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カテゴリ:主に国際時事
(かなづちさんからいただいたコメントで,自分の誤りに気がつきましたので,記事を訂正しました。訂正前の記事では,あたかもムスリム住民の投票動向のみが労働党の勝利という選挙結果に影響したかのような文章になっていましたが,それはあくまで原因の一つとして考えられているもののようです。今後はこのような誤った記述を行わないように注意して参ります。申し訳ありませんでした。)
<日豪安保共同宣言に影響は?> BBCWorldのホームに,たぶん日本では取り扱われていない記事が載っていました。 それはオーストラリアはニュー・サウス・ウェールズ州で選挙が行われた結果,労働党が躍進したという記事です。全訳してもあまり参考になるようなところがないので,全訳はしませんが,本文をごらんになりたい方はこちら。 政権を担当している労働党は今回の選挙で,公共交通機関の大規模な改良(要は公共工事ということでしょう)を唱えたのに対し,自由党・国民党連合は州の現在の水資源供給体制の貧弱性を指摘して争ったようです。 確か水不足は,オーストラリアで深刻な問題になっていたはず。当然,その点をついた自由党・国民党連合が勝利しておかしくはないわけですが,どういう訳だか労働党が勝利しました。有権者は水不足をあまり大きな問題としてとらえていなかったということなのか,それとも公共工事の方が魅力だったのか・・・有権者の欲求は労働党の方がうまく拾ったようです。 記事の構成からすると,ムスリム票,つまりイスラム系移民の投票動向も労働党を後押しする原因になったと考えられているようです。彼らはオーストラリアのムスリム指導者の言葉や,2006年の12月にオーストラリアで起こったイスラム住民に対する暴動に対する不満を有しており,これが労働党議員の後押しとなる投票につながったと見ているような構成になっているように思われます。
以前見た産経か何かの記事では,オーストラリア労働党はChinaに親近感を抱いている政党であるというところ,本年2007年は国政選挙もあるらしく,仮にこの勢いで国政においても労働党がハワード首相率いる自由党・国民党連立政権を倒せば,せっかく締結した日豪安保共同宣言も,労働党のChinaに対する遠慮から有名無実化してしまうおそれもなきにしもあらず。 もっとも,国政選挙と地方選挙とではまた別の判断を有権者がするかもしれませんし,まだ選挙まで時間があるようですから,その間に自由党・国民党連合が支持を挽回するかもしれません。 いずれにしても日豪関係は,安倍首相が新たな外交戦略で基軸にしようとしている重要な関係の一つですから,オーストラリアの選挙の行方は要注目でしょう。
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