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灯台

2020年08月04日
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​​


合コンは始まった―――。

合コンといっても、いろんな主旨が―――ある。
そういう時にとても重宝する言葉がある。
それは大抵、流行りの言葉。利用できるものは利用せよ。


「やばたにえんのムーリー春雨ダロ」

ニャハハ、とか笑う、不敵なかもちゃん。
二十代男性、
ならびに二十代女性たちの真面目な合コンの場に、
やってきていた。あるいはリア充人間的文化促進の場に。

―――<ご注文通りでございます>

ここに来る人は、カップリングに興味がある、
結婚したいという気持ちは止められないので、
あの手この手を使って、自分に興味を持ってもらおうとする、
戦場である。え、マジで? どんな感じの子?
もちろん二枚目や美女が評価される世知辛い採点システムはある。
え、まじやばくね?
けれども、三枚目でもそんなに美人ではなくても、
もしかしたらという夢を見れるのが合コンというものだ。

人に夢と書いて―――儚いと読むんだぜ、
合コン・・・・・・。

そんな合コンに男性たちが秘密兵器として連れてきたのは、
鳥でなければ何としようもはや鳥とするほかない、かもちゃん。

―――<オプションな動機>

場を和ませてくれる癒し系で、喋り上手。
いわば、漫才芸人を合コンに呼んできたようなもの。
そのうえ、したたかな二十男性たちは思っていた。
鳥は飯食わせておけば大丈夫、と。
そこらへんに、ぬかりはない。
いわばメロン味ではないのに存在するメロンパンのようなものだった。
(冷静に考えると、トマトジュースを西瓜ジュースとするようなレベル)

そのために、食べ放題メニューでの合コンという、
異種格闘技戦を呈した。あるいは大宇宙戦争感を披露した。
普通は好きなものは食べられないが、

(食べに来ているとか、飲みに来ている合コンなんてまず存在しないが、
しかしそういう強者もいるとい―――う・・・)

―――そうすると、鳥は来てくれない。
豪放磊落。
底抜け。
そんな鳥を戦闘モードにうながしてくれる、仕掛け装置。
いわば、ピッチャーが投げ終わる前のホームスチール。
もちろん、目的の趣旨も変わるかも知れない。
だが、そこに、活路がある。
さしもの鳥でも、御馳走の前では馬鹿なことをすまいという計算もあった。
鳥が本気を出せばファンシーな魅力で一人フルハウス、
さもなければロイヤルストレートフラッシュすることは、
十分に予想できた。鳥は何しろ好色である。
最低ありえないほどモテる。
もちろんそういうモテオーラにあやかりたい気持ちもあった。

―――<灯台もと暗し>

しかしよくあるように、そこには、いずうさも来ていた。
どこか、おどおどした感じで、気弱なうさぎを演じていた。
とりあえず、手(←前足)の震えが尋常ではなかった。
「あ、すみまてん」「本当に、すみま、てん」
とか言いながら、めっちゃご飯食べていた。
もう、かもちゃんの分まで食べているというぐらい、
食べまくっていた。
来る前と帰る前では、体重が二キロぐらい違うのではないかというぐらい、
食べていた。

しかしそれも、いずうさなりのフェイクだった。
まず、手掴みで食べない。
まず、緊張をゆるめていくところから合コンは始まっている。
実際、みんないずうさの食べっぷりに頬がゆるんでいたし、
手が汚れるとみんなが拭いてくれる。
コミュニケーションも、一種の嗅覚といえるみたいにだ。
ようは、相手がよく見える勘違いを生みやすい空気を作ること。
(どうせいつかはわかるのだけれど、)

―――<ポーズである>

女子連は、かもちゃんやいずうさに興味津々だったが、
食べ放題という設定上、みんな結構食べる。
それも釣り餌―――それが男子連の策略。
楽しい席、美味しい料理によるプラスアルファに刮目せよ!
てっきり! うっかり! すっかり!
そういう戦法だった。
グッドルッキングフォエーバー!

しかし、いずうさは食べ過ぎているような気がしたので、
まだ口にもつけていないかもちゃんが、
くちばしでつついたりした。

(わかっている、腹が減っては戦ができぬと言うからな)
(それはそうダロ)
(それにいま食べておかないと、もう食べる時間がないかもしれないからな)
(それはわかります)

一匹と一羽の心の中では多分このようなことを言っていた。
いずうさは、ふう、とお腹をさわさわしながら、
おもむろに女子連の中に混ざり、
「誰狙ってる?」とか「今日はどう?」とか、
あたかもそこに参加しているようなさりげなさで、情報収集を開始する。
もう一匹の兎は、小さな女の子になりすましていた。
―――小さな女の子に嘘をつくのは、ハイパースキルが要る。
そして時同じく、かもちゃんは、何故か手品をしている。
鳩を出したり、猫を出したり、飲食店で何をしているのか、この鳥。
最終的に、自分が飛ぶという芸をすると拍手喝采になった。

―――しかし場を盛り上げながら、なおかつ情報による合意をはかる。
駄目ならいいようにいざなってみたり、
最初からお互いの好意が一致しているなら、
結び付けてしまえばいい。

かもちゃんと、いずうさは、合コンについて思う。
(ようは、付き合った人が出れば成功、
二回目あるいは二次会で会うことができれば成功、
まったく見込みがないなら早期離脱が成功)と―――。

たとえば、王様ゲームなんかは先の見込みがなければただの馬鹿である。
ポッキーゲームは確かに盛り上がるかもしれないが、回りくどいセクハラである。
本当は男性と同じぐらい女性も、肉食系がいたりHだったりもするが、
pon pon pon!がなければ難しい。
間違いナイトプールパシャパシャ!

そしてかもちゃん、皿を取り分けたり、
お皿を片付けたりする仕事を率先して開始した。
そう言いながら、もうなにか人(←鳥)が違ったように食べ始めた。
皿を取り分ける風を装いながら食べていた。
もうお皿を片付けるふりをしながら食べていた。
にゃおーとか言いながら、
すごい幸せそうなオーラを振りまきながら食べていた。

男子連はお疲れ様感を出しながら、鳥に料理をまわしたりした。
そうするだけで何故か、優しい人のように思われた。

―――<御利益>

いずうさは、その間、男子連の一人にトイレの前で合流して、情報を流す。
安全な情報共有、メールで送信。
しかしもちろん、女というのは二枚舌だから、
話半分で聞かなければならない。
しかしテストの予想問題があれば状況は違ってくるし、
何しろ、いずうさは賢いのでもう女子連がどういう人物かは予測してる。
口に出した言葉と、性格などの人間のタイプを照らしあわせれば、
最低、押せばいいのか、紳士的に攻めればいいのかぐらいはわかる。
これはまったく駄目かは絶対にわかる。
誰だって玉砕覚悟より、見込みのある方がいいし、そういう方法を取りたい。
結果的に、二組ぐらいはカップリングできそうな具合だった。上々だった。

「まあ、後は野となれ山となれ」といずうさがアドバイスしたりした。

いずうさが部屋へ戻ると、かもちゃんがまだ食べていて、
自然と男と女入り混じった共同の、おなかにおさわりタイムが始まっていた。
改造ビフォー&アフター状態。
合コンというよりもはや、何かひとつのあやしげな宗教みたいだったが、
男女がリラックスをする上で、動物というのは有効に働くといずうさは思った。
それは牧歌的な光景である―――八月・・・・。








最終更新日  2020年08月04日 02時10分50秒


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