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ものづくりを支え隊☆

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ミシンの事

Sep 17, 2011
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カテゴリ:ミシンの事
10月7日、8日の2日間、東京ビッグサイトで開催される

FISMA TOKYO 2011(ファッション産業機器展)へ

展することにしました。

私は毎年、ミシン組合の役員として裏方役でしたが、今年は50回記念開催でも

あり、何か震災復興のためにも自らを鼓舞しなければならない思いに

駆られたからであります。

もともと私の会社はGLORYというブランドで革加工機械を作っていて

ミシン販売とともに小さいながらも機械メーカーという立場もあります。

自社製品でミシン展示会にも過去数度出展したこともありました。

しかし、今回は志向を変えて靴製造と靴修理のための機械・ミシンを

各メーカーさんに協力していただき販売店としてラインナップを

揃えてみようと思います。

思いついたキャッチコピーは「For a Maker and a Remaker」

り手とリペアの人を応援していく会社。ということです。

特に今回はリペアマシンとしての主要機械を主にしており

具体的に出展する内容は新型靴修理用フィニッシャー、圧着機、カッター機

立ち作業八方ミシンなどです。

製造をされている方向けの機械の展示はスペースの都合上、あまり

場所がとれませんが何か珍しいものを数点考えています。

また、計画中のひとつの企画として最新の立ち作業テーブルでセットした

八方ミシンと照的な足踏み式ドイツ八方ミシン(1850年頃製)の参考展示

を考えています。これだけでも一見の価値ありだと思います。

できればこのブログをご覧いただいている靴製造やリペアの方とも

有明まで足を運んでいただいてブースで直接、ミシンや機械のお話を

したいと思っています。

数に限りがありますが招待券を差し上げますのでHPよりメールで

ご連絡ください。

なにか、ものづくりの人達が元気になる展示会になれば良いな…、と

思いつつ準備をしているこのごろです。

























Last updated  Sep 17, 2011 09:48:25 PM
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Aug 11, 2006
カテゴリ:ミシンの事
最近、プロではなく、いわゆる素人さんというか、一般人というか、

趣味やクラフトで工業用ミシンを購入したい人が増えてきています。

私の所にも頻繁にメールや電話で、あるいはわざわざ来店してきてくれる

方が多くいます。

数年前は「革用のミシンを探していますが‥、どのミシンがいいのでしょう?」

などと極めて漠然とした切り口で問いかけられると私の頭の中に

十数種類のミシンが一度に思い浮かんでしまい、

この人のニーズはなんだろう?と混乱したものです。

今ではパターンが分かってきたこともあり、予想を外さず的確なアドバイスが

できるようになってきたと思います。

靴メーカーや皮革関連の業者の多い浅草で商売を続けているので

取引先やお客さんもある程度、専門的な話をしても通じますし、

職人や工場、企画などならその人それぞれ向きに勧めるミシンや

機械、部品などの話も絞り込んでできる環境であったのです。

靴職人ひとつをとっても婦人靴専門とか、紳士靴ばかりとか、

つまりカテゴリーが厳格だったのです。

それだけに使用するミシンや機械も特化していて私たち機械屋の対応も

楽だったのです。

ところが、困ったことに時代は移り最近は靴学校に通っていますが、

鞄も作りたいとか、財布などの革小物もできたら‥。というオールマイティな

人たちが多く見受けられるようになり、これらのニーズに応えていく

のに苦慮してきました。

家庭用ミシンの世界では20種類くらいのパターン縫いや、まつり縫い、

ボタンホール、キルティング縫いまでコンパクトなミシンの中に

あらゆるニーズに応えられる技術を詰め込んで販売していますが、

工業用の場合、耐久性と効率重視で一台二役的なものは珍しく、

例えば、ボタンホールなら専用機で100万以上の価格になります。

もともと工場用に開発されたミシンですから、一日10時間のフル稼働

にも10年以上も使用できるものですから値段も張ってしかたないと

思いますが‥、工業用ミシンはその分、非常に不器用なミシンでもあるのです。

したがって私は購入者のニーズをよく聞き出して、漠然とした革用ミシンの

イメージを絞り込んでもらいます。

もっとも価格も大事なファクターではありますが‥。その意味でもっとも

オールマイティでリーズナブルなのは17ミシンではないでしょうか?

革を縫う事にはどちらでも良いのですが靴職人さんが使う18ミシンでは

鞄が縫いにくい、鞄屋さんが使う17ミシンでは靴が縫いにくい、

縫う糸の番手はここからここまで、ピッチはここまで‥、

この作業なら上下送りミシン、傷がつきにくい総合送りタイプはこうです、などなど。

どのミシンがいいか悪いかではなく、どの特徴を一番有効にしたいかで

選択が変わってくるのです。

それぞれの特徴や作業性などメリット、デメリットを丁寧に説明して、

何かを犠牲にしながらやっと一台のベストチョイスが決まるのです。

せっかく購入したミシンを永く使ってもらうためにも不器用な工業用ミシンの

特徴を納得してもらうことが重要と考えているのです。

革用ミシンの購入を考えている方がいたら、先ずじっくり話しをしてみませんか?

ミシン屋さんと。できるなら10年20年先の将来の展望まで聞かせてもらい、

それに沿った永いお付き合いができたらいいと思っているのです。















Last updated  Aug 12, 2006 01:19:44 AM
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Jul 12, 2006
カテゴリ:ミシンの事
ポストミシンが世界で靴製造のスタンダード機になっているところ

まで、前回書きましたが、今回は別の角度から話してみましょう。

先ず、一言でポストミシンと言っても実にたくさんの種類があります。

釜の大小、送りの方式、1本針、2本針、右釜、左釜、自動糸切付き、

サライメス付き、返し縫の有無などそれぞれに説明する気にもならない

ほど、多岐に渡ります。面白半分にメーカーが作ったわけでもなく

それぞれが縫製物とベストマッチするためにこうなったわけです。

靴以外で使われるポストミシンではいわゆるハイポストとという

筒のながーい物があります。アタッシュケースのような鞄のマチを

ぐるりと縫うのに445mmもあるポスト部のものです。

また、ポスト部が倒れたり、回転して箱状の奥まで縫うことのできる

手品のようなものまであります。詳しくは省きますが、

とにかくいろいろあるのです。

話を靴用ポストミシンに戻しますが、昔は18種信者の職人さんから

見れば邪道でミシン目も劣るとされていたポストですが、

量産体制となると18種と比べ、下糸が多く巻ける、スピードが出る、

高速で振動が少ない、ブーツのような長尺物が縫いやすい。

などの理由から工場向けとしては合理的でベターな選択となった

のであります。

厚物ミシンにも関わらず高速でしかも糊や芯が入ったり張り込み、

重なりも多く、薄いところから急に厚くなったりする条件が悪い

環境下で更にできるだけ細い針で縫製しなければならないのです。

ここにミシン屋さんとしては泣きが入るのであります。

高級婦人靴などは#40の糸で#9の針があたりまえの世界で

アパレルのミシン屋さんから見れば調子が悪くて当然です

と笑われそうなのが現実です。

スピードを出せば複雑で連結部の多いポストミシンは

あちこちでガタが出たり磨耗が起こります。

縫製の現場ではポストミシンのメリット生かし合理的生産のため

ミシンの性能に作業を合わすのではなく、作業にミシンの調子を

合わせなければなりません。その為に私もどれだけ場数を踏み、

苦悩したことか‥‥。

ところがこの量産のニーズが、ミシン屋の技術を高め、現在の

メンテに対する自分の自信になってきたのです。

つまり、18種に変わってのポストミシンの台頭は

ミシン屋の私から見れば‥、

厳しい環境に打ち勝つ力を身に付けさせてくれたミシンと

いえるのです。






Last updated  Jul 13, 2006 01:38:11 AM
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Jul 11, 2006
カテゴリ:ミシンの事
ミシンの形状が数ある中、ポストミシンというカテゴリは今では

靴縫製に関わる人しか聞いたことがないのではないでしょうか?

私の会社で販売している主力機種なんですが‥。

ポストで思い出す笑い話があります。

初めてウチに来たお客さんからポストミシンの修理を預かった時のこと、

修理が終わって聞いておいた連絡先に電話したところ留守電になっていて

何度かけ直しても繋がらないのでその留守電に伝言を入れました。

「もしもし、○○さんでしょうか?お預かりした”ポスト”。

 できましたので取りに来ていただけますか?‥」と。

後にこの電話番号が間違えだった事を聞いて、留守電を聞いた人のリアクションを

思い浮かべるとおかしくてたまらなかったのでありました。

郵便ポストの塗り替えでも頼んだのか、はたまた郵便局と間違えてるのか、

奇怪な留守電に戸惑う姿が目に浮かびます。

‥前置きはこれくらいにして、

確かにミシンの作業部分が郵便ポストのように細く立ち上がっているので

ポストミシンということになったようです。

多くのミシンの淵源と同じでポストミシンもアメリカのシンガー社が51Wという

型で世に出したのが始まりのようです。

何故、ポストが必要だったのかといえば、ドーム型や立体物の縫製には

平ベットや腕型のミシンでは不自由であったからであります。

立体物とは、たとえばブラジャーやカツラ、帽子などがあります。

カツラの作り方も面白いので後日このブログに書きたいと思いますが、

いずれにせよ、縫製物をつぶさずに縫いたいのでポストミシンが開発されたと

言われています。同じ立体物の縫製ということで靴にも使われるようになり

ここ30年くらいで腕型の18種にとって変わって靴縫製の主力の座に

登っていったのであります。

日本の歴史では靴といえば、18種、鞄といえば17種で戦後のそれぞれの産業を

支えてきました。今でもやっぱり18がいい!という根強い人気が残っていますが‥。

一方、欧州では早くから靴縫製にポストミシンを使用したようで

それに習った日本の古い靴メーカーの工場などには50年前くらいのドイツ製

ポストミシンがいまだに存在しています。

現在では中国でさえポストミシンが主力で18種は使われる事がほとんどないようです。

唯一18種を製造しているミシンメーカーのセイコーの人が言うには

18種は国内しか売っていません。輸出なし!との話なので

現在の世界基準でいうと靴縫製にはポストミシン‥といえるのではないでしょうか?

                             ‥‥その2へつづく







Last updated  Jul 12, 2006 01:06:04 AM
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Jun 21, 2006
カテゴリ:ミシンの事
方ミシンというミシンをこの間、販売しました。

このミシンを見ると思い出す人がいるので今日はそれを書きたいと思い立ちました。

前にもこのブログで触れましたが、八方ミシンとは四方八方に縫うことができるので

付いた名前であります。普通のミシンは縫製物を手前から先に動かして縫製するものですが

八方ミシンは品物を動かさず運針がどの方向にも向いてしまう便利なミシンです。

主に靴修理や武道具、スリッパなどの縫製に今でも活躍しています。

もちろんウチの場合は靴修理に使うお客さんが多いのですが…。ミシン頭部だけ有れば

コトコトと手回しで仕事ができるシンプルかつフレキシブルなミシンだったのです。

ころで、先ほど言った思い出す人の話ですが、私が20代ころよくウチの会社に顔を出しては

何かとお節介をする”おじさん”がいました。

当時既に80歳近かったと記憶していますが、相当古い靴職人で、昔話をよく聞かされました。

なんでも、日露戦争の時代から靴を作っていたそうで、銃剣の替わりに八方ミシンを

肩からぶら下げて戦場を走り回り、軍隊の靴や衣類などを修理していたというのです。

たしかに戦場の前線では軍隊の衣食住をフォローする役割が不可欠だったとは思いますが

ミシンなんて平和産業の象徴のような機械が銃弾をくぐりながら、野戦で活躍していたこと

を思うと意外に感じます。でも、きっと軍人さんたちからも感謝されていたのではないでしょうか。

私は実際には見ていませんが、八方ミシンを見るたびにそのおじさんが、歩兵部隊に混じって、

真っ黒になりながら八方ミシンを担いで走っている姿が、脳裏に浮かんでしまいます。

となってはもう一度詳しく話を聞きたくても聞けなくなりましたが、昔は…、

ミシンと職人さんは今よりずっとありがたいものだったんではないかと思うのです。




























Last updated  Jun 21, 2006 05:08:49 PM
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Jun 1, 2006
カテゴリ:ミシンの事
漉き機‥。こんなマニアックな機械はそうありません。

何をするために必要なのか、どのように使うのか、革加工のプロの業界では

ミシンの次に必需品ですが一般的なレザークラフトレベルではお目にかかることも少ない

機械なのです。

工業用ミシンのお店で販売していることすら、一般人には知られていないようです。

そこで今日はこの皮スキ機を語ってみましょう。

私も皮スキの沿革など古い事はわかりませんので、業界の年長者の方に聞いてみたのですが、

戦前からあったようでおそらくアメリカのシンガーミシンか、ドイツ、イタリアあたりで

今の原型モデルが始めて製造されたのではないか、ということでした。

ちなみにミシンの場合のほとんどはシンガーが淵源になっている場合が多く

日本製メーカーはシンガーから見れば概ねコピー品ということになります。

ともあれ、ミシン同様、皮スキも戦後になって国産機械メーカーも外国製をコピーする形で

発展してきたといわれています。

現在でも一番有名でスタンダードなニッピ機械の皮スキをはじめ、ナカジマ、スモリバ、

ニューロング、ニシヤマ、ドイツのフォーチュナーなどのメーカーがありました。

そういえば、セイコーミシンでも作っていましたね。

今、残っているのはニッピとフォーチュナだけでしょうか。

他に比べて高価でも古い皮スキ専門の職人さんなどはニシヤマの機械をよく使っていたりして、

頑強で無骨なデザインかつ高い精度の逸品としてプロから高い評価をうけていたようです。

しかし残念なことに5年くらい前でしょうか、ニシヤマ機械は完全廃業してしまいました。

さて、何故、革加工に皮スキ機が必需品なのかというと‥

皮製品は靴、鞄、財布、など、切りっぱなしの裁断面ではなく縁を折り曲げて(折込という)

作るものが多くあります。

生地と違って元々厚みがある革の縁を折り曲げようとしたらゴワゴワしたものが

出来てしまいます。そこで折る前に縁先を薄く”漉く”ことが必要なのです。

また、薄くしないと丸くカーブを折り込むことは不可能なのです。

あまり一般人は気にも留めない事ですが、自分の靴なり財布なりをしげしげ見ていただければ

皮スキ機がいかに多く使われているかがお分かりでしょう。

皮スキ機械を使わず包丁一本でこの作業していたツワモノ靴職人さんも私の記憶には

ありますが、皮製品の魅力あるディテールを影で演出しているのが、

皮漉き機械だったのです。感謝、感謝。






Last updated  Jun 1, 2006 11:06:05 PM
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May 15, 2006
カテゴリ:ミシンの事
用のミシンと言っても底材を縫製するもの

ではなくて、製甲(靴のアッパー)部分の縫製用としては、日本で一番多く使われていたのが18種ミシンでしょう。

靴職人さんたちから見れば当たり前ですが、このミシンは他のすべてのミシンと違い、手回しプーリーが

左側にあります。普通、家庭用も含めてほとんどのミシンが右プーリーで回転は上から下、手前に回すものですが、

左プーリーで下から上、向こう側に回転させるミシンなのです。

ちょうど普通のミシンを裏側から使っているような感覚でしょうか。

古い靴職人さんは17ミシンを逆ミシンと呼んだりしますが、あなたが逆なんです!と教えてあげましょう。

ともあれ18種ミシンが誕生したのはその前身の17種では使い勝手が悪かったからなのです。

ちなみに17種の前には筒型ではなく平ベット型の16種というのがありました。

18は靴のアッパーのような輪になったものの縁を縫製するのに筒の部分にアッパーをスポッと入れて、

品物を安定させながら縫製できる形になっています。

17ミシンで同じ作業をしてみると針のすぐ左で縫製物を押えている所からスパっと筒がなくなり

不安定なのです。逆に鞄のように縁を2枚合わせてつまんで縫製するような場合はこのように

左に筒が無い方が縫いやすく、取り回しも楽なのですが…。

靴の縫製は糸も細く、1mmのキワ縫いやカーブ、角縫いなど繊細なステッチが多いので、

品物が安定して、尚且つ左手首から腕を筒部分に乗せて、人間も安定できることが

その昔、デビューした18ミシンの最大の利点であったのでしょう。

厚物縫いで17種の良いところを継承しつつ、靴向きに改造した18ミシンは戦中、戦後の靴産業を

ささえる日本独自のミシンになったのです。       …つづく






Last updated  May 15, 2006 06:23:55 PM
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Dec 17, 2005
カテゴリ:ミシンの事
某有名靴メーカーの工場から譲ってもらった、ちょっと珍しい道具をご覧にいれましょう。

これは何だ!と思う人がほとんどでしょう。

この靴型のようなものの名前は「ハリウマ」といいます。

靴の型にしてはデップリと大きくて、つま先も無くしかもカマボコじゃあるまいし

板に乗っています。

本体も木製のものも有ったと思いますが、これは鉄製で50~60年前に

製造された「ハリウマ」です。

普通の「ウマ」というと靴製造の道具として靴のカカトなどのアールに合せて

縫い合わせた(縫い割という)所を叩くための木型を言います。

ウマに靴の縫い合わせたカカト部分を置き、ハンマーで叩くことで

足首からカカトまでのラインがきれいにでるのです。

この叩かれる木型のラインが馬の背のようなので「ウマ」なのです。

さて、それでは、ハリウマは何かというと…貼るためのウマなのです。

貼るためになぜこんなものが必要なのか?

紳士靴の外羽根式のヒモ靴などで、ハリウマの上で、

つま先部の甲革と本体を立体的に仮止めして全体のラインや仕上がった時の

センターなどの位置決めするのです。

ハリウマに合せておいた形状のまま貼り付けて、後でミシンをかけることで

足の甲の丸みに合ったふっくらした立体縫製を可能にしているのです。

古い高級メーカーでは必ずこんな一手間をかけ、靴を仕上げていたのです。

もし、ハリウマなしに平らな作業台でペタペタとパーツを貼り付け叩くと

直線的なアッパーが出来上がり、それを無理に木型に入れて釣り込み技術で

カバーしなければなりません。まぁ、革は伸びるので何とかなってしまうのですが…。

ハリウマのようなけして一般人の目に触れることもないけれど、物作りに

欠かせない技術や道具はたくさんあります。

こんなこだわりがだんだん姿を消してしまうのが残念ですね。











Last updated  Dec 17, 2005 07:25:48 PM
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Dec 6, 2005
カテゴリ:ミシンの事
私の会社では「GLORY」というブランド名で

皮革機械を製造しています。

写真は革に糊を塗布する機械ですが、

先代が35年ほど前に考案して今日まで

製造している商品です。私が子供のころ、

父が洗濯機の横に付いていた手回しの脱水機

(ゴムのローラーではさんで水分を絞るもの)をクルクル回しながら、

何やら研究して、寝床で図面を書いていたのが思い出されます。

試作から何度か手が加えられ家内工業で扱えるコンパクトな機械として

昭和42ころ世にデビューしたのです。

当時、革に糊を塗る機械は他にもあったのですが、厚みが薄く

折込みしろを漉いてある靴製造に適したものが無かったのでした。

この機械は糊が薄く塗布できシリコンゴムの上ローラーが段差のある

素材でもきれいに塗布できるよう設計されていたので、関東から以北の

高級靴業界には多く使われるようになり、グローリーの糊付け機はスタンダードに

なりました。現在は5代目の機械に生まれ変わっていますが、基本は変わらず

職人さんたちの必須アイテムとなっています。

昨年は自動車シート関連の中国工場向けで塗布幅600mmに改造して

送り出しました。

感慨深いのは、もの作りを続けていると世代や地域を超えて後世に受け継がれてゆき

一人の考案者がまさに栄光(GLORY)の足跡を残せる事ではないでしょうか。









Last updated  Dec 6, 2005 12:55:26 PM
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Nov 10, 2005
カテゴリ:ミシンの事
セイコーという名前を聞いて、時計のセイコーを思い浮かべる人は

多いと思いますが、これが全く別の会社なのであります。

セイコーミシンは現在の会長で平松誠氏が昭和17年に創業した、

工業用ミシンのメーカーなのであります。

特に厚物用というカテゴリのミシンでは世界屈指のブランドとなっており、

靴、カバン、自動車シートテントから家具、バフ、パラシュートのような

特殊な厚物まで世界の製造現場で愛用されているのです。


SEIKOとは「成功」「精巧」または靴のアッパーを作ることをいう

「製甲」から命名されたのかと思いきや、聞くところによると

創業者の平松まこと氏が青年時代に「誠」の名を「せいちゃん」。

年上の先輩からは「誠コウ」「せいこう」「セイコー」‥セイコーミシン。

というのが真実だったとか?ホントかどうかは本人に聞きにくいのですが

下町らしい親しみ易さがあってなぜかストン!と納得できませんか。

                 seiko18
                 セイコーTF(#18種)

最近は国内の需要はめっきり悪く全体の95%は海外輸出だそうです。

あまり売れない特殊厚物ミシンは他のメーカーではどんどん廃機種にしていく中、

セイコーはメイドインジャパンを作り続けています。

18ミシンのように国内しか需要のないミシンでは国産最後のブランドです。

最近は手作りブームで学生さんや若者が工業用ミシンを購入することも増え、

一部の縫製業者など、知る人ぞ知るミシンメーカーから徐々に一般の社会に

知られるようになってきたのも新たな時代の流れを感じます。

本社は私の会社のすぐ近くにあって毎日のようにパーツなどの仕入れに

行き来しています。うちもセイコーミシンの代理店として多くのミシンを

今日まで販売させていただき共存共栄してきました。


これから次の世代の人たちが物作りができるため、まだまだ頑張ってもらい

たいと思うセイコーミシンなのであります。

        セイコーミシンURL:http://www.seiko-sewing.co.jp/#














Last updated  Nov 10, 2005 11:32:31 PM
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