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2010年12月27日
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カテゴリ:まちづくり
月刊ホテル旅館2011.1
柴田書店の月刊ホテル旅館。

■柴田書店HP
http://www.shibatashoten.co.jp/
業界の老舗雑誌です。

最新号2011年1月号の、

《新年号大特集》
宿泊業界を代表する経営者123人年頭所感「新年展望」
―― 2011年の経営指針と戦略を語る


に当社が掲載されました。

この年頭所感には8年前から毎年寄稿依頼を頂いておりまして、締め切りに間に合くて不掲載の年もありましたが、ほぼ毎年掲載して頂いております。

年頭所感特集は宿泊業界を代表する経営者さんの考え方がよく分かるので毎年参考にさせて頂いております。時間をかけて熟読させていただき、大いにヒントを頂いております。

毎年行っている作業なのですが、全寄稿を拝読して業界を代表する経営者達が考えている経営指針と戦略のポイントはどこか集計しました。

具体的には、以下のポイントに文章の中でどの程度触れられているのか。

「顧客満足」「人材教育」「売上販売」「設備投資」「コスト管理」「まちづくり」

文章の中で触れられていたら1ポイントと集計し、その結果を円グラフにしてみました。(※あくまでも寄稿文を元にした個人的な分析に基づく個人的見解です)
ryokan2011.jpg
ホテル

業態によって、経営施策でどこにポイントを置いているか一目瞭然です。

旅館では「満足度」と「社員教育」がホテルに比べて低く、非常に驚きました。

さらに「コスト管理」を重視し、縮小再生産を余儀なくされているように見受けられます。

もっといえば、「まちづくり」に対して異常に多く言及しておられるのが分かります。

確かに、寄稿されている旅館経営者さんには地域の旗艦店が多いため、仕方ない部分もあるかなと思いました。こういった旅館さん多くは行政や地域と「まちづくり」をせざるを得ない立場にあり、都市型ホテルさんとは少し異なります。しかしこの数値はあまりにも高いと感じます。

一方、ホテルでは「満足度」と「社員教育」「売上販売」に重点的に取り組まれており、拡大再生産的な経営指針と戦略を多く取られていると感じました。

いわゆる「ホスピタリティ経営」を掲げて、顧客満足を最優先課題としてあげられておられます。

旅館とホテル。

同じ宿泊業とはいえ多くの差異がありますが、経営についても大きな差があります。

旅館は所有と運営が同じ、かつ小資本の中小企業です。
ホテルは所有と運営が分離され、かつ大資本の会社が多いです。

旅館経営者の多くはMBAなどの専門的な経営の勉強をせずして、若くして旅館の後継ぎとなり、会社の所有と運営を行っています。

ホテルでは経営理論を身につけた人材が経営陣に座り、かつ人材育成もしっかりとしております。

資本力の差と言えばそれまでですが、我が旅館業界も旧来の考え方・やり方を大きく変えなければならないと、この円グラフを見て感じました。

また、以下は小生が調査した平成元年(1989年)から20年間の施設数年次推移をグラフにしてみました。
【出典:平成21年度衛生行政報告例結果の概況及び生活衛生関係営業施設数の年次別推移】

2009までの20年施設数

ご覧の通り、旅館数は前年度比1879軒減の48,966軒となり、ついに5万軒の大台を割りました

77,269軒あった旅館は48,966軒になり、実に63.4%に激減

一方、ホテル数は4,970軒から9,688軒になり、195.0%と約倍増しております。

さらに、施設数では未だに5倍以上の差がある旅館とホテルですが、客室数では初めて逆転、ホテルが旅館を上回りました

■参考:観光経済新聞社:
観光行政 ■第2584号《2010年11月6日(土)発行》旅館軒数、ついに5万軒割れ 厚労省調べ
http://www.kankokeizai.com/backnumber/10/11_06/kanko_gyosei.html#01
マーケティングの志向がターゲット市場のニーズやウォンツを明確にし、それを満たすことを重視する「マーケティング志向コンセプト」の考え方からすると、我が業界がホテルに押されているのも上記のグラフで分かるような気がします。

ものの本によると、何に重点を置くかという企業の戦略や方針が変わって来ました。

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テイラーによる生産現場の効率を中心とした「生産志向コンセプト」から始まり、良い物は売れる(はずだ)という考えの下、良い製品を作ることにエネルギーを集中する「製品志向コンセプト」、そして作ったものをいかに売るかを重視する「販売志向コンセプト」を経て、ターゲット市場のニーズやウォンツを明確にし、それを満たすことを重視する「マーケティング志向コンセプト」へと変遷が見られてきました。今では、CSR(企業の社会的責任)等に見られるような、企業の利益だけでなく消費者のより良い満足や社会の利益の調和を図っていく「社会志向コンセプト」へ移ってきていると言われています。
引用:「通勤大学MBA1マネジメント」マーケティングコンセプトの変遷
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業界の経営指針が明確に分かれた、月刊ホテル旅館「宿泊業界を代表する経営者123人年頭所感」でした。

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Last updated  2012年10月05日 09時46分50秒
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