猫の使命
ひと月ほど前、家ネコのチェルシーが外で喧嘩したらしく前足に怪我をしてきました。今までシッポや足を数回怪我してきたことがあっても、その都度、医者にかかってはこなかったので今回も放っておいたら重症化したようでした。それでは…と動物病院に連れていくことになりましたがやはり傷が落ち着くまで入院ということでした。ところで最近のチェルシーの生活は家にはほとんど留まらず、食事が済むとさっさと外に出かけていくようでした。娘たちの話ではおそらく外に家族でもいて我が家と二重生活をしているのではないかということでした。しかし、私はその割には他のネコとか、子ネコを連れて歩く姿も見ることはなく、鳴き声もしないのはおかしいのではないかと思っていました。そんな心配をよそに、毎日毎日、寒くても、雨でも、怪我をしていても外に出たがるチェルシーなのでした。怪我をしているので外に出ないよう家に閉じ込めようとしましたがドアの前で声を枯らして「外に出る!出してくれ!」と叫ぶのでした。私もお前がそこまで言うなら…と熱意に負け、娘に叱られるのを覚悟でドアを開けたりしていました。足を引きずりながら暗闇に消えていくネコを見送り「何か君には使命があるのだろう。がんばって行ってこい!」…と。そんな日常での病院でしかも2週間の入院となってしまったわけですが果たして2週間のブランクの後、ネコは以前の生活を忘れていないものなのだろうか?という疑問が湧いてきました。我が家の家族は覚えているとは思うのですが、私が気になっていたのは何より例の「使命」ということでありました。もし退院後、我が家でゴロゴロくつろいでいたりしたら記憶が途絶えているということなのだろうか?入院後、10日ほどした夜、我が家の裏の方からネコの鳴き声が聞こえました。この鳴き声の主について私たち家族の話題になっており「出て来いやー!」 … ライバル(喧嘩相手)のネコの挑発か?「あなたーっ! お父さーん!」 … 妻or子の悲痛の叫びなのか?いずれにしろ声はすれども姿は見えずでした。さて、チェルシーの退院の日、どんな行動を見せるか、注目していると…なんと、餌を食べた後、外に出たがりました。「忘れてなかったね。いってらっしゃい。」と裏口を開けて外に出しました。明日朝までは帰らないと思っていた家族の予想を裏切り1時間ほどで帰ってきました。快気祝いのあいさつ回りでもしてきた感じでしょうか?しかし、病院できれいにされてきたはずなのに何故か、全身がネコのおしっこ臭くなっていました。いったい、これがどういう意味があるのか、チェルの使命はどうなったのか、2週間の留守の間にネコ社会にどんな状況の変化があったのか、なかったのかはネコのみが知ることで、我々人間には全くわかりませんでした。チェルシーは今日も元気で以前のように大半外で生活しているのでした。