なぜにそこまで憤慨しまくっていたのかは、私にはまったくわかりませんでした。だって、祖父は一切の理由を言いませんでしたし、むろん、当時聞いたとて、わからなかっただろうし、私には、ただぼんやりと・・・「サトーさんは悪い人」ってな記憶だけが擦り込まれたのでありました。 しかし、私自身が歳を重ね、いろんな本を読み、最終的には近年、原発関連からいろいろ調べて知りゆくうちに、当時の日本政府の密約書がアメリカからも、ドイツからも出たって事を知り、 「なるほど・・・爺ちゃんは、こういうことを怒ってたのかな・・・要するに、サトーさんはノーベル平和賞を国家予算で買ったって言いたかったの?」 ってな漠然とした、いえ、もしや、偏向的なのかもしれませんが、私なりの理解と結論を見たのは、祖父が亡くなってから35年も経ってからの事でした。 まっ、余談はともかくです。 このドラマは実に有意義と言うか、観るほどに、なぜに、自由民主の国でありながら、これだけ情報統制がされちゃうのか?って疑問が氷解する気さえしたドラマだと思えました。 最終回には泣けました。ぼろぼろと涙がこぼれました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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