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窓から垂れ落ちる鮮やかな緑色の蔦、 バス停・・・。 交差点の赤信号で、自動車の列は止められ、 サイドミラー越しに見ている娑婆・・・。 自転車駐輪禁止の看板と赤い三角コーン。 スーパーの実演販売・・・。 オー・ド・トワレ・・・。 「過ぎ夏・・・・・・」 惹かれていく身体―――の、 熱を探しても、 埋まるわけはない、夢・・・。 僕 は 散 歩 へ 行 こ う よ と 君 を 誘 っ ――― て 。 い る ・・・・・・。 緑 の 美 し さ で は な く 嬾 の う さ を 感 じ な が ら 、 い る ・・・・・・。 微 風―――風 は 、少 し だ け 湿 っ た 芝 生 の 匂 い 。 「外に通じるドア・・・・・・」 僕はフォアグラや、鴨のテリーヌを思い出―――す。 白磁の皿の贅沢な料理―――を。 それも一生に一度か二度あればいい方の贅沢な料理―――を。 駅の階段の踊り場の中間で、 蝉が死んでいるのを見つけた。 「she was love...」 記憶の庭に今日も死んでいく。 何かが―――僕等から消えていく。 その焦燥感と、そのどうにもならない、不条理が、 新しい生命を今日も肯定していく。 「でも違う、何か違う・・・・・・」 欺瞞に溢れた返事のない質問の行方は、 瞬きをする度変わってゆく。 だからそれはおくびにも出さ―――ず。 「滑り台、坂道の段ボール滑り・・」 「夏蔭・・・・・」 「遠い記憶を辿る―――」 あとへ残るのは、 世界から締め出されてしまった人の、 有り触れた心の光―――。 ―――そ れ は い つ か の と お い と お い 夏 ・・・ 「木琴の音のようにしずかに思い出せる、夏」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年08月03日 22時34分50秒
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