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小市民の一日

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2006年12月28日
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 年の瀬も迫ってまいりましたので,今年のうちに出しておいたほうがいい資料を出しておきます。

 近時,インド首相の実に温かい演説の本文全文を掲載させていただきましたが,実はそれ以前に,ヴェトナムの首相が国会に来て演説をされておられます。

 例の如く,マスゴミは首相の来日はおろか,国会で演説したことも完全にスルーしました。まして,その演説の内容がどのようなものだったのかなど,まったく伝わりませんでした。

 ある国の政府の首脳が来日した場合,来日されたこと,首相と会談した内容,演説したとすればその事実及びその内容を伝えるべきが,誠実な(正常な?)マスコミのすることでしょう。そうすることで,その国が公式に我が国をどのように扱っているか,あるいは我が国に対してどのような感情を抱いているのかが分かるのですから。それによって「アジアは反日の国だらけである」などとまことしやかに一般に流布されている虚妄も打破できようというものです。

 勿論,当ブログはマスコミでは全くないわけですが,そのような資料をオープンスペースに公開することによって良識ある国民の皆さんの何らかのお役に立てるならば幸いと思い,ネットで公開されている演説動画から,演説本文を聞き書きして,ここにアップいたします。

  

 平成18年10月19日、参議院におけるヴェトナム社会主義共和国首相グエン・タン・ズン閣下演説本文全文

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「ヴェトナムと日本の交流関係は最近始まったことではありません。両国は地理的に近いことに加え、文化的にも非常に近く、永い歴史を有しています。17世紀から18世紀には、日本の多くの商船がヴェトナム北部のホー・フェン(?)や南部のホイ・アンに寄港し、貿易を行い、肥前焼き物など多くの日本文化の遺産を残しています。日本の明治維新の成功は、ヴェトナムの多くの知識人の強い関心を惹き、20世紀始めにヴェトナムの民族振興のために、日本の経験を学ぼうとする「東遊(ドンズー)運動」(※1)を惹き起こしました。ヴェトナム・日本両国は、歴史の変遷を経て1973年に外交関係を樹立し、関係正常化を成し遂げました。ヴェトナム国民は、善意・公正の心と平和・親善という伝統に基づき、過去に囚われず、未来を目指しております。そしてヴェトナム政府は、このような国民の意向に従って、アジア・太平洋のみならず、世界において重要な役割を担っている世界第二の経済大国である貴国と全面的な協力関係を強化することを最優先しています。

両国関係は、前世紀の90年代から大きく発展し、新しいページを開いたことに満足しうるだけの十分な理由があります。両国の政府や国会、各分野、団体、地方の間の交流など活発な政治関係は、全面的協力関係を促進するための力強い原動力になっています。特に2002年のノン・ドゥク・マイン書記長の日本訪問の際、両国指導者が長期安定・信頼・パートナーシップの確立に合意したことで、政治・外交・経済・安全保障など広範な分野での協力関係が形成されましたが、これが効果的に機能しています。日本はヴェトナムにとって、日増しに大きくなる最大級の経済・貿易のパートナーです。それは、両国の確固たる協力関係の物理的な基礎となっています。貿易額が急激に増加し、そして均衡しています。日本の対ヴェトナム投資は実効額ベースで最大であり、最も効果的に活用され、双方に利益をもたらしています。特に日本からはヴェトナムにおいてもっとも多くの開発援助を提供していただいており、その援助は目的どおりに正しく効果的に使用されています。そして日本の援助は、高い技術や先進的な経済運営経験によってヴェトナム経済、および社会発展の実現に大きく貢献していると同時に、ヴェトナムにおける日本企業の活動のための良い環境を作り出しています。ヴェトナムは日本の援助でできた道路、橋、港湾、空港、学校、病院、発電所などが両国協力関係の美しいシンボルになっているといえます。私は、この機会にヴェトナムが日本の援助を最も効果的に使用している国であると確信いただきたいと思います。

最近、ヴェトナム交通運輸省管理プロジェクト管理委員会では不正事件がありましたが、この委員会は日本のODAを含む多くの国のODAを管理しています。本件につきましては現在ヴェトナムの関係法律機関が調査しており、透明性をもって厳正に処理されております。しかしながら今回の事件は、貴国の援助で作られた建造物の質になんら影響を及ぼすものではありません。なぜならすべての案件は、日越両国の合意どおりに両国の責任ある機関が決定・合意し、コンサルタントと施工会社を選び、施工プロセスを監督・実施するとともに、資金の受け渡しを厳正に行い、当初双方が合意したとおり、プロジェクトの質と要求を充たしております。ヴェトナムは、援助を使用する過程で不正と汚職を撲滅することを非常に重視いたしております。日本のODA資金を効果的に使用することは、我々の責務であり、同時にその債務返済については、ヴェトナム国民に対して有する我々の責任でもあることを我々は深く認識しています。どうか日本の対ヴェトナム援助は信頼できる人々の手にゆだねられていると信じていただきたいと思います。

ヴェトナムには『水を飲んで泉を思い出す』、日本には『水を飲んで井戸を掘った人を思い出す』という諺があります。ここに日本の国会、政府と納税者の皆様がODA全体枠の削減の折にもかかわらず、対ヴェトナム援助を拡大していただいた寛大なご配慮に対し、心から感謝申し上げます

また両国間の文化、科学技術、教育、観光分野での協力は両国民をよりいっそう親密にさせる精神的基盤を作り出しています。我々は日本の明治維新当時の教育立国の政策と経験を参考にして、教育を非常に重要視しており、教育分野における日本の支援を高く評価しています。日本にはヴェトナムで数百箇所の学校建設を支援し、数千名の留学生と研究生を受け入れていただいています。彼らはわが国の活力の源になっているのみならず、両国国民の友情の架け橋でもあります。

日本・ヴェトナム両国は二国間協力に加え、国連・APEC・ASEM・東アジアASEAN+3、ASEAN+1などの国際フォーラムにおいても協力し合っています。我々が日本が国連安全保障理事会常任理事国になることを一貫して支持しています。それは日本の経済力と国連に対する貢献にかんがみて、ふさわしいことと考えるからです。

貴国がヴェトナムのWTO加盟を常に支持し、ヴェトナムの国際経済参入のための有利な環境を作ってくださっていることを高く評価いたします。両国関係において今まで成し遂げられたものは非常に大きな意味がありますが、まだ大きな協力の余地があります。これまで達成された成果に基づき、地域と世界の平和・安定・協力発展のために、多方面にわたる信頼あるパートナーシップを、戦略的かつ長期安定的関係の確立という新たな段階に高めていくことが必要であると思います。

この後、安倍晋三総理との重要な会談がありますが、これからの新たな両国関係の発展に向けて、合意ができることを期待いたします。両国政府の合意内容に対して、国会議員の皆様方からの積極的なご支援をよろしくお願い申し上げます。

ご列席の皆様、我々の日本訪問が行われている本年2006年はヴェトナムにとって特別な年です。20年前に始まった『ドイモイ』(刷新政策)は、国の様相を一変させました。ヴェトナムは『ドイモイ』によって前世紀80年代末からの厳しい時期から脱しただけでなく、その後一貫して高い成長率で発展しています。国民生活も改善されています。文化・社会分野、特に貧困撲滅事業も大きく前進しています。政治的安定、社会の安定も進んでおります。国際関係もますます拡大しています。最近、ヴェトナムの国家と政府の指導部が交代しましたが、『ドイモイ』政策は変わりません。実践によって完全に正しいと証明された『ドイモイ』政策は、第10回党大会とその後の国会で再確認されました。我々は経済開発とともに、堅固な政治・社会的安定を維持しつつ、社会問題、貧困撲滅、住民と地域間の経済格差対策、生態系の維持や環境保全を調和よく結び付けていきます。我々は各分野での経済発展と国営企業の力強い改革、ならびに民間経済、そしてヴェトナム経済の重要な構成要素である外国投資企業を含む多くの経済セクターの発展を調和よく推し進めていきます。我々は市場経済体制を実現すると同時に、国家による効率的な管理の強化、法治国家建設、民主主義の拡大、行政改革、経済活動の条件を改善し、断固として汚職の撲滅を実施していきます。

以上の政策に基づいて、次の目標達成のために全力で奮闘してまいります。短期目標は2010年までに貧困から脱却し、一人当たりの平均収入を2005年の640米ドルから1000米ドルに引き上げることです。中期目標は、2020年までに基本的に工業国家になることです。長期目標は豊かな国民、強い国家、そして公正な民主主義文明社会の実現です。我々は国内のあらゆる資力を動員し、同時に外国からの、とりわけ極めて重要な日本の地位にかんがみ、日本からの資力を有効に活用することに努力します。我々はヴェトナムの発展にとって決定的な意味をもつ、重要な建造物や案件に対する日本の温かい支援を切望しています。特に道路、南北縦貫道などに対する日本の支援を、ヴェトナムの戦略的パートナーの役割にふさわしい支援を期待しております。また、双方の利益と発展のためにハイテク産業をはじめとするあらゆる分野に日本からの新規投資を受け入れられるよう有利な条件を作り出します。

ご列席の皆様、我々は外交の面で独立・自主・開放路線を堅持し、国際関係の多様化政策を実現し、平等互恵・独立主権の相互尊重の精神に基づいて、国際平和と協力のために奮闘を続けてまいります。

ヴェトナム国民は、戦争によって大きな被害を受けた民族として、誰よりも自らと各民族ために平和を切望しています。私たちは朝鮮半島における最近の状況の変化に対しては、日本国民の皆様、および国際社会の深い懸念を共有し、この地域の非核化と核実験反対の立場を一貫して堅持しています。すべての関係者は、国連安全保障理事会議長声明、同理事会決議1695号(※2)および1718号(※3)を遵守する必要があると考えます。また朝鮮半島の緊張緩和と平和的解決のために、六カ国協議の再開を呼びかけます。

皆様、日本の国会の皆様が、常にヴェトナムに深い関心を寄せていただいていることを大変嬉しく思います。国会議員のうち100名あまりの方々が日本・ヴェトナム友好議員連盟に参加しておられることはその証左です。私はこの重要な演壇から、日本の国会議員の皆様方がヴェトナムの国作りのために、またヴェトナム国民の利益だけではなく、日本の国益のためにもなる事業、ならびにアジア・太平洋の平和・協力・発展ための事業に、我々とともに歩んでくださるよう謹んで呼びかけるものです。」

 

※1 19世紀末にヴェトナムで起った近代化運動の一つ。知識人がフランス支配からの脱却を求めて日本へ留学した運動。

※2 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/abd/un_k1695.html

※3 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/anpo1718.html

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最終更新日  2006年12月28日 19時52分29秒
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