『世界の中の日本』
最近の「集団的自衛権」を巡る議論に関連して、以下引用。76ページから「第二次世界大戦後に未曾有の経済発展を日本は達成した。しかも一度も戦争せずに、一人の兵士も失わずにである。これは史上珍しい現象の一つである。日本の外交は、国家の安全を守り経済を発展させるという課題に巧みに対応してきたとの評価も十分可能ではないだろうか」「世界の戦場で、第二次世界大戦後に日本人の作った武器弾薬で死傷させられた人間は、一人もいない。これが、日本の平和国家としてのイメージの確立に寄与している」「日本は、世界でもっとも好感を持たれ信頼されている国の一つである。「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」との憲法前文の希求が実現されている。この世界の評価を裏切らない外交戦略の選択を行いたいものである」また、45ページには「法律とは何か」について、次のような記述もありました。「法治主義あるいは法の支配という近代立憲主義の原理は、(中略) 法律を守るべきは市民ではなく、国家権力を行使する側だとする考え方である」「法律は市民社会における秩序維持機能をも果たすが、遵法意識をより強く持つ必要があるのは公の権力を行使する立場にある者の側なのである」そういえば、日本弁護士連合会の「集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明」にも、こんな一文がありました。↓「憲法の基本原理に関わる重大な変更、すなわち憲法第9条の実質的な改変を、国民の中で十分に議論することすらなく、憲法に拘束されるはずの政府が閣議決定で行うということは背理であり、立憲主義に根本から違反している」放送授業のほうも、ゲストが多彩でなかなか興味深い科目でした。