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小市民の一日

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2007年03月17日
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カテゴリ:主に国際時事

(続き)


 その態度は以下の文章にも見て取ることができます。次の文章は,英国の首相官邸に国民から寄せられた質問に,政府が答えている文章の一部を抜粋したものです(ソースはこちら)。

 

 

We realise that some would like us to go further than this. But it just isnt realistic to think that if we decided to let our deterrent lapse, or even completely disarm unilaterally tomorrow, this would make any difference to the efforts of countries like Iran and North Korea to acquire a nuclear capability. We believe in total nuclear disarmament - but multilateral rather than unilateral disarmament. We face an increasingly uncertain world. Given that we cannot expect others nuclear weapons to disappear for the forseeable future, the question we face is: should we retain them, to deter others from using them against us? Are we prepared to tolerate a world in which countries like ours lay down their nuclear weapons first, leaving extremist or unstable countries to threaten the rest of the world or hold it to ransom?

ある人はもっと削減すべきだと主張するでしょう。しかし,それは現実的ではありません。もし我々が明日,抑止力を消滅させると決しても,あるいは単独で完全に核抑止力を放棄してしまったとしても,例えばイランや北朝鮮といった核兵器を保有しようとしている国々の企みになんら影響を及ぼすことはないでしょう。我々は核兵器全廃を目指しています。しかしそれはすべての核保有国による核兵器全廃なのであって,一国のみの核兵器全廃ではありません。我々は益々混迷を深めつつある世界情勢に直面しています。そのような状況下で,我々は他の核保有国が近い将来核放棄をするだろう,と考えることはできません。ここで問われているのは,「そのような核保有国を放置したままで,例えば我々に対して核攻撃をしようとする国が表れた場合に,核の使用を思いとどまらせることが果たしてできるだろうか?」,「一方で核兵器を利用して他国を脅したり又は強請るような過激なあるいは不安定な国家を放置したまま,我々のような国家が核兵器を最初に捨ててしまうというような世界を受け容れる準備ができているのか?」という問題なのです。

Any decision involving nuclear weapons is a difficult one, with strong views on all sides. We respect these views and believe it is important to have a full debate. But, as we said in the White Paper, we believe the plans we are asking Parliament to endorse strike the right balance between our commitment to a world in which there is no place for nuclear weapons, and our responsibilities to protect the current and future citizens of the UK.

核兵器に関する決断は困難なものです。というのも,この問題に関してはあらゆる方面から強い主張が展開されるからです。我々はそれらの見解を尊重していますし,充分な討論をすることの重要性を認識しています。しかし,先に白書で述べたように,我々が議会に問うた核抑止力の更新計画は,我々の核兵器全廃の取り組みと,現在のそして未来の英国市民を守るという我々の義務との間に正しい均衡をもたらしているものであると信じています。

 

 昨年我が国で華やかだったマスコミによる核議論叩き,そして与党野党問わず多くの政治家が「非核三原則の維持」を連呼し,あるいは核論議をするべきだという問題提起をしただけの政治家叩きにいそしんだあの状況。

 そこに国を守る気概,国民の安全をいかにして守るかという真摯な討論などというものは全く認められませんでした。現状の世界情勢をかんがみた冷徹な論理的な議論など望むべくもなく,行われたことといえばただ感情論と政権奪取の具にあふれた「核論議否定論議」という雑煮を我々の目の前に提示して見せたことだけでした。

 

 それと上で見たような,英国与党の政策責任者の態度を比べてみると・・・いや,比べるなどといっては英国の政治家に失礼かもしれません。次元が全く違いますからね。

 仮に英国が大人のレベルであるとするならば,日本はさしあたり幼稚園児レベルといったところでしょうか。

 「議論することさえ許されない」なんていう我が国の状況を見ると,Chinaの政治家が「日本など20年後にはなくなっている」などというのもよくわかります。そういわれても仕方がない状況を作り出しているのは,ほかならぬ我々自身なんですから。

 

 国益を守るという気概にあふれる政治家は,与党のみならず野党にも存在します。

 以下は,英国の野党である保守党のホームページから拾ってきた保守党の政治家の発言です(ソースはこちら)。

 

デヴィッド・キャメロン党首の発言

"A submarine-based system is the right answer. And decisions need to be taken now. In a dangerous and uncertain world, unilateral nuclear disarmament has never been and will never be the right answer."

「弾道ミサイル搭載潜水艦を機軸とした核抑止システムは正しい。そして,(更新計画に関する)決断は今なされなければならない。この危険かつ不安定な世界情勢の中,我が国だけが核武装を解くことは,今までも正しい対応ではなかったし,これからも正しい対応となることはない。」

"So the timing is right; the legality is clear, and maintaining the deterrent is in the national interest. And because he has the support of the Conservative Party, we can work together in the national interest,"

(システムの開発と運用の確立に17年間がかかるということを受けて)「ですから,決断のタイミングは正しいのです。合法性についても問題は全くない。核抑止力の維持は国益に関する問題です。ですから,保守党は首相をサポートするのです。我々は国益に関する問題については協調することができるのです。

 

影の内閣国防相 リーアム・フォックス博士の発言

 "The Prime Minister doesnt need to worry about a rebellion on his backbenches, as the Conservative Party will support the Government in defending the nations security. He can rest assured that Conservative MPs will be there to do the right thing.

「首相は後席に座っている造反組を気にする必要はない。国家の安全を守るためならば保守党が政府をサポートします。保守党の議員が正しいことをするために控えていますから,首相はご安心ください。」

 

 これが正しい政治家の道なんじゃないですか?どこぞの国の野党は政権とるのが第一で,国益なんてほっぽりだしてますが,本来は国益のためなら与党とも堂々と協力するのが野党のあるべき姿でしょう。・・・日本にこんな野党があったら真っ先に投票するだろうな。

 昨年の核論議のとき,我が国の最大野党の民主党は一体何をしましたか?麻生大臣の罷免要求を提出したり,核論議を提起した中川政調会長を攻撃するのに躍起になっていましたね。

 

 こんなことを書いていると,「英国マンセー野郎の戯言だな」なんて思われるでしょう。

 確かに自分は「英国マンセー野郎」です,認めます。いちいち指摘していただかなくても結構です。

 しかし,そういう方には実際問題として,現実に,国家安全保障や外交など国益に直結する問題に関する日本の政治に,英国と比べて優れている部分があるかどうかをも同時に考えていただきたいと思います。

 自分だって,「日本の政治は素晴らしい」と誉めてみたいものですよ,一度くらいは。






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最終更新日  2007年03月17日 19時16分51秒
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