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ショップハンター

ショップハンター

2014.05.30
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テーマ:クレーム(10)
カテゴリ:元気が出る話

 普段の行きつけとは違うスーパーに行った母の話をしましょう。
 数点の小物の会計が終わったときに、袋は必要かと尋ねられました。


「レジ袋は有料ですか?」

 と尋ね返すと無料とのことだったので、ありがたく頂戴することにしました。
 そしてその場を立ち去ろうとしたときに、担当のレジ係と同僚のヒソヒソ話が聞こえてきたのです。


「普通レジ袋が有料なんて聞く?ケチくさい。」

「ホント、ホント。ありえないよね。」


 明らかに彼らはそこに居合わせた母のことを話題にしていたのです。
 母は悶々とする気持ちを引きずったまま一旦は出口まで進みましたが、どうにも腹の虫が収まらず、例のレジ係のところに引き返して叱り飛ばしました。

anger


「あなた、さっきレジ袋のことで私のことを悪く言いましたよね。」

 ようやく自分の立場に気づいたらしいレジ係。

「あ、いえ、決してお客様のことではありません……。」

「レジ袋が有料かと聞いたのは私だけだし、他に客はいなかったでしょ?どう考えたって私のことじゃないの。
 誰が聞いているかわからないようなところで客の悪口を言うなんておかしいでしょ?本当に気分が悪いです!」


 母はそう言い捨ててそのスーパーを出たらしいです。
 そこで、それで気分はすっきりしたのかと尋ねたところ、全然という答えが返ってきました。


直接感情をぶつけるだけでは効果は薄い



 人は自分が客になった場合、得られて当然であろうサービスを受けられなかった場合に、実にいろいろな方法でその不満を解消しようとします。
 家族や知り合いにグチったり、ネットに書き込んだり……。

 その中でも最も効率がよいのが直接担当者に苦情申し立て(クレーム)を入れることですね。

 クレームを入れることによって、以下のような効果が得られます。

1. 店側の落ち度なら、早急に対応してもらう。
2. 同じようなことが繰り返されないようにアドバイスする。


 イライラとした気持ちを相手にぶつければ、自分の言い分を多少は正当化できたことや、「してやった」という満足感は得られるかもしれません。
 しかしこの方法は相手の気持ちを傷つけて逆上させることにもなりますので、あまり乱用はしない方がよいでしょう。


 感情的にクレームを入れるやり方は、それが最も対時間効果が高いと判断された場合以外にはおすすめしません。
 自分が逆の立場だったらかなり精神的ダメージが大きいでしょうから、本来は人にされてイヤなことはしない方がよいのです。

 今回はこのような些細(?)なことから釣り銭の渡し間違い、返品などに応じない店員に対し、冷静に、かつスマートにクレームを入れる方法を簡単にご紹介します。


重要:
 冷静さを欠いているうちは、クレームを入れてもよい結果は得られません。
 本来は店と客は対等の関係ですから、内容によっては店側は客の要求に応えられない場合もあります。
 そこまでやる必要があるのか?と自分でブレーキがかけられるのであれば、その前で止めるべきであることは言うまでもありません。
 また、行動次第ではモンスタークレーマー扱いになりますので、その辺のさじ加減にはどうぞお気をつけください。


ステップ 1: 直接担当者に働きかける



 客の口コミ力を侮ると、最後に泣きを見るのは店舗側です。
 良い噂も悪い噂もあっという間に広がっていきますから、店舗側の人間は客の前に出たら店の顔として対応しなければなりません。

 母の例の場合は、店員が誠意をもって謝罪すれば、それでほぼ解決とみてよいでしょう。
 謝罪するどころか逆上したり、あなたを攻撃するような発言が認められた場合は、その担当者の名札を確認して、背格好を記憶します。

 名前をメモ帳に書く素振りをすれば、慌てて謝罪してくる可能性もありますので、その状況に応じて次の段階に進むかどうかを決めるとよいでしょう。

ステップ 2: サービスカウンターに働きかける



 応対する気のない担当者は相手にするだけ時間の無駄ですから、サービスカウンターに行きましょう。
 そこで売り場、担当者の名前とともに、問題点と希望する解決策を伝えます。

 この際に、サービスカウンターの担当者から改めて謝罪とともに、しかるべき対応が得られたのなら解決とみてよいでしょう。
 そこでもあなたに対し問題のある態度を取ってきた場合は、ステップ 1. と同様に担当者の名前と背格好を記憶し、必要に応じてメモを取ります。

ステップ 3: 支配人に働きかける



 最初の担当者、サービスカウンターの担当者、それぞれの情報とともに、問題点を支配人に伝え、しかるべき応対を要求します。
 通常であれば、取るに足らない内容なら、丁重な謝罪の言葉をもらえることがほとんどです。
 また、釣銭ミスや返金問題等も、店舗側の落ち度あれば、謝罪の言葉とともに返金にも応じるはずです。

 支配人に担当者の名前を告げることによって、件の担当者が注意を受けることになりますので、長い目で見て問題の再発防止にもつながります。

 しかし、ここでも支配人の対応があまりにもお粗末であれば、支配人の名前と役職を控えて帰宅します。

ステップ 4: Web ページから働きかける



 店舗のグループ企業の Web ページや所属グループをネットで探し、問い合わせフォームやメールにて、事のいきさつを詳しく説明します。
 このときに、店舗名、利用時間、担当者名、支配人名を添えることを忘れないようにしましょう。

 企業は客の不満内容に関心を寄せるものですが、そこに証拠となる人物情報が加わることによって、誰が問題を解決できなかった(ボロを出した)がより正確に企業側に伝わります。

 企業側も昨今のネット上の情報拡散力を危惧していますから、たいていの場合は数日の間に返事をもらえるはずです。
 その回答内容があまりにもひどければ、次のステップに進みます。

ステップ 5:電話で働きかける



 グループ企業のお問い合わせ窓口に電話をかけて事情を説明します。
 窓口担当者でお茶濁しの返事しかもらえなかった場合は、窓口担当者の名前を控え、営業窓口、または企業情報のところに書かれている番号に電話をかけ、できるだけ話の通じそうな人に繋いでもらいます。

 普通、ここまでやればかなり納得のいく結果が得られるはずですが、ごくまれにそれでも酷い応対をされることがあります。
 その場合は、最終ステップに進みます。

ステップ 6: 内容証明で働きかける



 ステップ 1~5 までのいきさつを正確に、担当者すべてを盛り込んだ形で文書を作成し、郵便局の内容証明で送ります。
 あなたの文書を三通日本郵便が預かり、そのうちの一通(原本)を先方に送付し、一通を日本郵便側で保管し、残りの一通をあなたが保管する形になります。

 内容証明 [外部リンク]

 企業の体質に問題がある場合には、有効な方法のひとつになるでしょう。
 私もかなーり昔に内容証明を取ったことがありますが、ここまでやるには手間も時間も相当かかりますので、どうしてもという場合以外はおすすめしません。



 程度の差はあれど、客としてイヤな思いをしたにもかかわらず、納得のいかない形で先方に丸めこまれてしまったり、問題をスムーズに解決できずに泣き寝入りしてしまったりした経験などがおあり方へのヒントになればと思います。



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最終更新日  2019.02.14 12:01:13


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