2019/01/02(水)15:14
十字架を背負って生きること
いじめによる自殺、いつになれば、なくなるんでしょうか。
自殺の報道はされるけれど、そこに解決への道が示されたことはあったでしょうか。
重松清の「十字架」を読み終えました。
図書館で借りることのできる本は8冊です。
忘れっぽいので8冊ちょうど借りておかないと、何冊借りたかわからなくなるのです。
冊数を合わすために借りた1冊でした。
いじめで中学生が自殺したという重い話です。
結論から言えば、読んでよかったと思いました。
いじめの報道を見るたびに、心は痛かったけれど、その後の家族の苦しみを考えたことがありませんでした。
「十字架」には、自殺した生徒の家族とまわりの人の苦悩の日々が描かれています。
もちろん、小説です。
だけど、心をとても丁寧に描いた小説です。
学校は、残された子供達に目隠ししてしまうけれど。
クラスメイトが自殺したんだから、いじめを知っていても目をつぶっていたんだから、ショックを受けたり、傷ついたとしても、やはり、事実から子供たちの目をそむけさせてはいけない・・・
死をちゃんと悼んで、時には十字架を背負って生きていかなければならないときがある。
人の命の重さって、そういうものなんですよね。
いじめていた生徒が、学校をサボるようになって、皆は内心ほっとしていたのに・・
先生は、無理やり、彼らを学校へ戻し、いじめが再開した・・
そういう内容が、重松さんの本音だったりするんだろうなあと思うんです。
そして、私も・・
余計なことをしなければよかったのに・・と、心でつぶやいていました。
救う道、本当はあるんじゃないかなあ・・という気がしました。