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カテゴリ:火曜/土曜…三平×2
「失踪日記2 アル中病棟」吾妻ひでお
俺も酒好きだから反面教師として読みつつ、 それでもちゃんと漫画として面白い。 鋭く冷静な観察眼で過酷な状況下にあった自分すら観察し、 ギャグとして昇華させているのは、作者自身の根底に流れる、 「仕入れたネタでバカ話をしたい」という欲求からだろう。 自身の壮絶な状況を笑いに変え、 しかし肩の凝らない読み物になってるところが、 根っからのギャグ漫画家なのだと改めて思う。 そしてこの本は、ただ笑わせたいだけの芸人の与太話に、 シュートなのかワークなのかを求めすぎる人たちに対する、 「シュートなワーク」という説得力十分な一つの指針がある。 失踪もアル中も壮絶な経験である。 思い出したくないことも多々あったりもするだろう。 でもそれを俎上に乗せて料理して笑いに転化し、 人前にお出しせずにはいられない表現者としての業。 前作「失踪日記」上梓より8年を経ての大作は、 改めてそれを、より強く感じさせられる一冊。 桜玉吉先生の一連のシリーズ。 松本ハウスの「統合失調症がやってきた」 そして吾妻先生の「失踪日記」シリーズは、 表現する生き方を覚悟する者は一度はよむべき。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.12.10 17:45:50
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