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2005/04/28(木)03:32

不肖・宮嶋氏について1

日常(日々の泡)(85)

 このブログを開設する必要に迫られた 4月後半に出す小説「めっちゃピンぼけ」 のモデル、宮嶋茂樹氏に関して少し書きます。 年末もインドネシアのアチェに津波災害 の撮影に、日本のカメラマンとして一番 早く乗り込むなど、活躍中の氏ですが、 この人、本当に義理堅い。  小説のモデルをお願いしたのが、一昨年 の11月。ほんまに、高校を卒業して以来、 何年ぶり、って感じだったのですが、ちゃ んと覚えていた、というか見破られましたね。 宮嶋氏の写真展に黙って姿を見せただけだ ったのに。  「小説やろ、何書いてもええで」といきなり 言われたのはびっくり。その後も、決して本人が 気持ちの良くなる、愛と感動の物語でもない のに、資料提供や話をするのに、自宅(不肖庵) への寝泊りなど、忙しい身なのに、見事に 支援してくれました。当初は出版など考えてなく 、単に長編の練習のつもりだったのですが、 よく考えたら僕の名前で、賞も取らず世間に 流通する小説、といったらこれしかないな、と。  いろいろあるけど、近くで起こったことを一つ。 昨日、会社に上がったら本が送られてきてて。差出人 は書かれておらず。怪訝に思って、そのダンボール できちんとガードされた郵便物を開けると…。 「不肖・宮嶋青春記」(WAC、1400円) が同封されてました。 この3月3日に出版されたばかりの、不肖・宮嶋氏の 新著。その間、FAXで私の小説の、どう考えても おかしなところも指摘し続けてくれてたのに、 本がいつ出るかは、おくびにも出してなかった んだなあ、宮嶋氏。     さて、帰ってきてから書き足します。 宮嶋氏、私の小説のゲラ、全部読んでくれた ようで。それにしても●●社(出版社さん)、 ちょっと、原稿の読み方が粗くはないかな、 と。作者の思い込みと、おかしいと 思うところを的確に指摘してくれないと、 本当に良質の本は出来にくいのでは。 宮嶋氏が、「ディテールをもう少し注意したほうが エエな」と僕に書いてきてくれているところは、 作者以外の人が注意して読めば、まず 分るところでしたし。 どちらにせよ、これを書いた時点での僕の 小説の実力はこんなもの。 これからまい進したとして、せめて あと5年ぐらいで、「これに賞をやらんのか?」 と人に言われるような作品は書きたいもの。 まあ、読みようによって「めっちゃピンぼけ」が そういう作品と評価されれば、ありがたいけど。    本の表紙のアップも考えたけど、 ひょっとすると肖像権に引っかかる可能性 (特に、宮嶋氏の顔写真なので)があるので、 やめました。すんません。

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