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2025.10.12
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カテゴリ:正法眼蔵

〔『正法眼蔵』原文〕

この滅に多般の手眼を荘厳せり。

いはゆる無上大涅槃なり、いはゆる謂之死イシシ《之を死と謂ふ》なり、

いはゆる執為断シュウイダン《執して断と為す》なり、

いはゆる為所住《所住と為す》なり。

いはゆるかくのごとくの許多手眼、しかしながら滅の功徳なり。

滅の我なる時節に不言なると、起の我なる時節に不言なるとは、

不言の同生ありとも、同死の不言にはあらざるべし。

〔『正法眼蔵』私訳〕

この滅の上で無量の功徳を荘厳ショウゴンしているのである。

(この滅に多般の手眼を荘厳せり。)

それはこの上ない偉大な悟りであり、これを死と言うのであり、

執して断滅とするのであり、仏の住する所とするのである。

(いはゆる無上大涅槃なり、いはゆる之を死と謂ふなり、

いはゆる執して断と為すなり、いはゆる所住と為すなり。)

このようにいろいろとある功徳は、ことごとくみな滅の功徳なのである。

(いはゆるかくのごとくの許多手眼、しかしながら滅の功徳なり。)

滅の我れである時に我滅すと言わないことと、

起の我れである時に我起こると言わないことと、

言わない点で同じであるが、死と同じ言わないことではないのである。

(滅の我なる時節に不言なると、起の我なる時節に不言なるとは、

不言の同生ありとも、同死の不言にはあらざるべし。)

 
 

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最終更新日  2025.10.13 09:15:26
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