灯台

探偵　３

６　輪廻

 

 

アナタト

モウイチド　デアエタライイネ

デモ　マブタ　ヒラキマセン

タイヨウ　ミレマセン

シデス　シンダノデス

ソンザイシテイル　ニクタイ

ナノニ　ナラナイ　シンゾウ

ウゴカナイ　テアシ

マルデ　ユメヲ　ミテイル

ヨウナヒョウジョウデ･･････

ガイコクノ　ハカバデ

ヒツギガ　アナタノオナカ

ニオロサレテ

シャベルガ　ペチャクチャ

ドロアソビ　シマシタ

ソノオト　ハ　トオクテ

シダイニ　チカヅイテ

マダ　マダ　カナシイ

ヒトツノカオガ

ウカンダリキエタリ

マチノトモシビ

ゾウキバヤシノオチバ

ガ　フリツモッテ

ヤガテ　オオワレタノデス

シヌ！　シヌ！　シヌ！

スキマナク

スキダッタ　オンナノコ

ト　オワカレシタ　ユウガタ

ボチノシメッタ　

アカイツチヲ　ミツメナガラ

ナガイマツゲ

ガ　ヌレマシタ

カゼニフレテ

カイテンスル

マドデス

トビラデス

ココロノ　ソコカラノ

ケンシンガ

アタエテクレル　チカラ

デス！　サヨウナラ

ワスレテモ　オボエテルカラ

ユメヲミツヅケテルダケダカラ

トキハ　マホウヲカケテ

オトナノキミガアラワレテ

ボクハ　チガウ　

ニンゲンデシタ！

スキデス

 

 

　　７　叫び

 

 

不安です

泥沼にはまっているみたいです

オールで漕いでゆけるのは何処までです

答えるのは岩だけです

なぜ不安にさせるのです

砕け散る波間です

ハートを打ち砕いたんです

魚のうろこに突き刺さったんです

タトゥーです

どろどろしているんです

それは泡です

ぽこぽこ言ってるんです

種子(たね)です

草木が生い茂ろうとしてるんです

冷蔵庫からビールです

麦の酒なんです

不安です

ギチギチにしぼれるだけしぼれられた鉄線

　のような出口から水が出るんです

砂です！　サンド・ペーパー

　でこすられたような不安です

そしてうるわしくそだった赤い実がより熟

　しながら液体に変わっていくんです

コップです

じかに受け止めるんです

発酵してたんです

錆びついていたンです

不安です

それは値段なんです　色なんです

　曇りながら回りはじめてるんです

言語システムの崩壊なんです

観念なんです

砂浜に寝転がってるんです

もう分類することも識別することも無駄

　のようにおもえるほどの瞑想なんです

ジャズがほそぼそとながれてるんです

無意味な時代の

　あまり感心しない腐敗なんです

天井です

汚い路地なんです

クロールしてたんです

じゃぶじゃぶ案内してるんです

もみあうおびただしいかげの

　気味悪い沈黙の不安です

震えてるんです

靴音です

十字路には警官が

　指輪をしているから不安です

弓です

狩りなんです

酔っているんです

にわかに突風の吹いてビニール・シート

　がめくれてしまったので不安です

ああ　不安　おお　不安

　って言っているのも不安なんです！

力が入らないんです

何をする気力も起きないんです

でも睡魔です

いいえ睡魔なんです

不安です

だれのための人生観ン　押し問答の宗教

　のような行きつく先ない独断と偏見ンなんです

瓦礫のうえに材木が

　組み立てられ槌(つち)の音がきこえる不安です

ナンセンスです

娯楽的な売春です

おまえもだ　おまえもだ　おまえもだ

　っていうわけにはいかないほどの不安です

収穫されるんです

籠(かご)です

まちでは評判で画家がキャンバスにえがくほど

　おいしいブドウいろのはずなのに不安です

どろどろです

梱包するんです

消毒するんです

だけどなぜだかもうゲルニカみたいにぐちゃ

　ぐちゃになってしまったような不安です

真黒(まっくろ)な人を吐き出しますトンボやハエや

　プロペラのようなカンヴァスの不安です

写真なんです

劇場です

忘れ去られた記憶です

不安です