以前、本ブログで歯について記事を書いたときに歯周病について軽く触れたのですが、程度の差はあれ、成人の 8 割が歯周病にかかっていると言われていることを考えてみても、決して無視できる問題ではありません。
毎日きちんと歯を磨いているつもりでも、歯間や歯茎の付け根に残った食べカスが原因で知らぬ間に歯周病が進行していることがあるので、日頃から念入りにケアをしていく必要があります。
以前も申し上げましたが、まずは虫歯を治療することです。
虫歯も歯周病菌も細菌によるものですから、そういった細菌が少なければ少ないほど口内の健康は保たれます。
日頃口臭が気になる方は一度歯科医院で歯周病チェックをしてもらうことをお勧めしますが、自宅でも手軽に歯周病チェックをすることができます。
手軽にできる歯周病チェック
自分が歯周病にかかってるかも?と思う方は、以下をお試しください。
とても上品な方法とはいえませんので、
一人で自宅にいるときなどにコッソリ、コソーリとお試しください。
- 歯と舌を念入りに磨き、20 分ほどしてから手の甲を軽くなめてそのニオイを嗅ぎます。もし生クサいニオイがしたら、歯周病菌が住み着いている可能性が高いです。
- 次に、清潔な指で歯茎の付け根のあたりを一本一本触れながらニオイをかぎます。特に強いニオイを放つ歯の付け根が歯周病がかなり進行している証拠です。
日ごろより、歯を磨くたびに出血していたり、歯がグラついている方は、大切な歯を失わないようにするためにも、先に歯科医院で適切な処置を取ってもらうことが大切です。
ただ、少しニオうくらいの程度ならば、以下に述べるような方法で自宅で十分ケアできます。
初期の歯周病は自宅でのケアがモノをいうのです。
毎日の歯周病ケア
歯周病も毎日のケアで劇的に改善していきます。歯周病菌の住みにくい環境を常に心がけることによって、弱った歯ぐきが少しずつ強くなっていくのです。
以下、自宅でできる歯周病ケアについてまとめます。
- 水で丁寧に口をゆすぐ
食後すぐに口をゆすぐだけで、歯や舌についた食べ物の残りカスの殆どを洗い流すことができます。歯間の汚れを洗い流すイメージで強めにゆすぎましょう。
- デンタルフロスで歯間の食べカスと歯垢を取り除く
やわらかめのデンタルフロスで歯間や歯の付け根の食べカスと歯垢を丁寧に絡め取ります。
歯ブラシだけでは取れないカスが出てきますので、デンタルフロスは怠らないようにしましょう。
歯間ブラシについては賛否両論あるようですが、歯ぐきが傷つくのと歯間が広がるおそれがあるという理由から、私が通っている歯科医院ではすすめられていません。
デンタルフロスでも取りきれない歯間の汚れを歯間ブラシですっきりさせたいという方は、歯と歯ぐきへの安全性を考えて、ゴム製のものを使うと良いでしょう。
歯周ポケットにたまった歯垢や食べカスをジェット水流で洗い出す電動歯ブラシも、使い方に少々コツがいりますがお勧めです。
- 丁寧に歯を磨く
歯ブラシはヘッドが小さく、また一番柔らかいものを使うことをおすすめします。
電動歯ブラシは歯へのブラシの当て方にコツがいるため、歯周病ケアに慣れるまでは時間をかけて手で磨く方が良いでしょう。
ブラシの当て方をまちがえると歯や歯ぐきを傷めるだけでなく、歯ぐきがすり減ってしまうからです。
すり減った歯ぐきは再生しませんので、日ごろからの正しいブラシ選びと適切なブラッシングが大切なのです。
個人的に私がお勧めしたいのは、G.U.M #202M と V-7 歯ブラシです。

ともにヘッドが小さいので、丁寧に歯を磨けますが、G.U.M #202M はクロスで歯を拭くような感覚が得られ、V-7 はつまようじ法という方法で歯間の汚れを効果的に取り除くことができるだけでなく、使っていくうちに歯ぐきが丈夫になっていきます。
次に歯磨き粉ですが、市販の歯磨き粉の多くには発泡剤、研磨剤、保存料、香料など、「純粋に歯を磨くだけ」の目的には不要な成分が多く含まれています。
また、歯磨き粉を使えば歯が綺麗になるという先入観から、歯ブラシに歯磨き粉をつけなければ歯を磨けないと思っている人もいるかもしれませんが、唾液そのものに除菌作用があるため、基本的に水だけで十分に歯を磨くことができます(私も歯磨き粉を使わずに歯を磨くことがよくあります)。
歯にブラシを当てるときは表面をなでるように小きざみに歯ブラシを動かしながら、ていねいに一本一本磨きます。決して力を入れず、歯ぐきと歯の隙間にも軽くブラシが当たるようにします。
しかしながら、水だけで歯を磨いていると、日を追うごとに歯が黄ばんできます。これは、食べ物に含まれる色素や茶渋によるもので、実はこのように黄ばんでくるのが正常といえます。
市販されている歯磨き粉を使って歯が白くなるのは、その研磨剤によって毎日歯の表面をやすりのように削っているようなものなのです。
普段磨きは水だけで行い、一週間に一回程度粗塩をひとつまみ歯ブラシに取って歯を磨くと、塩の結晶で研磨効果が発生し、歯の黄ばみを取ることができます。
ハーブを使った歯周病ケア
ハーブはその強い香りから、料理や入浴剤として使用できるほか、消毒(殺菌)、消化促進、血行促進など、すぐれた薬効を示すものもあります。
我が家では料理用として様々なハーブを栽培していますが、今回はその中から歯周病ケアに有効といわれるセージとカモミールを紹介します。
写真左が今年 6 月に収穫して乾燥させたカモミール、右が昨日庭先で摘み取ったセージの葉です。
セージは昨年購入した種のうち一つだけが発芽したのですが、今年株分けをして植え替えたところ 5 株になったので、その繁殖力を考えれば一度植えておくと大変お得なハーブだと思います。
カモミールは今年 3 月頃にまいたものが 5 月下旬より開花し、その後 7 月中旬まで花を収穫しました。夏が本格化すると花が終わって枯れますが、いくつか花を残しておけばそのこぼれ種で秋に発芽してまた花が咲きますので、一度種をまいて水やりを忘れなければ何度でも楽しめますので、こちらもお得感がありますね。
セージのつかいかた
セージには強い殺菌効果があるため、口臭を抑えることができます。
また歯を白くする効果があると言われています。高級薬用歯磨き粉に配合されていることもある薬用ハーブです。
ここでは、セージの歯を使った歯周病予防の方法を二つご紹介します。
- 生葉を使って葉と歯茎をマッサージする
葉を磨いた後にセージの生葉を指に取り、擦りつけるようにして歯と歯茎を一本一本マッサージしていきます。口の中がサッパリとし、口臭予防になります。
- 乾かした葉でセージ歯磨き粉を作って磨く
セージの葉を乾かしたものをすり鉢ですり下ろし、そこに炒った粗塩を加えるとセージ歯磨き粉ができます。
これを歯ブラシに少量取り、歯と歯茎を一本一本丁寧に磨いていきます。
殺菌効果、塩による歯茎の引きしめ効果、口臭予防、歯を白くする効果が期待できます。

カモミールのつかいかた
カモミールもセージと同様に高い殺菌効果を発揮するハーブとして知られており、カミツレという和名で歯周病予防歯磨き粉に配合されていることがあります。
- カモミールの水歯磨き
カモミール小さじ一杯に熱湯大さじ 2 杯を注ぎ、濃い目のカモミール液を作ります。
これを歯ブラシに含ませ歯と歯茎をマッサージするように磨いていきます。
殺菌効果、口臭予防が期待できます。
- カモミールのマウスウォッシュ
1. の残りの液に少量の水を足し、噛むようにして口内全体に行き渡らせ、通常のマウスウォッシュと同様にうがいをします。
さわやかなカモミールの香りが口全体に広がり、歯周病予防、口臭予防になります。
カモミールティには精神を落ちつける効果もあるので、就寝前に一杯飲むとぐっすり眠れて疲れがとれます。ストレートでも美味しいですが、ミルクにも良く合います。
カモミールの栽培はとても簡単なので種から育てることをおすすめしたいですが、ガーデニングが苦手という方は、以下のような乾燥カモミールを常備しておくと大変便利でしょう。
今日から始める口臭・歯周病対策