2005/09/28(水)00:52
実りの秋
今日は福島の石川町というところへ納品の仕事に行ってきました。
東京から片道250kmと、まぁ私共には楽な日帰りコースなんですが‥。
皮漉き機(※注)の集塵機などを運びました。中古ですが‥。
バブル時代には東北地方に工場誘致が盛んで、靴業界でもずいぶん多くの
企業が地方に工場進出しました。
それに伴って機械の販売やメンテに私たちも奔走していたのです。
私も若かったし、福島や山形、秋田、岩手など車で夜通し走りまくった
時もありました。おそらくそのころ様々な業種で東北地方は賑わっていたの
ではないでしょうか?都会から人や物が多く行き来して、地元の人も出稼ぎ
よりは自宅で工場を立て仕事することが良かったのかも知れません。
ところがバブルが弾けるとリストラや規模縮小が始まり、撤退、倒産が
相次ぎ、逆に都心近くの小規模工場にシフトするようになりました。
東北から潮が引くように人も仕事も無くなったのでした。
さらに現在に至っては中国への工場シフトが進み、惨憺たるありさまに
なったのです。
それでも東北でがんばっているところがまだ、数件ですが残っていて
アッパレという以外にないと感嘆しています。
自分としては誠心誠意、応援してあげたい気持ちでいっぱいです。
だから、多少わりに合わない仕事でも足を運ぶ覚悟なのです。
帰り道の東北自動車道から見えてくる金色の田んぼでは、もう稲刈りを
始めているところもありました。時代に翻弄されている人間を包み込む
ように、みちのくでは今年も実りの秋をむかえています。
都会人には何故か、東北の時間がゆったり流れているような気がして
なりませんでした。
(※注)皮漉き機:皮革加工をする際、革の端を折りたたむのに、
厚みがあるときれいに折れません。したがって折るところを薄く
漉き落とすのに皮漉き機を使用する。靴、カバン、財布など
皮製品製造に必須のアイテム。集塵機はその漉きカスを吸い取る
掃除機のようなもの。