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Tapestry

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The Usual Suspects

「ユージュアル・サスペクツ(The Usual Suspects)」 2005-05-04

【ネタ・バレバレ】
*なぞ解きが面白い映画なんで、これから観る人は読まない方がいいです。*


タイトルの意味は「常連の容疑者」。
たまたま同じ容疑で捕まった5人の前科者が、釈放された後にチームを組んで、強盗事件を起こす。
それをきっかけに、伝説の人物「カイザー・ソゼ」と言う謎の男に操られる事になる。
5人がそれぞれ、ソゼに弱みを握られ逆らえなくなり、段々とドツボにはまっていくことになるのだ。

5人の中で、ただひとり生き残ったヴァーバル(ケビン・スペイシー)が語り手となって、
物語は展開していくのだが、ちょっと物語の前後関係がややこしかった。
セリフなどが難しくて、解りづらかったのもあるのだけれど、
この様に時間軸を変えて展開していく構成の映画というのは、と言うのは
別に珍しいことではないのだけれど、英語で観るぶんには、理解するのに本当に苦労する。
(T_T)
こういう時は、日本語訳が欲しいなぁ~と切に願う瞬間である。

この映画の魅力はいくつかあるが、一番好きなシーンはラストだろう。
まず、ヴァーバルの取り調べを終えて一息ついた刑事が、
コーヒーを飲みながら全てを理解するシーン。
スローモーションでコーヒーカップを落とすところは、彼の心情がとても上手く表現されている。
その後、警察から釈放されて歩きながら実態を表していくヴァーバルの様子なども、
実に上手い演出である。

そして何といってもこのユージュアル・サスペクツの5人がいい味を出している。
それぞれの個性もさる事ながら、追いつめられて段々と表情が強張っていく様子なども面白かった。
若いベニチオ・デル・トロも可愛かったが
(でも「21グラム」の太って歳食ったトロの方が好きだけど)
いかにも2枚目、キートン役のガブリエル・バーンがかっちょええ~!
ちょっと田村正和風ではあるが、渋くてイヤミがない。
愛する女性を守ろうと、ヴァーバルに最後の頼みをするところなんかもすごく良かった。
ワルなのに、品の良さそうなファッションもとてもサマになってたし。
(余談になるが、このガブリエル・バーン、「デッドマン」で
ジョニー扮するウィリアム・ブレイクに殺される役を演じている。
この中ではいかにも女たらし風であった記憶が。^^)

好みの問題になるが、ケビン・スペイシーと言う役者は、どうも生理的に嫌いなタイプだ。
もちろん役柄のイメージもあるし、こういう嫌な役をやらせたらピッタリ、と言う事もあるんだけどね。
このヴァーバル役も彼にピッタリ。
見た目は真面目で気弱で目立たないが、実は冷酷で頭のいい犯人役と言うのが、
ハマリすぎるぐらいハマッていると言うのか。
だからこそ、いい役者であると言えるのだろうが、身近にこういう人がいたら、
さぞ気持ちワルイ事だろう・・・。
「セブン」で観たときから、もう視覚的に受け入れられないのかもしれないけど・・・。
あれは暗すぎて救いようがなくて、気持ち悪すぎる映画だったからなぁ・・・。
とはいえ、彼の出演する作品をもっと観たくなったのが正直な気持ちではある。


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