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小市民の一日

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2005年09月26日
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カテゴリ:主に法律関連
※TBミスしたので,23時頃に再度投稿。
警戒心のため,ちょっと攻撃的だった文章を改めたうえ,自由ネコさんにお詫び申し上げるとともに,詰めの甘い部分があったので若干訂正。

 自由ネコさんという方から,私の主張に対し反論が加えられました。
 詳しい記事はこちらから→http://blogs.yahoo.co.jp/felis_silvestris_catus/12210277.html

 以前のkitanoさんと違い,この方は真っ当に議論される気があるようなので,少しはやる気がおきます。

 さて自由ネコさんの主張はそのHPにおける記事(前掲URL)において明らかにされています。
 それをもとに反論を加えていきます。

>まず、指摘しておかなければならないのは、「犯罪を行うことが団体の目的に反しない集団」(正確には「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿うような団体」)というのは、犯罪を目的とする団体や犯罪を主要な活動とする団体いわゆる「犯罪組織」とは異なり、より広い概念です。

 まず概念の正確性が括弧書きで指摘されているので,自分も以降は,「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿うような団体」という言葉を原則として用います。

 さてこれは,「犯罪組織」より広い概念なんでしょうか。
 誤解されておられるようですが,「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿う」というのは「団体行動中に犯罪行為に至る可能性がある」とかそういう緩やかな意味ではありません。

 この点については「犯罪行為を行うことが共同目的に沿う」という文言の前に,刑事局長がどういっていたかが大いに参考になります。以下にその刑事局長の答弁を示します。(この答弁については国会議事録から引いてきたものを7月26日のエントリーで利用しましたが,それを再掲載します。)

 平成17年7月12日 衆議院法務委員会における大林法務省掲示局長の答弁
============
 「共謀罪が適用されるのは、犯罪行為を行うことを共同の目的を有する団体として意思決定する、すなわち、犯罪行為を行うことが共同の目的に沿うような団体であり、かつ、団体内部に犯罪実行部隊を持つような団体である場合に限られる、このように考えております。」
============

 上述答弁で刑事局長は,共謀罪の主体足り得る団体について「犯罪行為を行うことを共同の目的を有する団体として意思決定する」性質を有するものだといっています。
 これが「すなわち」という換言語(こんなことばあるんだろうか・・・)により,「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿う」という一文を含んだその次のセンテンスになっているわけです。
 すなわちは(一般用語ではいざ知らず)法律用語では,前と後をイコールで結ぶ接続詞ですから,「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿う」という言葉がわかりにくいのならば,それとイコールの関係にある「犯罪行為を行うことを共同の目的を有する団体として意思決定する」と言い換えることが許されるわけです。
 以上からすれば,一般的な市民団体や,労働組合が共謀罪の適用対象とならないことが明らかになります。
 例えば,労働組合ですが,労働組合は「労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体」(労働組合法2条柱書)です。決して,「犯罪行為を行うことを共同の目的を有する団体」ではありませんね。
 市民団体にしてもそうです。環境保護団体,公害被害者団体,犯罪被害者団体そのいずれも,「犯罪行為を行うことを共同の目的を有する団体」でないことはあきらかです。

 そして同じ文言から,「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿う」とは,おそらく自由ネコさんが想定されておられるだろう「団体行動中に犯罪行為に至る可能性がある」というものとは異なるということが明らかになります。

>しかし、多くの市民団体などは「犯罪を行うことが団体の目的に反する」わけではありません。
 
 このような誤解は,上記に示したような文言の解釈の間違いをされておられる故と思われます。
 
>次に、共謀の主体が団体でなければならないという規定はありません。単に共謀の内容が「団体の活動として……行われるもの」である必要が規定されているだけです。
 
 上記「団体の活動として」という文言は,共謀罪(第6条の2)が定められている「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」という同じ法律の第3条を受けています。第3条は以下のような条文です。

============
第三条(柱書のみ抜粋)
 次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。  
============

 「団体の活動」の説明として,括弧書きの中に次のような文章が付されています。「団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう」。
 上記より明らかなように,共謀罪は「団体」が共謀を行うことが前提とされているわけです。

 しかも共謀罪が適用されるには,「当該行為を実行するための組織」がその団体に備えられていなければなりません。
 この「当該行為」という文言は,次の文言を指しています。
 「死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪」「長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪」というのがそれです。
 これら法律によって,犯罪とされた行為(構成要件該当行為)を実行するための組織がある団体でなければ,共謀罪の適用対象にはならないわけです。犯罪推敲集団と言っていいと思います。刑事局長もこれを指して「犯罪実行部隊」といっています。
 もちろん,先のエントリーで上記にあたる行為はかなり多いということは指摘しました。
 しかし翻って,市民団体や労働組合にそういう犯罪実行部隊があるんでしょうか?
 自由ネコさんは
>抗議行動を行う際には、抗議の手はずや準備のための仕事の割り振りなど指揮命令系統も任務配置も必要でしょう。抗議行動を行うためには、抗議行動を「実行するための組織」が必要なのです。

 とされます。
 これは上記のような抗議活動をする組織をもって犯罪実行部隊と考えておられる故の発言と思われますが,抗議行動それ自体は憲法上保障された行動であって,抗議行為を行うことを「犯罪」とした法律は我が国では存在しませんから(そんな法律が仮に存在するならば当然違憲です),抗議行動を実行するための団体は「犯罪実行組織」,より正確にいえば「当該行為を実行するための組織」にはあたりません。

 自由ネコさんは,抗議行動は犯罪行為を不可避的に含むと考えておられるようですが,犯罪行為に至らないで抗議している団体はたくさんありますね。
 抗議行動が必然的に犯罪行為に結びつくのは,かつての「革マル」等のセクトくらいなものではないでしょうか。

>では、公害被害者団体が企業に抗議するのは「団体の活動」ではないのでしょうか。
 
 公害被害者団体は,「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿うような団体」すなわち,「犯罪行為を行うことを共同の目的を有する団体」なんでしょうか。
 ちがいますよね。
 そうである限り,「公害被害者団体が企業に抗議行動するのは「団体の活動」にあたるではないか」などといったところで意味がありません。そもそも,適用対象に必要な団体の属性の要件を欠いているわけですから。
 
 以上,反論してきて最後の最後になってビックリしました。
 
>共謀罪の背景には、(略)人には法律に抵触しても守らねばならない大切なものがあるという思想に対する憎悪が存在するのです。法の規制を超えて、政府の悪政に反対する者、社会の不正に抗議する者の連帯と団結自体を、共謀という犯罪として抑圧し、圧殺しようと狙う共謀罪の導入を、市民と労働者の団結で阻止しましょう。

 現行法でもこれらの団体が法律の枠を越えていわゆる違法行為をすることは許されていません。キチンと刑法等刑事法規に従って処罰されます。
 
 自分の正しいと信じた思想のためには,犯罪行為も厭わないってこれいわゆる「テロリズム」ですよね。
 テロリズムを擁護されるのでしょうか。信念のためには人を傷つけたり,殺したり,物を壊したりしてもかまわないと。
 そういうことを是とするのは「市民団体」ではなく,テロリスト集団又は犯罪団体というのではなかったかと思います。
 確かにそういう犯罪団体は「犯罪行為を行うことを共同の目的を有する団体」といえるでしょうね。そういう犯罪集団にとっては恐怖の対象になるでしょう,共謀罪は。
 そういう団体に属されている方々には,「お気の毒様」としか言いようがありません。
 しかしまさにそういう唯我独尊的犯罪団体を処罰するための法律が共謀罪なのです。






最終更新日  2005年09月28日 12時26分50秒
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